第十二話「灯の中の対話」アンサーテープを作る会社で秘書兼役者として働いている女。ビデオの中の笑顔とは裏腹に、心の中には深い絶望が拡がっていた。次第に一方通行だった関係が逆流し、心の闇が解き放たれてゆく。ビデオの中に受身から転身した女の姿があった・・・・・。 第十三話「小夜子の恋」父の死の報せを受け、一度は捨てた家に戻った青年。そこで血の半分繋がった妹と再会する。時間の止まった場所で、青年は妹の一途な想いを受け止めることを決意する。だが、そこには悲しい真実が隠されていた・・・・・。 第十四話「できごと・・・」棺桶屋の男と女が土蔵の中に閉じ込めている極端に光を嫌う青年は、吸血鬼・・・・・。その命の酒を飲んでしまった男と女は、互いの血を吸いながら永遠を生きなければならなかった。妖しくも切ない男女のラブストーリー。第十五話「紐」子供たちに袋詰にされ、川に流された男が流れ着いた場所は、「何処にも行けない」人たちが住む山あいの村だった。男が仲良くなる腰から紐の生えた少女は、山の彼方の東京へ行きたいと願っていた。男は少女と一緒に村からの脱出を試みるのだが・・・・・。
第八話「ひとをいじめてはいけない」まともに脚本も読まないTVプロデューサーに難癖をつけられる脚本家。文句を言うことも出来ずに心の中で「クソッタレ」と叫んだ途端、変なシスターに「願いは叶えられました」と告げられる。その頃、プロデューサーは見知らぬ戦場に迷い込んでいた・・・・・。 第九話「喰う女」密かに思い続けていた高校教師は偶然を装い、理容師の教え子と再会を果たす。程なく付き合い始める二人には、互いに秘めた悩みがあった。生肉しか食べれない女と、インポテンツの男。二人の愛は究極の選択を経て魂の平静を獲得する。 第十話「プーキィ」ある日、湖に宇宙船が不時着した。中に乗っていた男を助け、介抱する少年。次第に少年は男に父の姿を重ねてゆく。宇宙生物プーキィは男に嫉妬してイタズラを繰り返してしまう。そんな最中、男を追ってきた刺客の魔の手が少年にも迫る。第十一話「電エースに死す」人気ヒーロー番組の主演俳優は、事あるごとに電エースのぬいぐるみ役者に辛く当たった。そして、危険な撮影で自分の都合を押し通したために彼を死に追いやってしまった。それ以来、主演俳優の周りに電エースが出没するようになる・・・・・。
第四話「時の鉱石」ある日、発作に襲われた老人を助けた青年はお礼に古い鉱石ラジオをプレゼントされた。しかし、そこから流れてくるのは三十年近くも前の古いニュースだった。青年は奇妙な鉱石ラジオの謎を追って老人を捜すのだが・・・・・。 第五話「顔面喪失」行方不明の弟を捜している男は、怪しい男たちに追われて逃げ込んだ雑居ビルで整形外科医を名乗る美しい女と出会う。弟を知っているというその女に連れてこられた薄気味悪い洋館。そこで男は常軌を逸した狂気の光景を目撃する! 第六話「漁火」結婚式を数日後に控えた娘は、自分の本当の母親に会う為ある海辺の町にやってくる。そこで優しい老人に出会い、不思議な漁火の話を聞かされる。やげて日が沈み海いっぱいに現れた漁火は娘と老人を包み込み、気がつくと老人の姿はどこにもなかった・・・・・。第七話「ワン・コイン・ドリップ・ドリーム」恋に全く縁のない主人公の夢に現れた恋の魔法使い。恋のチャンスを与えるといって渡された何の変哲もない五百円硬貨のせいで、彼女はヘンテコな連中に追いまわされる羽目に。果たして恋は見つかるのだろうか?
第一話「かぐや姫」男はある夜、立ち寄った神社で光に包まれた美しい女性に出会う。そして共に生活するうちに身も心も彼女に溺れていく。しかし、二人の間には千年以上も前の打ち消すことの出来ない過去があった。 第二話「床屋」男は、失踪した妻からの手紙を頼りに、うらぶれた漁村の床屋にやって来た。そこには主人が一人、「何も知らない・・・・・」と言う。男はとりあえず無精髭を剃ってもらうことにする。そして男は、剃刀の研ぎ音に導かれ、誰のものとも判らない記憶の白日夢を見ていた。 第三話「受胎告知」郊外のマンションに住む主婦の一日は、次々に訪れるセールスや勧誘のせいでゆっくりもしていられない。おまけに不妊で悩んでいるのに避妊具のセールスまで来る始末。ようやく途切れたかと思った矢先、今度は宇宙からの訪問者が・・・・・!
