時は昭和の中頃。物語は深い森の入り口で待つ香具師・梓黒組の侠たちの元へ二人の客分が訪れるところから始まる。同じく香具師であり、兄弟杯を交わした江洲梅本一家の子分サジキ・ジントウ(正木蒼二)と呪術師クゼ・サブロウタ(高東楓)である。二人は行方知れずとなったままの梓黒親分の身を案じた梅本親分より使いとして送られたのだという。その森は―。梓黒組にとっての自ら力を高めるための聖域であった。若頭・縣(大和克巳)たちの制止を振り切るように、強引にその森に入ったサジキであったがそこは強力な呪術で編み出された結界であり、空間が複雑に入り組んだ迷宮であった。次第に森の奥深くへと迷い込むサジキの前に、想像もしなかった異形の存在が姿を現す。残酷な少女人形“箱入り娘”(水沢彩)と任侠・サジキとの血で血を洗う死闘!果たして侠たちは生きてこの森を抜け出ることが出来るのか?命を賭けて森に入ったサジキの目的とは!?
母親の病死で一人ぼっちとなったみどり(中村里砂)は、赤猫サーカス団団長の嵐鯉治郎(中谷彰宏)に拾われる。サーカス団には、怪力自慢の赤座(深水元基)、美少年のカナブン(武瑠)、蛇使いの紅悦(森野美咲)、足芸の鞭棄(佐伯大地)、異人の海鼠、蟻男といった個性的な連中が顔を揃えていた。その中で下働きするみどりは、苛めにあいながらも女優を夢見て毎日を送っていた。ある日、ワンダー正光(風間俊介)という西洋奇術と称した超能力を使う男が入団する。不思議な力は話題となりサーカス団は連日大入りになる。みどりは彼の優しさに心を寄せていくが、そんな二人の関係を面白くない鞭棄は、力づくでみどりをものにした。それを知ったワンダー正光は激怒し、超能力で鞭棄を殺害する。その光景を目撃したみどりはワンダー正光に恐怖を覚え避けようとするが…。