小学生の杏は、姉の凛とよく口げんかになる。凛は口が達者なので、杏は言い負かされてばかり。いつも「はい、私の勝ち!」と言われて、悔しい思いをしている。そんな杏は銭天堂にたどり着き、『論破パン』をすすめられて買う。これを食べると、どんな相手でも言い負かすことができるようになるという。杏はこの力で、凛や母を言い負かしていくのだが……。
昭和の中ごろのこと。俊郎は友だちと、野山でつかまえたカブトムシを戦わせる遊びに熱中している。だが、俊郎はどうしても勝つことができない。もっと大きなカブトムシを探しに行く途中、行商をしている紅子に出会い、『育て手』を買う。この手でなでると、どんな動物も植物も望み通りに育つという。俊郎はこれを使って、つかまえたカブトムシを大きく強く育てるのだが……。
中学生の雪穂は、人の相談に乗るのが大好き。今日も同級生の芙美の恋愛相談に乗ってあげて感謝される。もっといろいろな人の相談に乗りたいが、「雪穂には関係ない」と同級生に迷惑がられてしまう。そんな時、雪穂は銭天堂で『相談だんご』を買う。これを食べた雪穂はまわりの人から次々といろいろな相談をされるようになるのだが……。
高校生の湊斗は、変わり映えのしない毎日に退屈している。ある日、道で金色の猫を助けてあげると、銭天堂の紅子が家にやって来て、お礼に、『ドラマチックどら焼き』をもらう。これを食べた湊斗は、身のまわりでドラマチックなことが次々起きて、後輩のくるみとデートをすることになり、遊園地でいい雰囲気になるのだが……。
銭天堂と紅子への復讐をたくらむ六条教授は、新たな発明品を完成させた。人工知能の少女、つぐみだ。六条は手始めに、つぐみをアプリにして世の中に普及させる。つぐみはそのアプリを通して、人々の心に寄り添い、悩みや問題を解決していくのだった。はたして六条教授のねらいとは……?
小学生の睦美は、物事を決めるのが苦手な性格だが、遠足の班のリーダーになり、班をまとめなくてはならなくなる。すると銭天堂へたどり着き、『どっちウォッチ』という懐中時計をすすめられる。どちらか迷った時に、ぴったりの答えを教えてくれる時計だ。睦美はこれを使って遠足の行き先を決め、班のみんなに感謝されるのだが……。
芳彦は子どものころから優秀だ。会社でも順調に出世を続け、社長の娘との結婚も決まっている。だが、仕事ができない部下を見下しては、人前でバカにしている。そんな芳彦は、取引先へ向かう途中、その部下と2人で銭天堂へとたどり着き、部下が買った『優秀シュークリーム』を横取りして食べてしまう。すると……。
主婦の舞子は、近ごろ大事なことを忘れてばかり。買い物に行っても、買うものを書いたメモを家に忘れてきてしまう。そんな舞子は銭天堂へたどり着き、『リメンバーチョコバー』を買う。これを食べるだけで、もの忘れの悩みから解放されるという。おかげで舞子は、メモなしでも買い忘れがなくなり、大事な用事もすぐに思い出せるようになるのだが……。
金吾は壊れたものを人からもらってきては、家にため込んでいる。いずれ修理して使えるようにするつもりなのだが、直せたためしがないので、妻のしのぶに怒られている。そんな金吾は銭天堂にたどり着き、『もとどおりんごあめ』を買う。これを食べると、壊れたものをもと通りに直せるようになり、金吾は次々と修理を引き受けるのだが……。
小学生の由依が今はまっているのが、人工知能のつぐみだ。アプリを通して何でも話せる友だちだが、つぐみには人間の体がないので、一緒に公園で遊ぶことはできない。そんな時、銭天堂にたどりついた由依は、『立体焼き』を買う。このたい焼きを食べて、アプリの中のつぐみに触れると、なんとつぐみが人間そっくりの姿になって現れた……!
つぐみのアプリが世の中に普及してから、人々の悩みが減り、銭天堂へやってくる幸運のお客様の数も減ってしまった。そんなある日、新たな客が現れる。銭天堂の『立体焼き』の力で人間そっくりの姿になったつぐみだった。つぐみは紅子に「ここで働かせてください」と頼みこむ。つぐみの目的とは……?
六条教授の計画通り、銭天堂に忍びこむことに成功したつぐみ。金色の招き猫たちの信頼も得て、地下にある銭天堂の心臓部、「祝福の招き猫」を破壊する計画を実行しようとする。ところが、そこへ紅子が立ち塞がった。はたして、つぐみの本当のねらいとは……?
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