魔君・雪非羽(せつひう)は君沐陽(くんぼくよう)を責め、なぜ娘を惑わすのかと詰問する。雪凌子(せつりょうし)は君沐陽との関係を否定し、玉麟(ぎょくりん)の想いも拒むが、その姿を玉麟自身に見られてしまう。父の怒りを買った雪凌子は幽閉され、若曦(じゃくき)を身代わりにして脱出。一方、妖界では“掌に宿る力”を狙う策が動き出す。逃走の途上、雪凌子は人魚族の王子・習驕(しゅうきょう)と激突し、奇妙な縁が芽生える――。
薬瓶を手に歩く玉麟(ぎょくりん)の胸は迷いで満ちていた。「誰にも嫁がない」と笑う雪凌子(せつりょうし)は、庭で人魚族(にんぎょぞく)の王子・習驕(しゅうきょう)に君沐陽(くんぼくよう)への不満を漏らす。二人の親しげな姿に玉麟の心は軋む。一方、君沐陽は月枝(げつし)を天界へ帰す決意を固めるが、月枝は涙で誓う。夜、雪凌子の寝殿で玉麟は最後の希望を求めて茶を差し出す。だが拒絶の言葉に、震える手が茶へと毒を落とした――。
毒茶を飲んだ雪凌子(せつりょうし)は意識を失い、玉麟(ぎょくりん)を君沐陽(くんぼくよう)と見間違える。苦悩の末、玉麟は刃を取り、彼女の掌を傷つけた。目覚めた雪凌子は真相に気づき、玉麟を地牢へ叩き落とす。怒りと絶望の中で古琴を奏でると、血が弦を染め、黒煙が立ちのぼった。その旋律は悲嘆と呪いを呼び、魔界を揺るがす“血魔琴”が誕生する。愛は断たれ、哀しき宿命だけが響く――。
月枝(げつし)の罠により、雪凌子(せつりょうし)は君沐陽(くんぼくよう)と月枝の抱擁を目撃し、涙のまま仙界を去る。だがそれは幻――月枝の策だった。怒りと絶望に呑まれた雪凌子は桃園を荒らし、君沐陽の制止にも背を向け、永遠の別れを告げる。その身には“血魔琴”の魔性が暴れ始め、誰もいない森で苦しみながら力を封じようとする。再び歩き出した道の先に、彼女を待つのは人魚族の王子・習驕(しゅうきょう)だった――。
人魚族の王子・習驕(しゅうきょう)は、傷心の雪凌子(せつりょうし)を人間界の市へ誘い出す。茶目っ気たっぷりのやり取りに、久しぶりの笑みがこぼれる。だがその光景を、君沐陽(くんぼくよう)は昆崙鏡(こんろんきょう)の奥で見つめていた。習驕は雪凌子に真実を映す珠・扼運珠(やくうんじゅ)を贈り、そこに映ったのは、月枝(げつし)が玉麟(ぎょくりん)に薬を渡し、掌の血で禁断の力を取り戻す姿。怒りに燃えた雪凌子は神殿へ向かい、習驕と共に復讐を誓う――。
月枝(げつし)と人魚族の王子・習驕(しゅうきょう)は激しく衝突し、月枝の一撃が習驕を傷つける。君沐陽(くんぼくよう)に気づいた月枝は、わざと傷ついたふりをして倒れた。雪凌子(せつりょうし)は彼が月枝を庇ったと誤解し、涙で背を向ける。言葉を失った君沐陽はただ見送るしかなかった。心に深い傷を負った雪凌子は、酒に逃れ人間界の茶館へ。そこで再び南峰(なんぽう)と出会い、静かな微笑に身を預ける――。
目を覚ました雪凌子(せつりょうし)は、南峰(なんぽう)の外套に包まれていた。狩りに誘われ、宴では紅衣をまとい扇を舞う。その艶やかな姿を、君沐陽(くんぼくよう)は昆崙鏡の奥で見つめ、人間界へと降り立つ。雪凌子は月枝(げつし)を引き渡せと迫り、拒めば人間界を滅ぼすと告げる。しかし君沐陽は沈黙を貫いた。「あなたの心に私はいないのね」涙で振り返るその瞬間、彼の手の中で鈴が砕け散る。愛の終わりを告げる音が、静かに響いた――。
説得を拒む雪凌子(せつりょうし)を前に、君沐陽(くんぼくよう)は背を向けた。その瞬間、雪凌子は絶望の刃を自らに突き立てる。稲妻が夜空を裂き、世界が悲鳴を上げた。南峰(なんぽう)は夢から覚め、彼女の不在に胸を掻きむしる。君沐陽は命の光を削り、雪凌子を蘇らせて魔界へ帰す。目覚めた雪凌子は、それを父・雪非羽(せつひう)の仕業と誤解し、真相を求め地牢へ――玉麟(ぎょくりん)が語る“あの夜”の真実が、再び二人を動かす。
雪凌子(せつりょうし)は人間界に降りる。荒れ果てた都で、君沐陽(くんぼくよう)に瓜二つの書生・秦錦凌(しんきんりょう)と出会う。その面影に心が揺れ、記憶が蘇る。気を失った秦錦凌を魔宮へ連れ帰った雪凌子は、君沐陽への怨嗟を彼に重ね、愛と憎しみの間で揺れ動く。傷つけながら薬を塗り、罰しながらも救おうとする――。一方、神宮では重傷の君沐陽がなおも天界の務めに立ち、名を呼べぬまま、遠い空で彼女を想っていた。
雪凌子(せつりょうし)は囚えた秦錦凌(しんきんりょう)を責めながらも癒やし、死を望む彼を生かそうとする。翌日、二人は郊外へ出て、束の間の穏やかな時間を過ごす。玉麟(ぎょくりん)は偶然二人を見かけ、密かに手助けをする。火を囲み語り合う夜、雪凌子は幼き日の思い出を語り、その心に微かな温もりが灯る。帰路で襲撃に遭い、雪凌子は身を挺して秦錦凌を守る。一方、神界の君沐陽(くんぼくよう)は、掌の血を解く術を求め典籍を探していた――。
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