スウェランディア王国のユリアン王子(イサーク・カムロート)は、淑女たちの憧れの存在。彼と結婚するために、彼女たちは日々努力を重ね、美しさに磨きをかける。エルヴィラ(リア・マイレン)は、母レベッカ(アーネ・ダール・トルプ)の再婚のために妹アルマ(フロー・ファゲーリ)とこの王国へとやってきた。ユリアン王子の花嫁になることを夢見ながら・・・。新しい家族となる義姉妹のアグネス(テア・ソフィー・ロック・ネス)は、家柄に恵まれたとても美しい女性。一方、エルヴィラは矯正器具に覆われた口元、ふくよかな体形、こじんまりとした鼻、つぶらな瞳。しかし、アグネスの父が急逝したことで事態は一変する。レベッカはアグネスを貶め、エルヴィラを王子の花嫁にするため手段を選ばずに美を施してゆく。そんななか、ユリアン王子の花嫁候補を集めた舞踏会が開かれることになるが――。
フランス対外治安総局DGSEの極秘部隊アルファの秘密工作員バドは、シリアの武器商人暗殺の任務中、ターゲット以外の女子供の殺害命令を拒否し、上層部から命を狙われ、爆破から間一髪で脱出する。7年後、バドは名前を変えモロッコで警察官の夫イリアスと平穏な新生活を送っていた。しかし、イリアスが有力な武器商人クーリー家の捜査をしていたことから標的となり撃たれてしまう。バドは封印していた戦闘本能を呼び覚まし、復讐のため再び銃を手に取るが、クーリー家と武器の闇取引で通じていたDGSEがバドの存在を知り抹殺しようとする。復讐と過去から続くDGSEの不正を知ったバドは、たった一人で粛清に身を投じていく。
ある日、広島の若者モッチとアヤカは謎めいたアメリカ人観光客ジョンに出会い、広島の街を案内することになる。ジョンには奇妙な力があり、街の至る所で何かを見つけていく。 一方、小学校で原爆の歴史を学び怖くなった少年ユウヤはその夜夢を見る。夢の中の少女はユウヤを戦時中の広島の街へと誘う。 彼らに起こる不思議な物語は混ざり合い、一つの大きな渦になる。 この街の過去と現代が交錯し始める。やがて、忘れられていた愛の歌が街に響き、人々はひとつの奇跡を見つめる。
インドのムンバイで看護師をしているプラバと、年下の同僚のアヌ。二人はルームメイトとして一緒に暮らしているが、職場と自宅を往復するだけの真面目なプラバと、何事も楽しみたい陽気なアヌの間には少し心の距離があった。プラバは親が決めた相手と結婚したが、ドイツで仕事を見つけた夫から、もうずっと音沙汰がない。アヌには密かに付き合うイスラム教徒の恋人がいるが、お見合い結婚させようとする親に知られたら大反対されることはわかっていた。そんな中、病院の食堂に勤めるパルヴァティが、高層ビル建築のために立ち退きを迫られ、故郷の海辺の村へ帰ることになる。揺れる想いを抱えたプラバとアヌは、一人で生きていくというパルヴァティを村まで見送る旅に出る。神秘的な森や洞窟のある別世界のような村で、二人はそれぞれの人生を変えようと決意させる、ある出来事に遭遇する──。
新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)からの痛烈な酷評だった。名だたる文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、文豪気分で原稿に向かっていた加代子のもとへ、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)が現れる。東十条が上階でカンヅメ中と知らされた加代子は、「原稿が上がらなければ私にチャンスが…」と奇想天外な作戦で執筆を妨害し、掲載の機会をつかむ。ここから因縁の対決が幕を開け、デビュー直前で何度も蹴落とされ、さらには味方と思っていた遠藤の裏切りまで。加代子は「私は私の夢を叶える!」と立ち上がり、不屈の精神と奇策で理不尽な文学界を駆け上がっていく。
やることといえば亀のエサやりぐらい。周りの人からは、自分が見えていないのではないかというほど、雑に扱われてる気が…。代わり映えのしない毎日と、自分の平凡さを嘆く主婦・スズメは、ある日、駅の階段のへこみに張られた小さな広告を目にする。「スパイ募集」―思いがけない文字に興味を引かれ、そこに書かれた番号に電話をするスズメ。後日、指定された安アパートに行ってみると、クギタニと名乗る夫婦が彼女を待っていた。そこでスズメは、ちっともスパイらしく見えない2人に?才能がある”と絶賛され、半ば強引に活動資金500万円を手渡されてしまう。
