広島にある寂れた居酒屋『まめすけ』でバイトしているフリーターの杉山末子(37)は、夢もなければ恋人もいない冴えない日々。他人や世の中に一人毒づくのが唯一のストレス発散だが、このまま自分の人生、大して良いことなんかないんだろうと、退屈な日々を過ごしていた。そんな末子の前に、新人バイトとして現れた山根朔人(24)は、広島大学に通いながら、コミュ力抜群のインフルエンサー。容姿も淡麗、末子と違い明るく、一見、充実しているように見えるが、惰性の恋愛ごっこ、虚勢を張った毎日に、どこか虚しさも覚えていた。『まめすけ』で出会った末子と朔人は、性格や考え方も全く異なるタイプ。出会った初日から対立関係となるが、そんな二人はひょんなことから、車椅子の老人集団による若い男へのリンチ現場を目撃する。どうして良いか分からず逃げるだけの二人の前に現れたのは、アコ(18)という謎の少女。
鈴木大洋は、フグとタコで有名な愛知県の離島・日間賀島に住む高校三年生。幼少期から「4代目」と呼ばれて育ち、中学生まではそのことに何の疑問も持たなかったが、島外の高校で友人と交わるうち、島独自の文化や風習、「4代目」が決定づけられていることに疑問を抱くようになる。いつものように旅館の手伝いをする大洋は、名古屋から来た女子大生、松田凛空・佐野晴香との出会いを通じ、「自分の将来はこれでいいのか?」という気持ちに駆られるようになり・・・。