ナチスドイツの大手新聞社の記者として東京で諜報活動するソビエト連邦のスパイ、リヒャルト・ゾルゲ(アレクサンドル・ドモガロフ)。駐日ドイツ大使を通して、ヒトラーによるソ連侵攻を知ったゾルゲは、スターリン率いるソ連側に情報を伝えるも信用されなかったが、尾崎秀実らとともに諜報活動を続け、その後もソ連に情報を送りつづける。しかし、頻繁に発信される無線通信により、大崎少佐(山本修夢)率いる特別高等警察に諜報団の存在を感知されてしまう。やがて、41年にナチスドイツがソ連に攻め込み、ソ連はゾルゲへの評価を改めたものの、ゾルゲ率いる諜報団には危機が迫っていた。緊張が高まる国際情勢の中で、精神の安定を保つため酒と女にのめり込むゾルゲは、ビアホールで働く日本人女性・花子(中丸シオン)と同棲しながら、元恋人の駐日ドイツ大使の妻にも惹かれていくー。
ソ連とナチスドイツの激しい戦いが続く、1942年。戦車訓練兵のワシリーは、医学生のマリアと出会い恋におちる。だが2人の愛は、激化する戦争に引き裂かれていった。前線に送られたワシリーは、強力なドイツ戦車軍団と戦いながら、兵士として逞しく成長してゆく。女性戦車兵ナタリアとの出逢いもあった。一方のマリアは、結婚した夫が戦死、野戦病院で看護師として働きながら過酷な運命に立ち向かってゆく。再会と別れを繰り返しながら、運命に翻弄される2人。その関係が燃えあがると共に、戦いも最終局面に突き進む。1943年夏、史上最大の戦車戦「クルスクの戦い」は、目前に迫っていた……。