悪名高い賞金稼ぎのリリスは、銀河系で最も混沌とした惑星にして自らの故郷“パンドラ”に戻ってくる。彼女の使命は、アトラスの行方不明の娘を見つけることだ。リリスは、傭兵ローランド、放浪の解体者タイニー・ティナ、ティナの守護者クリーグ、風変わりな科学博士タニス、そして、賢い(?)ロボット、クラップトラップと同盟を結成。寄せ集めのチームは娘を捜索すべく、危険な冒険へと旅立つのだが…。
小さな町の敬虔なカトリック学校に通う大学生のクレア。ジャンヌ・ダルクを崇拝するクレアは自分は神から性虐待者や悪い男を倒し復讐する使命を受けていると信じている。若く美しい容姿、冷静で危険な状況にも動じないクレアは、とんでもない自己防衛のスキルと殺人能力を持っていた。ある日、町で若い女性が次々と失踪する不可解な事件が起き、クレアの友人が行方不明になったことで、彼女は自分だけが事件を解決できると捜査に乗り出すが・・・
ヨンウンは水泳インストラクターとして静かな生活を送っていたが、その日常は7歳の娘ソヒョンの奇妙な行動によって次第に崩れ始める。彼女の小さな手が巻き起こす恐怖は日に日に増してゆき、母娘の関係は闇に包まれていく。そして、20年後――。特殊清掃の仕事に携わるミンと、新たな同僚となったヘヨン。それぞれ生い立ちに暗い過去を抱える2人は共に暮らし始める。しかし、周囲で次々と起こる不可解な出来事をきっかけに、2人の生活に不気味な影が忍び寄る…。過去と現在、2つの物語が交錯したとき、逃れられない狂気が姿を現す。
1970年、軍事独裁政権が支配するブラジル。元国会議員ルーベンス・パイヴァとその妻エウニセは、5人の子どもたちと共にリオデジャネイロで穏やかな暮らしを送っていた。しかしスイス大使誘拐事件を機に空気は一変、軍の抑圧は市民へと雪崩のように押し寄せる。ある日、ルーベンスは軍に連行され、そのまま消息を絶つ。突然、夫を奪われたエウニセは、必死にその行方を追い続けるが、やがて彼女自身も軍に拘束されてしまい…。
文化祭前日に突如バンドを組んだ女子高生たち。コピーするのはブルーハーツ。ボーカルは韓国からの留学生!本番まであと3日。4人の寄り道だらけの猛練習が始まった!
1880年頃のカルカッタ(現コルカタ)。美しいチャルラータは、外界から隔絶されたヴィクトリア朝時代の華美な邸宅で当てもなく毎日を過ごしている。理想主義的な知識人の夫ブポティはそんな妻を愛し支えているものの、新しい政治新聞の発行に追われ妻との時間が思うようにとれない。そんな折、ブポティのいとこのアマルが訪ねて来ると、ブポティはチャルラータに眠る文才を開花させてほしいとアマルに頼む。愛、理想主義、失望、そして悲哀への賛歌である本作は、レイ監督が手掛けた中で最も優美な作品であり、監督の創造期と言われる1960年代に撮られた最高傑作。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
平凡な銀行員シュブロトは家族で唯一の働き手。ある時シュブロトの妻アロティは、(主婦は家にいるべきという)慣習と義父の反対を振り切って訪問販売員としての職を得る。アロティは仕事で順調に評価され自信と経済的自立を手にするが、その状況を受け入れることができない夫は妻に離職を迫る。レイ監督が初めてネオリアリズモへの挑戦を試みた作品であり、物語は1955年当時のコルコタの日常を描く。貧しい下層・中流階級を襲う社会経済的な苦悩に焦点を当て、それを主人公女性の自立を通じて表現している。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
イタリアの美しい田園地帯に佇む修道院へと招待された敬虔な修道女・セシリア。修道生活に慣れた頃、セシリアが処女であるにも関わらず妊娠していることが発覚する。ショックを受けるセシリアに対し、彼女を次の聖母マリアとして崇め、妊娠を祝福する同僚たち。しかし、赤いフードを被った謎の集団が現れるようになると、修道女の自殺や拷問を目撃するなどセシリアの周囲では奇妙なことが起こり始める。
10歳の少女ルーシーは、アイスクリーム店を営む家庭の優等生の女の子。ある日、アイスクリームマシンが故障してしまい、お店は存続の危機に陥る。愛する店と家族を守るため、ルーシーは優等生というレッテルを捨て、銀行強盗という危険な計画に挑むことに。果たして彼女はギャングスターとなり家族を救うことができるのだろうか。それとも、純粋なルーシーの心がそれを阻むのだろうか?ドイツの小さな町を舞台に、愛らしく楽天的なルーシーが家族とともに奮闘する心温まる物語!
