1955年、ブラジルの小さな町コンゴーニャスで雑貨店を営んでいた無学のホセ・アリゴーはある日、夢を見る。そこに現れたドイツ人医師アドルフ・フリッツは、彼に人々を治療するように諭した。やがて、何かに憑かれたようにアリゴーは病に冒された人々に対し、あるときはメスを使い、あるときは素手で患部を鮮やかに取り除いた。身体の痛みや困難、白内障からガンまでを完治させ、次々と奇蹟を起こしていく。やがてアリゴーの“心霊手術”は国中で話題となり、多くの人々が彼のもとに詰め掛けるが、教会や医師会は彼を告発。逮捕されたアリゴーは裁判にかけられるが、彼を救ったのは彼に癒された民衆の力だった…。
若き天才女性バイオリニスト・ローズのもとに幼い頃に生き別れた父の訃報が届く。彼女の父はかつて一世を風靡しながら突然姿を消した著名な作曲家マーロウだと分かり、ローズは遺産整理のためにフランスの古めかしい屋敷を訪れる。そこには父が死ぬ間際に作曲していた「バイオリンソナタ 作品54」と題した楽譜が残されていて、幾つもの謎のシンボルが記されていた。そして、彼女は屋敷の中で“何か”の存在を感じるようになる…