寂れた温泉街に佇む「田沼旅館」この日、田沼旅館を何とか流行らせたいと願う1人の女性記者がこの宿に泊まった。彼女以外の宿泊者が…【今日が人生最後の日!】【今日が親子最後の日!】【今日が夫婦最後の日!】【今日が犯罪者最後の日!】そして【今日が営業最後の日!】皆が泊まる田沼旅館もこの日を最後にひっそりと経営を終えようとしている。しかし、女性記者があることに気付いたことをきっかけに、全員の運命が少しずつ変わっていく。
二月のある日、シングルファーザーの肇(柳家京太郎)は、広島から上京して、春から東京の大学に通う娘の璃子(石井杏奈)のため、二人で部屋探しに歩く。そこで出会う人々とのふれあいが、二人の心にかけがえのない思い出を刻み付けていく。たった一日のちいさな旅路が終わりに近づくころ、肇は璃子が幼いころ死別した妻との思い出を語りはじめる。璃子にとってそれは、今まで知ることのなかった父と母の秘められた物語であった。