この頃、都市では不気味なウィルスが蔓延している・・・。郊外にあるその家の排水はひどく詰まっていた。排水管修理に訪れた丸徳ポンプの桑田は、この家の主婦に「靴下が汚い」とエキセントリックな声で怒鳴られた。この度を超した潔癖症の母親と暮らしている令奈と真理の美人姉妹。清楚な印象の令奈に対して、快活な今時の女子高生・真理は、いつも男友達を家に招いてはしゃいでいる。そんな令奈を遠くから8ミリカメラで写している奇妙な青年がいた。彼の名は滑井(ぬめい)。オタクのイメージを最悪な形で肉体化したような「太ってて、脂ぎってて、体臭がひどく臭い」コンプレックスの塊の滑井は、令奈に近づくことが出来ずストーカーのようにそっと見つめ続けていたのだ。令奈はその存在に気付き話しかけようとするが、ある日忽然と姿を消した。そして、またこの家の排水管が詰まり始める。まるで排水管の中に巨大な何かが詰まっているように、汚水がまったく流れなくなっていた。「排水管詰まり」を直そうと、まず、真理のBFたちがやって来る。ところが、なんと、彼らの体は、ことごとく排水口の中に引きずり込まれていくのだった!排水管の中で、いったい何が起こっているというのだろうか!?
加藤龍子は、学校へも行かずまともに就職しない弟・秀和と、失業したばかりの父・松男と地方のアパート暮らし。秀和との諍いもうんざりだが、失業後気力を失った父親を見ていると自分が稼がなければならないことを何となく気づき始める。それは責任感でも義務感でもない、ただ「家族」である唯一の絆であるようにも見える。やがて龍子はAVに出演しその金を家に入れるようになる。しかし、ある日松男がレンテルビデオ屋の棚に偶然、娘が出演しているAVを見つけてしまう。松男は自分が父親としての無責任さと情けなさから龍子に当たるが・・・。
あこがれの職業である“殺し屋”になった黒川(山本浩司)は、その初仕事を成功させ事務所に戻るが、ピンク映画の監督でもある暗黒街のボス(映☆画次郎)は、黒川が死体を始末しなかった事に腹を立て、死体をバラバラにして捨てるように命じる。一方、売れないGSバンド“ドンキーズ”のメンバーは、一攫千金を目指して暗黒街のボスが取り引きするカバンを強奪する事を計画。交わらない筈の二つの物語が交錯し、そのうえ黒川が“ドンキーズ”のボーカル・エミ(安田美香)にハートを奪われたため、事態は思わぬ方向へと展開していく・・・。
高は脅迫神経症患者で、「手洗い」をやめられない症状に悩んでいる。高は通院先で知り合ったあかねと一緒に暮らしているが、あかねも過去にある事件で心に深い傷を負っていた。傷ついた心を癒しあうように都会の片隅で寄り添って暮らす二人。だが、高の「心の病」は次第にあかねとの間にも深刻な亀裂を生じさせていく。「俺はお前を殺してしまいそうだ…」。一方高と同じ病院に通う千鶴は、パニック障害の発作に悩んでいる。母親と二人で暮らす家の自室からほとんど出られず、母親ともメモで会話を交わすだけの生活を送っていた。ある日外に出た千鶴は、ふたたび発作に襲われて動けなくなり、ゆたかという少年と偶然出会う。誘われるまま千鶴の部屋に入ったゆたかは、そこで千鶴の壮絶な姿を目撃するのだった…。
20××年12月。多摩川沿いの荒れ果てた街。超不良少女チーム『世田谷ベルベット団』と『川崎ライオネス会』はこの数年来、多摩川をはさんで対立を激化させ、ついに全面対決の時を迎えようとしていた。一方、鑑別所を出て三年ぶりにこの街に舞い戻った伝説の不良少女ナオは、地元のロリコン・ヤクザ苫米地への復讐を誓う。苫米地は、ナオの孤児院時代からの仲間ユカリをクスリ漬けにして地獄に突き落としたのだ。そんな嵐の前の不気味な静けさを二発の銃声が破る!撃たれたのは青森のヤクザ。撃ったのはそのヤクザの義理の娘ケロッピ。この不思議な少女の唐突な出現が、無法の街のウルトラ不良少女たちの運命を急展開させていく!