子の一族の反乱の後始末も落ち着き、後宮の毒見役を解任された猫猫は花街の薬師の生活へと戻っていた。一方、皇弟であることを公にした壬氏は正式に政に参加し、楼蘭から最後に託された≪国を襲う災害の予兆≫に頭を悩ませていた。ある日の朝、猫猫と趙迂は緑青館のやり手婆から朝餉として蝗の煮つけを振る舞われ、それをひと口食べた趙迂が気になることを言い出して…
趙迂に着せるための子ども用の綿入れを買いに、大通りの市にやって来た猫猫。古服店で商品を見繕っていると、一緒に来ていた趙迂が壁にかけられた一枚の白い衣に興味を示す。それは袖に蔦のような刺繍が施された、異民族の衣装のような衣だった。店主はそれを「火鼠の皮衣」だと言い、衣にまつわる“湖に消えた美しい天女の伝説”を語り始める―。
ある日の早朝、身なりの汚れた男が薬屋を訪ねてきた。「病気の娘を看てほしい」と懇願された猫猫は、渋々ながらも治療へと向かうことに。緑青館の男衆頭・右叫と共に、花街近くの路地裏に立つあばら屋に案内された猫猫。そこには、力なく座りこむ姉と憔悴しきった妹がいた。話を聞くと、姉は物乞いでもらった焼き菓子を妹に食べさせたという。物乞いへの施しにはあまりに贅沢すぎるその菓子に、猫猫は違和感を覚える。
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