憧れの人に告白するため 30 日間禁欲を決行した俳優・古谷蓮は何も変われなかった反省から、憧れの人に変わった姿を見せるべく寺修行に行くことを決意する。自己鍛錬に勤しむ古谷。性欲に悩む夫婦や性を超越する住職との出会いを重ね、自己発見の授業を駆け抜けていく古谷に思いがけない悲報が届く。禁欲と自己鍛錬の目的を見失う古谷。 そんな中、映画「30days」の大ファンだという琴絵と出会う。禁欲に切実な問題を抱える古谷と琴絵の運命的な出会いによって、禁欲自己鍛錬はクライマックスを迎える――。
匂いに敏感なひのき(17)は、亡くなった父が残した全国のミニシアターで観た映画の感想が書かれたノートを見つける。ある映画館だけ場所がわからず、匂いのメモや、感想だけが書かれていた。コーヒー豆の焙煎店を営んでいた父が残したコーヒー豆を配りながら、父の巡った映画館へと旅にでるひのき。薄れていく父の匂いと、場所のわからない映画館を探しながら、ひのきは少し、大人になっていく。
事故で視力を失った西村芳則(木村知貴)は、小さな港町で、ときに伯母(内田春菊)に面倒を見てもらいながら生活している。かつて同じ通りの家から一緒に通学していた同級生の大畑(高見こころ)は、東京で役者をしながら、理想と現実の狭間で憂鬱なときを過ごしていた。ある日、西村は大畑と偶然再会する。町にはゆっくりと陽が落ち、そこで暮らす人々はそれぞれの帰路に着く。窮屈で、美しい、その町を眺める二人は、その景色にそれぞれの記憶と想像を重ねる。