青雲伝 ～惹かれ合う二人、許されぬ愛～

魔教の教主・鳳瀟瀟（フォンシャオシャオ）は、仙門・青雲派に潜入し、禁術の力を秘めた補天石を奪って姿を消す。逃亡中、幼なじみで九華城の放蕩息子・李子慕（リーズームー）と再会するが、彼は彼女が魔教の首領だとは知らない。やがて追っ手に囲まれ、鳳瀟瀟は肉体を失い魂のみとなる。彼女の死を誤認した李子慕は、補天石を持ち去り遺体を火葬。元神として蘇った鳳瀟瀟は、天香閣の花魁大会で自ら命を絶った花魁・素素（スースー）の体に乗り移り、新たな姿で李子慕の前に現れる――。

王正軒（ワンジョンシュエン）に追われた鳳瀟瀟（フォンシャオシャオ）は、花魁・素素（スースー）の遺体に魂を宿し“転生”を果たす。素素の最期を知った鳳瀟瀟は、彼女の微かな残魂を守りながら第二の人生を始める。素素の善良さに心を動かされた李子慕（リーズームー）は身請けを申し出て自由の身とするが、鳳瀟瀟は補天石を求めてあえて李家の侍女となる。力を失ったままの彼女は補天石を探して李府を徘徊するが、思わぬ形で李子慕の“修行”を目撃することに――。

毒に冒された素素（スースー）は意識が混濁し、李子慕（リーズームー）に思わず口づけてしまう。李子慕は動揺しつつも彼女に手を出さず、翌朝、素素は接触によって霊力が回復していることに気づく。李子慕に侍女としてこき使われながらも、素素は小蝴蝶（フーディエ）の優しさに触れ、復讐という自らの使命を改めて思い出す。ある夜、補天石を奪おうと李子慕の部屋に忍び込むが、もみ合いで石が割れ、実は偽物だったと知った素素だったが――

素素（スースー）は失われた法器・鳳鳴笛を取り戻すため、青雲山への潜入を決意。青雲派の市が開かれると知るや、後山への立ち入り権を持つ李子慕（リーズームー）に取り入ろうと、態度を一変して色仕掛けに出る。同行を許された素素は、変装して単独で後山へ忍び込み、雲天南（ユンティエンナン）の大殿で鳳鳴笛の霊気を察知する。しかしそこに現れたのは、生前の素素が想いを寄せた相手・王正軒（ワンジョンシュエン）だった――。

雲天南（ユンティエンナン）は素素（スースー）の正体に疑念を抱き、術で真実を暴こうとするが、李子慕（リーズームー）が間一髪で介入し阻止。素素は李子慕の正体にも不審を抱くが、彼は巧みに言い逃れる。補天石を求めて焦る素素は、青雲山の夜市に行きたいと李子慕に懇願。王正軒（ワンジョンシュエン）との密会を疑いつつも李子慕はそれを了承するが、宿に部屋が一つしかなく、二人は思いがけず同室で一夜を過ごすことに――。

青雲山の客室で同室になった李子慕（リーズームー）と素素（スースー）は、ベッドの取り合いで小競り合いを繰り広げる。翌日、二人は一緒に夜市を訪れるも、李子慕の放蕩ぶりに素素は辟易する。その後、素素は再び青雲の禁地に侵入し追われるが、李子慕が現れ彼女を救出。素素は李子慕から情報を得ようと色仕掛けに出るが、李子慕は彼女に亡き幼なじみ・鳳瀟瀟（フォンシャオシャオ）の面影を見出し、「三日以内に俺に惚れる」と賭けを持ちかける――。

素素（スースー）は李子慕（リーズームー）との接触によって法力が回復していることに気づき、李子慕も丹田の異変を感じる。李府に戻った後、李子慕の部屋を訪ねた素素だったが、誤解から逃げ出すことに。そんな中、素素は魔教内部に不穏な動きを察知し、青雲派では雲天南（ユンティエンナン）が魔尊・鳳瀟瀟（フォンシャオシャオ）の気配を感知して大陣を展開。一方、素素は李子慕が重い病に苦しむ姿に胸を痛め、霊力を使って彼を癒そうとする――。

素素（スースー）は鳳鳴笛を探すため夜中に李子慕（リーズームー）の部屋へ忍び込むが、見つかってしまい慌てて逃げ出す。一方、魔教の龍（ロン）は素素が鳳瀟瀟（フォンシャオシャオ）ではないかと疑い、彼女の動向を監視し始める。天香閣にかくまわれた素素は、閣主や花魁・秦婉（チンワン）の探りをかわしながら李子慕のもとへ戻るが、秦婉に言い寄られる李子慕を見て思わず嫉妬。素素の心に、恋の芽が静かに膨らみ始めていた――。

酒に酔った素素（スースー）を李子慕（リーズームー）が丁寧に世話するなか、二人の距離はますます近づく。素素は李子慕との接触で法力がさらに回復していることに気づき、複雑な想いを抱く。一方、花魁・秦婉（チンワン）は再び李子慕に接近するが、あしらわれてしまう。龍（ロン）ら魔教の一派は李子慕の笛の力に注目し、彼こそが魔尊ではないかと疑い始める。李子慕は素素に結婚を申し込み、青雲山へ連れて行くことと鳳鳴笛の返還を条件に、素素も承諾する。

反逆の心を抱く龍（ロン）は、李子慕（リーズームー）の正体を探るため、直接李府に赴き試すことにする。李子慕は素素（スースー）の目の前で、魔尊のふりをして龍翼を威嚇するが、争いに発展。一部始終を陰から見ていた王正軒（ワンジョンシュエン）は、李子慕が魔尊ではないかと確信し、青雲派の修士たちを率いて乱戦に加わる。正義と魔教、両陣営が李子慕と素素の二人を取り囲み、激しい戦いが始まる。