夕霧花園

愛した男はスパイなのか？記憶が紡ぐ、時を超えた愛の証明。三つの時間軸からなる、幻想的でミステリアスなラブストーリー！

あらすじ

【第１の時間軸】1980年代、マレーシアで史上２人目の女性裁判官となったユンリンは、連邦裁判所判事を目指していた。かつて愛した謎多き男・中村がスパイとして糾弾されているのを知った彼女は、彼の潔白を証明できる証拠を探すことを決意する。【第２の時間軸】戦後の1950年代。夢だった日本庭園を造るため、キャメロンハイランドで活躍する日本人庭師・中村のもとで見習いとなるユンリン。彼女は日本人への複雑な感情を抱きながらも、どこかミステリアスで孤独な中村に惹かれてゆく。【第３の時間軸】第二次大戦中、ユンリンは妹のユンホンと共に、日本軍によって強制労働に駆り出されていた。やがて敗戦した日本軍は、現地人捕虜を収容所ごと焼き払う。ユンリンは１人逃げ延びるが、妹を見殺しにしてしまった自責の念に苛まれ…。

解説かつて愛した男は、本当にスパイなのか。三つの時間軸が交差しながら映し出す、時を超えた愛の真実とは―。『九月に降る風』『星空』『百日告別』のトム・リン監督が、日本・香港・台湾の名優たちを主演に迎えて放つ、珠玉のラブストーリー！！第15回 大阪アジアン映画祭のオープニングを飾り、上映後には客席から拍手が巻き起こった本作は、幻想的な歴史ラブストーリー。日本ではあまり語られることのない第二次世界大戦におけるマレーシアとの歴史と共に、一組の男女の切ない恋が紐解かれていく。物語は、亡き妹の夢であった日本庭園造りに挑んだユンリンと、日本人庭師・中村が出会ったことで動き出す。キャメロンハイランドの美しい景色を舞台に、日本軍の占領下にあったマレーシアと日本との因縁を超えて惹かれ合う２人の運命が、戦中の1940年代、戦後の1950年代、そして1980年代と、三つの時間軸を通して描かれる。監督は台湾恋愛映画の名手、トム・リン。マレーシアの作家タン・トゥアンエンの小説でブッカー賞にもノミネートされた同名小説（英題「The Garden of Evening Mists」）をもとに、戦争という歴史を通して見えてくる人間の光と闇を巧みに描き切った。ヒロインのユンリンを演じるのは、香港・台湾映画界をメインに活躍するリー・シンジエ。日本人庭師の中村役は、日本を代表する俳優の１人である阿部寛。日本庭園の設計に留まらず多才な芸術家としての一面を持ちながらも、莫大な埋蔵金「山下財宝」の秘密を握るスパイだと疑われる謎めいた男という稀有なキャラクターを演じ、新たな魅力を発揮。そして、台湾の名女優シルヴィア・チャンが、80年代のユンリンを好演している。アジアを中心とする様々な国と地域から優れたスタッフ・キャストが集結し、深い芸術性と重厚なテーマを内包した、美しくも悲しい物語に誰しも魅了されることだろう。

キーワード 洋画 マレーシア ハイビジョン PG-12 女性主人公 ドラマ 恋愛 ラブストーリー ロマンス