君に届け

2006年～2017年末まで別冊マーガレットで連載され単行本の累計発行部数2000万部越え。実写映画も大ヒットし、講談社漫画賞少女部門を受賞するなど平成世代を代表する恋愛コミックとなった通称『君届（きみとど）』本作の魅力はなんといっても今までいそうでいなかった主人公・黒沼爽子でしょう。とにかく純粋で疑うことを知らない真っ直ぐな優しい女の子で、彼女が色々なはじめてを経験していく姿の初々しさに感動したり、一生懸命な姿を応援したり…親鳥のような不思議な感情を覚えました(笑)物語の主軸として描かれているのは風早君との恋模様なのですが、個人的に好きなのはあやね、千鶴（そして龍）との友情です。女同士の友情ってどこかに信じがたい部分もあったりするんですが…彼女達の絆は混じりっ気のないホンモノで、友達の為に本気で泣いたり怒ったり奔走する姿に感動させられ、そんな関係性を羨ましいと思うのです。これこそまさしく親友というのでしょう。些細な「優しさ」が、さりげない「思いやり」が、とても暖かく彼女とその周りを包み込んでいる…ほっこり青春を味わえる作品になっています。女性だけじゃなく、男性が観ても楽しめる作品ですので是非ご鑑賞下さい。