オムニバス形式で送る【B級】ショート・パルプフィクション【第一章】大都会・新宿の片隅にひっそりと棲息する名無しの「探偵」(裏地圭)は、大会社の重役から家出した自分の娘を探してほしいという依頼を受ける。その娘・麻耶(NAGI)との出会いが、探偵をキナ臭い争いに巻き込んでいく。【第二章】親友同士の花田(仁也)と風間(斎藤嘉樹)は、花田を借金漬けにして破滅させた暴力団組長・寺光(真柴幸平)を拉致し、山奥で殺害しようと計画を実行する。しかし、風間が花田を思いとどまらせようとしたことから、二人の間に亀裂が生じ……。【第三章】探偵がついに探し当てた麻耶は、ある理由により親元に帰ることを拒否した。そして音信不通になっている恋人の存在を明かし、その男となら一緒に海外へ脱出するという。探偵は麻耶の恋人を探すため、再び歌舞伎町に舞い戻る。
とある海辺で出会った2人。1人は会社をサボって当ても無いまま辿り着いた彩花。もう1人はその町で生れ育った渚。ひょんなことから彩花と渚は一緒に飲むことに。場所は渚が所有する焼き鳥屋店舗。その店は渚が3ヶ月前に亡くなった祖父から受け継いだものだった。東京の企業でキャリアを築き上げてきた彩花は、自然に囲まれ自由奔放に育った渚に翻弄されつつも一緒にいることに居心地の良さを感じていた。たった1日、会社をサボるつもりだったが彩花は会社に休暇願いを出して暫く留まることにする。渚は半ば強引に彩花を誘い、祖父から譲り受けた焼き鳥屋で一緒に居酒屋を始める。メニューは気まぐれの日替わり。祖父の親友の鉄二や、東京からの移住者である俊とカナが常連となり次第に店は繁盛していく。2人は釣りをしたり、浜辺でのんびりとしたスローライフを楽しんだ。そんなある日、彩花が会社を休む理由となった出来事を告白する・・・。
春――。新任栄養士の野々村菜々は、退任するベテラン栄養士の立山から給食のイロハを引き継ぐ。予算の問題や子どものアレルギーの問題・宗教上の問題、様々な問題に対処しながら、子どもたちに“美味しい給食”を食べてもらおうと奮闘する菜々。新学期が始まり、子どもたちからの反応は“美味しかった”から“味が変わった・落ちた・・・”など芳しくない。ショックを受ける菜々を他の栄養士や調理士達から「よくある事で子ども達の気のせいだ・・・」と慰められるも、何とか子どもたちに喜んでもらいたいと、直接子ども達に給食の感想を聞いてみる。そして菜々は、例え子どもの苦手な食材があっても、素材の味を生かした、それぞれに合ったメニューを心がけなければ、と決意する。果たして菜々は、子どもたちに受け入れてもらえる給食を作ることができるのだろうか……。やがて1年が過ぎ、菜々にとって初めての卒業式がやってくる。子ども達が菜々をはじめとする給食の先生達に伝える思いとは……。
定年間際のビジネスマン柴久生は交通事故で娘を亡くし、自殺を図ろうとしていた。そんな彼の耳に聞こえた「生きろ」の声。その声は柴の友人・川島の最期の時の声だと、川島の看取り士だった女性から聞かされる。それから5年後、岡山・備中高梁で看取り士としてのセカンドライフを送る柴は、9歳の時に母を亡くした新人・高村みのりたちとともに、最期の時を迎える人びとを温かく支えていく。
天真爛漫で自由奔放な日本人女性ライカとモスクワで女優を目指すロシア人女性ユーリャはルームメイトとして同じ屋根の下で暮らしている。二人はお互いの《心も体》も愛し合う、友情を越えたもので固く結ばれていた。しかし、1人の男性の出現でその関係は微妙なズレを生み出し始めた…。
「切ったぞ!」と切り取った桑田正一(萩野崇)のチンポコを高々と掲げる戸塚一樹(鐘ヶ江佳太)。それを瞳揺れずに見つめる戸塚美穂(七海なな)。事件後、静かに一人暮らしをしている美穂のところに怪しいルポライター法月守(杉山裕右)が近づいて事件の真相をしつこく尋ね、迷いの末に口を開ける美穂。真面目でストイックな夫の一樹とささやかな生活をしている中、夫は美穂を宝物のように大切に扱っていたが、美穂は桑田の弁護士事務所でアルバイトとして働き始めてから変わっていく…。弁護士として颯爽と働く桑田に好感を持つと、桑田の優しさにどんどん心を奪われてしまう。本能を隠し切れない2人はついに深い関係になり、不倫関係を続けてしまう。そこにはどうしても断ち切れない究極の快感があった。その罪悪感と快楽の混ざり合いで生み出した美穂の本性とは…?法月は果たして美穂から「真実」を探せるのか。終わったようで始まっている「可愛い悪魔」の行方は…?