ニューヨークでケーキ店を営むエマは、レシピ本を出すのが夢。そんな彼女がサノヴィア王国のアレクサンドラ妃から、女王陛下夫婦の結婚記念日を祝うパーティーのパティシェとして仕事を依頼される。王国に向かった彼女は厨房で、パーティーの料理を担当するアレクサンドラ女王の次兄、オリバー王子と鉢合わせ。エマは以前、オリバーとニューヨークのスーパーで1つ残った小麦粉をめぐって奪い合ったことがあり、第一印象は最悪。しかも几帳面なエマと、自分の勘や旬の食材を使って料理するオリバーとは正反対で衝突が絶えなかった。だが、王族なのに料理の道に入る夢を持つオリバーと厨房で過ごすうちに、エマは少しずつ彼に影響されていく。
移民や低所得労働者たちが多く暮らすパリ郊外の公営住宅地帯で、警察による若者への強制尋問と暴行に抗議する暴動が発生。アブデルという青年が重体で病院に搬送され、以後も警察と住民がにらみ合う一触即発の非常事態が続くことに。そんな中、ある警官が紛失した拳銃をこの地区で暮らすヴィンスが偶然拾い、アブデルが死んだらこれで警察に復讐してやると、仲間のサイードとユベールに向かって意気込んで見せるのだったが……。