インターポール捜査官のラッセル・ハッチが、ある事件の捜査のために渡米し、スーミンという韓国系米国人の女性と恋に落ちる。スーミンの家族は韓国系暴力団で、彼女には13歳の息子ジェイデンがいた。家族の事件に巻き込まれたスーミンはジェイデンの身を守るために、事件についての情報をハッチに提供する。そして、自身に危険が及んだ場合はジェイデンを守るよう、ハッチに懇願するのだった。やがて、スーミンは何者かに殺され遺体として発見される。それから2年後。捜査官を辞めたハッチは、愛するスーミンを失い、酒に溺れる日々を過ごしていた。彼にとっての生きがいは、スーミンと交わした約束を守ること。スーミンの息子ジェイデンが暴力沙汰や犯罪に巻き込まれないよう、放課後、ジェイデンの学校へ出向き、毎日のように家へと送っていた。そんなある日、麻薬取締局の捜査官イェイツがハッチの元を訪れる。ある麻薬事件の解決のために、ハッチに協力を求めるためだった。
ドイツ・ベルリン。スパイ組織NIAの工作員ジェイコブは、相棒のマルタとともにKGBの男を亡命させる任務を実行していた。しかし、計画を察知した何者かによって任務は失敗、その数日後にベルリンの壁は崩壊し東西冷戦の時代は幕を下ろす。それから長い月日が経ち、イタリア・ミラノで写真家として活動していたジェイコブは、きな臭い世界から離れ、女性の友人との間に娘ジュリアを授かり第2の人生を送っていた。ある日のこと、ジェイコブ家の電話にかつての相棒マルタから「会いたい」というメッセージが残されていた。緊迫した声の様子が気になったジェイコブはマルタを駅まで迎えに行くが、久しぶりに会った彼女は記憶喪失に陥っていた。