2030年。漫画編集者として働く西野水帆は、研修医として多忙な日々を送る柏木深のもとへ、お弁当を差し入れに病院を訪れていた。幼なじみの和泉藍、星川周吾、そして水帆の4人は、数年ぶりに恋ヶ浜の花火大会へ行く約束をしていた。だが、そこにかつて水帆に想いを寄せていた羽沢輝月の名前はない。迎えた当日、約束の時間になっても誰も現れず、賑わう会場で、水帆は一人立ち尽くす。そんな彼女の前に現れたのは――。
2020年クリスマスイブの夜、輝月と初めてキスをした水帆。幼馴染の関係が崩れるのが嫌で、これまでは輝月と少し距離を置いていた水帆だが、ようやく自分の気持ちを認め、輝月には弟ではなく彼氏だと伝える。輝月の家を後にし、顔を真っ赤にしながら水帆が向かった先は、クリスマスパーティーをするために2人の帰りを待つ深、藍、周吾の元だった。サンタ帽をかぶり、笑顔で出迎える藍。そんな藍に水帆が告げたのは――。
2030年。深から告白された水帆は、帰宅後も心ここにあらずといった様子。ぼーっと天井を眺めていたら、藍から電話がかかってきた。輝月と花火大会で再会したことを聞いた藍は、水帆がまだ輝月のことを想っていることに気付き、優しい言葉をかける。しかし遡ること10年前。輝月のことをずっと見ていたのは水帆だけじゃなかった――。
2020年。毎年大晦日に行われる忘年会。今年は藍の家で親族たちが顔を合わせる中、藍を除く幼馴染4人の姿はなかった。輝月と水帆が付き合ったことをきっかけに、長年の想いを輝月に告げた藍。忘年会が終わり、一緒に片づけをする藍の母に、今までずっと隠していた秘密を打ち明けるのだった。一方で、輝月と付き合ったことによって、幼馴染の関係が壊れることを覚悟していた水帆だが――。
2021年。先輩たちの卒業式。お祝いの準備を進める中、在校生からは引退試合が中止になった3年生へ向かって「『おめでとう』なんて本当に言っていいのかな」と戸惑いの声が。感染症でほとんどの行事、大会が中止になってしまった先輩たち。輝月は、自分は1年違うだけで試合に出られているのに、という申し訳なさからか、深く考え込んでしまい、今までお世話になった斉藤先輩に花束を渡すときも暗い顔をしていて――。
2030年。歩道橋で水帆の手を引く輝月を見かけた周吾は、3年間水帆をほったらかしにしていた輝月に対して怒り、掴みかかる。そのまま揉み合いになり、階段から2人とも落下してしまった。そして、深が勤める病院で、数年ぶりに恋ヶ浜ハイランズが勢揃いする。診察をしながらも呆れてため息をつく深。そんな深の隣で周吾の手当てをしていた黒田は、深の大学時代からの知り合いで、深に密かに想いを寄せていた――。
久しぶりに5人が再会した日、周吾は幼いころから抱き続けてきた水帆への思いを抑えきれず、車内で思わず水帆を抱きしめてしまう。しかし、幼なじみの大切な絆を壊したくないという思いから、心は大きく揺れ動く。一方、輝月は自宅マンションに藍を泊めることに。なぜ水帆の前から姿を消したのか、藍に問われた輝月は「オレは、逃げたんだ」と、誰にも話せずにいた過去の出来事を、静かに打ち明け始める――。
藍の「今も水帆が好きなら、立ち上がれ、もう一度」という言葉に、決意を固めて走り出す輝月。そんな、前だけを見ていた輝月のことが好きだったと、過去を振り返る藍。2021年、花火大会の日。展望台で花火を見ている藍の隣には冬夜がいて――。
今まで水帆への思いを抑え込んでいた周吾が輝月に宣戦布告する。輝月も仕事を辞めて水泳選手に復帰して、再び水帆を振り向かせる決意をする。そんな事情を知らない水帆は、担当作家の新連載取材でスイミングスクールを訪れると、思いがけず輝月と遭遇する。後日、深の弟・海が水帆の会社を訪れ、深が風邪で倒れていると伝えると、水帆は戸惑いながらも深のマンションを訪れる――。
深のマンションで、偶然に黒田と鉢合わせた水帆。黒田は、深の好意に気づきながらも、幼馴染という関係に甘んじようとする水帆に「ずるい」と言葉を投げかける。まさに図星だったが、どうすればいいのか答えが見えず、水帆は深く考え込んでしまう。その後、周吾から新メニュー開発の協力を頼まれた水帆は、周吾と一緒に江の島へ。いつもとは違う周吾の態度に、水帆は戸惑いを隠せず――。
水帆の父が倒れ、深の病院に緊急搬送された。突然の出来事で動揺する水帆に、深は手術には自分も参加するから大丈夫だと励ます。そして、水帆の母が病気で亡くなったあの時に医者になると決め、ずっと水帆のために頑張ってきた深は手術室へと向かう――。
輝いていた高校時代。あの青春から10年後、それぞれの道を歩いている恋ヶ浜ハイランズの幼なじみ5人。果たして水帆が選ぶ未来とは――。
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