1980年5月、1人の男がロサンゼルス刑事裁判所に移送されてきた。男の名はムンド・メンドーサ。メキシカン・マフィア“ラ・エメ”のメンバーとして、“機関銃ムンド”の異名を持つ男だった。彼はラ・エメのゴッドファーザーこと、ジョーの罪を証言するために裁判所に運ばれてきたのだ。遡ること1969年3月、地元ロサンゼルスのギャング組織“ヴァリオ・ヌエヴォ・エストラーダ”に入った際、彼は本名のラモンを捨て、尊敬する伯父の名ムンドと名乗り始めた。その後、敵対するギャング組織”ホワイト・フェンス”のメンバーを殺害したことで、ムンドは逮捕されてしまうのだが…。
ある日、「メキシコ・マフィア百科」という本の中に父の存在を見つけた息子デビッドが、父に真相を問いただす。若かりし頃、父は複数の殺人と強盗の罪で、アメリカで一番厳しい刑務所で40年を過ごした男だった―。1945年、幼い頃から問題児だった父は、成長して地元ロサンゼルスのギャング組織に所属し、キルロイと名づけられた。抗争に明け暮れ、麻薬に溺れ、刑務所を出入りする彼は、刑務所でメキシカン・マフィアの先祖ルイス・フローレスと出会い、まもなくして組織“ラ・エメ”を結成。1973年、またも刑務所入りしたキルロイは守衛らと裏取引して常に情報をキャッチしながら指示を出し続け、メキシコ南北組織の対立抗争にも加担していくのだが…。