AIが国家の社会システム全般を管理し、人間の感情が不要と見なされている2044年のパリ。孤独な女性ガブリエル(レア・セドゥ)は有意義な職に就きたいと望んでいるが、それを叶えるにはDNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッションを受けなくてはならない。人間らしい感情を失うことに恐れを感じながらも、AIの指導に従って1910年と2014年の前世へとさかのぼったガブリエルは、それぞれの時代でルイ(ジョージ・マッケイ)という青年と出会い、激しく惹かれ合っていく。しかしこの時空を超越したセッションは、ガブリエルの潜在意識に植えつけられたトラウマの恐怖と向き合う旅でもあった。はたして、3つの時代で転生を繰り返すガブリエルとルイの愛は成就するのか。そして過酷な宿命を背負ったガブリエルが、最後に突きあたる衝撃的な真実とは……。
婚約者が消えた。残された手がかりは、「あなたと過ごせて幸せだった」というビデオメッセージだけ―。指揮者ソンジンは、オーケストラのチェリストでもあるスヨンの失踪に動揺していた。結婚と大切な公演を控えた今、なぜスヨンは姿を消したのか。喪失感に苦しむなか、ソンジンは公演のためにチェリスト代理のミジュと対面する。スヨンの代わりはいないと考えていたソンジンだったが、言葉にしがたいミジュの魅力にたちまち惹かれていった。大雨の夜、2人は、スヨンのいない寝室で許されない過ちを犯す。しかし、欲望のままに求め合う2人を失踪したはずのスヨンがすぐ<そこ>で覗いていた――
18世紀半ば オーストリア北部の小さな村。古くからの伝統が残るその村に嫁いだアグネスは、夫の育った世界とその住人達に馴染めず憂鬱な生活を送っていた。それだけでなく、彼らの無神経な言動や悍ましい儀式、何かの警告のように放置された腐乱死体など、日々異様な光景を目の当たりにして徐々に精神を蝕まれていくアグネス。極限状態に追い込まれ、現実と幻想の区別すらつかなくなった彼女はやがて…。
30歳の誕生日を翌日に控えるジョンユンは、アルバイトを掛け持ちしながら未来に何の希望も見出せず、生きることに精いっぱいの日々を送っていたある日、道ですれ違った男に声をかけられ、「君は6時間後に殺される」と告げられる。相手にしなかったジョンユンだが、男は「自分には予知能力がある、君が殺される未来を見た」と譲らない。半信半疑ながらも「どうしても君を助けたい」と言い張る男と行動を共にするのだが…。
スペインのマドリード、ナイトクラブで働くダンサーのルシアは雇い主の犯罪組織から大量のドラッグを盗み逃亡する。逃げる際に組織の用心棒から痛手を負わされた彼女は、疎遠になっていた姉ロシオと幼い姪が暮らす、“ヴィーナス”と名付けられた郊外の老朽化したアパートへ身を隠す。ところが、ロシオが置き手紙を残して姿を消した。犯罪組織が彼女のもとへ迫る中、アパートでは未曾有の怪異が目を覚ましつつあった。
双子の姉妹クレール(カミーユ)とジャンヌ(メラニー)は、幼い頃からともにピアノに情熱を注いできた。父親からアスリートのような指導を受け、名門カールスルーエ音楽院に入学する。ピアノのソリストを目指し、2人のキャリアを左右するコンサートのオーディションに向けて練習に励む日々。しかし、彼女たちは自分たちの両手が徐々に不自由になる難病にかかっていることを知る。最悪の事態に直面しながらも、改めてピアノが人生のすべてであり、かけがえのない大切な存在だということに気づく。そして、絶対に叶えたい夢を2人で掴み取るため、家族に支えられながら、自らの運命を変えていくー。
1999年、地球終末論があちこちで聞かれた不安の時代。友達ミヌの代理でファストフード店のアルバイト、イェジに告白のメモを渡したジュヨン。ある日、家へ帰る途中にテコンドー部の先輩から暴行を受ける。そこへイェジが、店の景品だったおもちゃのパトカーのサイレンを鳴らして助けに来る。偶然か必然か、ジュヨンとイェジは、ジュヨンの母親が担当する少年院の家庭体験プロジェクトをきっかけに一緒に暮らすことになり…。
ベルギーのブリュッセル――裏社会の組織がひしめき合う大都市。美術品に隠し輸送された麻薬資金を警察が発見。 運び屋は保釈された直後、ホテルで何者かに射殺された。運び屋のボスは裏社会の実力者シャルル・マール。病気で死期が近いことを悟るマールは、復讐と裏切り者を追い詰める命令を部下に出すと同時に、腕利きの女殺し屋テズを雇う。ライバルとなる新興マフィアのボス、デブール。マールの右腕の部下ジネディーヌ。売春宿を営む盲目の女主人メラ。殺しの背後にある勢力を巡る抗争、裏取引、陰謀。様々な思惑が錯綜する中、テズは命を狙われながらも真相に近付くが、それを覆す衝撃の真実が明らかになる――。
