ある日突然、男らしさを揺さぶられたらー“幸福の象徴” 煙突そうじ人が悩みに悩む異色コメディ煙突掃除を営む妻子持ちの2人の男。ひとりは客先の男性との一度きりのセックスで新しい刺激を覚えるが、平然と妻にこの話をしたことで夫婦仲がこじれてしまう。もうひとりはデヴィッド・ボウイに女として意識される夢を見て、自分の人格が他者の視線によってどう形成されているのか気になり始める。良き父、良き夫として過ごしてきた2人は自身に起きた衝撃的な出来事により、自らの“男らしさ”を見つめ直していく。この出来事について語られる会話には「どこからが浮気か」「夢は現実にどんな影響を与えるのか」といった誰もが一度は考えたことのある普遍的なテーマが散りばめられている。また“セックス”や“セクシュアリティ”といったデリケートな話題を含みつつも、あっけらかんとした会話にはオフビートな空気が漂う。「DREAMS」「LOVE」「SEX」で最もコメディタッチな異色作。
愛することに不器用な大人たちーあらゆる“親密さ”を探求するロマンティック・ジャーニー 泌尿器科に勤める女性医師のマリアンヌと男性看護師のトール。共に独身でステレオタイプな恋愛を避けている。マリアンヌは友人から男性を紹介されるが、子どもがいる彼との恋愛に前向きになれない。そんな折、トールはマッチングアプリなどから始まるカジュアルな恋愛の親密性を語り、マリアンヌに勧める。興味を持ったマリアンヌは自らの恋愛の可能性を探る。一方トールは偶然フェリーで知り合った男性ビョルンを勤務先の病院で見かけー。出会いが多様化した現代の恋愛観がリアルに映し出されており、主人公達は劇中に度々登場するフェリーのように本能と理性をゆっくり行き来しながら、しっくりくる“親密さ”を探す。愛することに不器用な大人たちが、静かな本音をさらけ出す、「DREAMS」「LOVE」「SEX」で最も優しく今を映し出した1作。
恋に恋する少女の綴った手記が、思わぬ方向に一人歩きしていくー女性教師のヨハンナに初めての恋をした17歳のヨハンネは、この恋焦がれる想いや高揚を忘れないように自らの体験を手記にする。そしてこの気持ちを誰かに打ち明けようと詩人の祖母に手記を見せたことから、物語は思いもよらない展開へと進み始める。ヨハンネが経験するのは、誰もが一度は経験したことのある相手の一挙手一投足に対する期待や不安、過度な妄想、理不尽な嫉妬などあまりにも無垢な初恋。そしてその気持ちを秘密にしておきたい、でも誰かに共有したいという矛盾した思いが祖母や母を巻き込み、ヨハンネの手から離れた手記の行方が、モノローグで綴られる。娘の手記を見て、祖母は自らの女性としての戦いの歴史を思い出し、母は“同性愛の目覚めを記したフェミニズム小説”と称し、現代的な価値観にあてはめようとする。3世代で異なる価値観を持つ3人が初恋の手記を通して辿る運命はー。