実際に起こった「附属池田小事件」をベースに罪を犯した青年とその家族を描いてるこの作品。淡々としたテンポで押し寄せてくる葛城家の「不安定さ」は見ているこっちまで息苦しくなりました。それぐらいキャスト陣の演技がとても良い作品でした。中でも三浦友和演じる葛城清の「強そうな親父」感が凄い!自己中でクレーマー気質の絶対逆らえない人、というキャラクターが出来上がっています。近くにいたら絡まれたくない!と思ってしまうタイプ。映画は全体的に暗いムードで展開していきますが、物語の途中、父親以外の3人で集まるシーンは序盤から保っていた緊張感が切れ穏やかな空気が流れます。個人的にお気に入りのシーンです。僅かな希望を感じられる良いシーン。しかし、そのゆったりとした時間も長くは続きません・・・。横暴な清ですが一家の大黒柱として彼なりの考え方があり、それが上手く家族とかみ合わない感じがまたもどかしい。家を建てた頃の清の回想は「この人も悪い人ではないんだなぁ」と観ていて切なくなります。登場人物がみんなどこか壊れていて、誰にも感情移入出来ない映画です。しかし、葛城家の人々は身近にいそうな人たちばかり。凶悪な犯罪者は常に身近にいるのかもしれませんね。
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