医療界で実際に起きた事件をモチーフに、現役医師が現代の医療現場の真実を描いた衝撃作富士山の麓に建つ青田病院の院長である青田岳雄。岳雄は経営ありきの民間病院と大学病院における純粋な医療の狭間で葛藤していたが、同僚であり、大学の同期でもある峰山昇太郎と共に大学病院に負けない医療レべルの実現を目指していた。院長に就任し一年目、医療保険を使う医師や病院側を細かい規定で縛る“個別指導”を行うため、元医師で現在、厚生労働省の医系技官である荒川直樹がやってきた。「良い病院を助け、悪しき病院を取り締まる」はずの“個別指導”だが、現場を知らない・知ろうとしない官僚たちは、まるで交通違反の切符切りのように紋切り型の対応で裁量権を振りかざし欲求を満たす。人一倍正義感が強く屈辱感に耐え切れない岳雄。大きな力が岳雄を阻んでいく...それぞれの立場から医療の道を模索し歩む3人の運命は...
過疎化の進む地方都市。かつてその街に住んでいた花村茉莉は今は東京で働いていた。亡くなった父の遺産として実家を譲り受けるが、仕事を解雇されることになり売却を考えていた矢先、実家で父の幻影を目にする。悩む茉莉の元へ、かつて教師をしていた父の教え子・陽子が現れ、父の思い出を聴きながら、自分の生き方を見つめ直してゆく。
「パラダイスとエンド」離婚することが受け入れ難い男のところに女子高生がやってきて誘拐してくれと頼まれてしまう。「正義の人たち」好意を寄せている同僚女性の腕の包帯を見て、その彼氏のDVが原因だと思った男は冷徹非情な姉と共に、カップルが同棲している家に乗り込む。「シガレット」同級生ジョウの葬式に集まった五人の帰り道。ジョウの彼女だったり、彼女に好意を寄せる親友だったり、それぞれの想いが交錯する。「からまる蛇」ある若い夫婦に二十万円の請求書が届く。それは旦那が落とした百万円を拾った人物からのお礼の請求書だった。旦那は無視を決め込むが・・・。
失恋し落ち込んでいた京子はマッチングアプリで門野と出会い、お互い惹かれあって結婚する。美青年で優しい門野との生活に幸せを感じる京子だったが、ほどなくして、夫が自分以外の誰かを愛しているのではと疑惑の念に駆られ、探偵の野村を雇い、必死に真相を追っていく。しかし京子が門野の本当の姿を知ろうとすればする程、謎の中で彷徨っていく。そして真相に辿り着き、目の当たりにしたものは想像を超えた衝撃的な光景だった。