出産と離婚を経て引退した名女優ムーン・リー。かつて仕事をともにしていた映画監督ロジャー・ウーは、彼女にアジア版『ボーン・アイデンティティー』なアクション映画の主演を務めてほしいとオファーする。ムーンは幼い息子ユージョウをロジャーのアシスタントに預けつつも、ロー師範のもとで撮影に向けての過酷な武術訓練に励む。しかしある日、思わぬ知らせが届く。それは映画スポンサーからの「ムーンの元夫ジュリアードを相手役として起用したい」という提案だった。一人の女性として、映画人としてムーンが模索する《己との闘い》と《自分》とは?
3.11の東日本大震災で、日本は大きな傷を負った。多くの命が、大切なものが奪われた。福島第一原発事故はチェルノブイリ以来の大事故となった。今後日本と世界はこの問題を長く抱えて生きて行くことになるだろう。いまも僕らに重くのしかかる未曾有の震災、そして原発事故。3月11日に起こった震災、津波被害は、私たちの生活だけでなく、現代人の精神をも揺るがし、濁流へと飲み込んだ。僕らは日本の未来を、自分たちの将来を、憂い、悩み、考えずにはいられなくなった。震災、津波の被害、原発問題、政治、文化、、、日本の全てについて、改めて考え直すきっかけとなった。気がついたら、先輩たち、専門家たち、友人たち、本当にいろんな人たちと語り合っていた。新しい友達もふえていた。その『友人たち』が語る震災当時と、その後、そして今。そこから浮かび上がる日本の今と未来、問題と課題を描きたい。岩井俊二