<パラレルワールド>15年ぶりに母校の天体観測室を訪れた徹。当時のまま時が止まったかのような部屋で一冊のノートを見つける。「見ていてくれてありがとう」それは想いを寄せていたダンス部の真矢からのメッセージだった。伝えることのできなかった想いが行き場もなく、徹の目から涙が溢れ15年前と今が交錯しはじめる。もしもあの刻を動かせるなら…<キモチラボの解法>キモチラボは人々の感情を解放するクリニック。エキスを操る天才ブレンダーのマイスター。彼の助手を務めるシュンは、ある日訪れた無表情の美少女・リンに一目惚れ。マイスターの手引きの元、何とか彼女の笑顔を引き出そうと悪戦苦闘するが、シュンはリンの秘密を知ってしまい…<Snowman>今とはほど遠くない近未来。ロクと深雪は深い愛で結ばれた20代の夫婦。不治の病に罹ったロクをカプセルで冷凍保存し、10年後には治療薬が開発されるという主治医の言葉を信じて待つことを決意する深雪。しかし目覚めたロクの目に飛び込んだのは、年老いた深雪の姿だった。50年間待ち続けた妻と、50年待たせてしまった夫。二人の長い愛情の軌跡を描いたSFラブストーリー。<色のない洋服店>真っ黒な服に真っ黒な食べ物…。色を失ってしまった世界で、洋服屋を営む女性、由衣。店には黒い服だけを置いているが、由衣は秘密の仕事部屋で、人知れず自分の好きなカラフルな洋服を作っている。謎の画家との出会いをきっかけに、由衣は外の世界に向かって、それまで隠してきたありのままの自分の「色」を表現しようと試みる。<終着の場所>遠く離れた場所から互いを想っていたはずの二人は、ある冬の日、待ち合わせの場所に向かうため列車に乗り込んだ。その旅の途中、不意に彼女から告白めいたメールが届き、それきり連絡が途絶えてしまう。「私、あなたに話したいことがある」そのメールの意味とは…。会うことのない登場人物たちのモノローグで綴られる、痛く儚い愛の物語。<SWAN SONG>未曾有の大寒波に襲われ、終焉を間近にした地球。名前も知らない女性に恋をしたギタリストのアサヒは、氷河期を迎えた東京を彷徨っていた。その人の為に作ったスワンソング(人生最期の曲)を聴いてもらうために。無謀な旅だったが、ついに探している女性の親友と巡り会う。アサヒの想いを届けるため、二人は雪に覆われた街を進んでいく。
洗骨───。今はほとんど見なくなったその風習だが、沖縄諸島の西に位置する粟国島などには残っているとされる。粟国島の西側に位置する「あの世」に風葬された死者は、肉がなくなり、骨だけになった頃に、縁深き者たちの手により骨をきれいに洗ってもらうことで、晴れて「この世」と別れを告げることになる。
パンティが消えるニュースが連日メディアを賑わせている中、狂介は相変わらず愛子のパンティを被って悪を倒していた。複雑な想いを抱く愛子はパンティを返してもらうが、徐々に二人の心はすれ違い始める。気づかぬうちに愛子を傷つける狂介の事を、同級生の真琴正が憎しみに満ちた目で見つめていた。愛子を失い、さらに世界中からパンティが消えるという未曾有の危機を迎えた変態仮面の前に、史上最強の敵が現れる。
高校3年生の童貞3人組・比留間(柄本時生)、峯(遠藤雄弥)、安藤(草野イニ)は、虚しい気持ちを抱え無為な毎日を過ごしていた。友野(三輪子)とヤリたいと思っている比留間は、ある日、友野と担任教師の吉田(田口トモロヲ)がラブホテルから出てきたり、保健室でいちゃついていたりするところを見てしまう。苛立ちを爆発させた比留間は、吉田を殴る。授業をさぼっていた峯は、同級生のちづ(安藤サクラ)が生理による貧血で倒れているところを助ける。ちづは金魚屋を営む父(ダンカン)と二人暮らしで、生理のことも何も知らないし、セックスに関する知識は間違いだらけだった。セックスが見たいと峯にせがむちづと、ポルノ映画を見に行く峯。峯は結局、セックスしてみようと明るく言うちづに押し切られる形でヤッてしまう。経験のない同士のセックスは頼りなくてぎこちなかったものの、二人とも初々しいくらいにお互いを抱きしめていた。安藤は、子守りのバイト先である酒屋で偶然出会った巨乳の秋恵(水崎綾女)に告白される。自分が巨乳であることに小さい頃からコンプレックスを持っていた秋恵。安藤は秋恵のためにダイエットしようとするが、秋恵は、安心するからとそのままでいることを望む。ラブラブな二人だが、秋恵は比留間たちと同じように太っている安藤の胸を揉む。おかげで安藤の胸は赤く腫れ上がってしまう。比留間は友野に相手にされないでいたが、吉田との関係を引き合いに出し誘う。そして吉田との関係が親にもばれて自暴自棄になった友野は、比留間の脅しを受け入れる。海辺のホテルに行こうとするもお金がなく入れず、友野はピクニックにでも来たみたいに波打ち際で無邪気にはしゃぎ、比留間は萎えたままだった。今日絶対にやるんだと自らを鼓舞する比留間は……。