1940年8月、ベルリン。18歳のステラは、ブロードウェイでジャズシンガーとしてのキャリアを夢見ていた。戦争が激化し、ユダヤ人への圧力が高まる中、両親ともに国外脱出を切望していたが叶わず、ユダヤ人の両親を持つステラにとって、その夢は儚く消えていった―。三年後、ステラは軍事工場で強制労働を強いられていた。工場で始まったユダヤ人の一斉検挙からは、かろうじて逃れることができたのだが…。
パリ近郊の音楽院でヴィオラを学んできたザイアは、パリ市内の名門音楽院に最終学年で編入が認められ、指揮者になりたいという夢を持つ。だが、女性で指揮者を目指すのはとても困難な上、クラスには指揮者を目指すエリートのランベールがいる。超高級楽器を持つ名家の生徒たちに囲まれアウェーの中、ランベールの仲間たちには田舎者とやじられ、指揮の練習の授業では指揮台に立っても、真面目に演奏してもらえず、練習にならない。しかし、特別授業に来た世界的指揮者に気に入られ、指導を受けることができるようになり、道がわずかに拓き始める―。
イスタンブールのジムで掃除婦として働く移民のサヤラ。ジムのオーナー、バリスに密かに思いを寄せていたが、姉ヨンジャとバリスが不倫関係にあった。ある日、ヨンジャはバリスに呼び出され、バリスの仲間から激しい暴行を受け殺されてしまう。だが、政治的な権力を持つバリスの父親の手回しで、ヨンジャの死は自殺にみせかけ処理されてしまう。ヨンジャが殺されたと確信するサヤラ。サヤラは幼い頃よりソ連の軍隊格闘術サンボのチャンピオンで裏社会で暗躍した父から、格闘術を叩き込まれ、殺人マシンとして育てられていた。人を殺める技を封印していたサヤラだったが、愛する姉の屈辱を晴らすため、その能力を覚醒させる―!
マイアミの青い海と白いビーチが広がる中、元ソルジャーのフィオナは父を殺した犯罪組織への復讐に燃えていた。ピンクの髪をなびかせ、犯罪者たちを一人ずつ倒していくフィオナ。その怒りとともに、マイアミの街は炎に包まれ、クライマックスに向かって激しいアクションが続く…
生まれつき耳が不自由なダイアナ。過酷なこの世界を生き抜くため父親から厳しい教育と訓練を受けて育った彼女は、今では抜群の身体能力を備え、逞しく成長していた。いつものように、人里離れた山道でトレイルランニングをはじめた彼女だったが、スウェットのフードを目深に被った謎のランナーに出くわす。薄気味悪いそのランナーを何気なく追い抜いた時、突如背後から強烈なタックルを受け、転倒したダイアナは怪我を負ってしまう。猛烈な怒りに駆られランナーを追跡するダイアナ。しかし、待ち伏せていたランナーは殺意を剥き出しに襲いかかってくる。険しい山林を疾走し、濁流の中を泳ぎ、さらには広大な荒地を舞台にカーチェイスへと発展。絶体絶命の状況下、ダイアナと殺人ランナーの終わりなきデス・ゲームが今、幕を開けた・・・。
ベルナデット・シラクは、夫ジャック・シラクを大統領にするため、常に影で働いてきた。ようやく大統領府であるエリゼ宮に到着し、自分の働きに見合う場所を得られると思っていたが、夫やその側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘からも「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。だが、このままでは終われない。参謀の“ミッケー”ことベルナール・ニケと共に、「メディアの最重要人物になる」という、華麗にして唯一無二の“復讐計画”をスタートさせる!
ウェディングプランナーとして働く梓(黒木華)のもとに、ある日突然届いたのは、親友の叶海(藤間爽子)が命を落としたという知らせだった。交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も。一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶をふいに思い出す。叶海と二人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がついて……。
天下一の称号を得るため、武術家の道を志す女傑アーシー。彼女を倒して名を上げようとあらゆる武術家や、利権を牛耳ろうと目論む西洋人までもが彼女を狙ってくる。亡き師匠の復讐を果たすため上海灘に戻って来た彼女の前に、龍堂派の金剛龍(ジンガンロン)と西洋人ビジネスマンのハンクスが立ちはだかる。しかも警察署長までもがハンクスと裏で手を握り……。果たして彼女は警察や政治家の腐敗を暴き、亡き師匠の仇を討つことができるのか!?
継母と義理姉による虐待に苦しんでいたシンデレラは庭で不思議な本を見つける。そして本を読んだ彼女の前に“フェアリーゴッドマザー”が出現し魔法の力によって憧れの王子とダンスする夢が叶う。しかし王子や継母たちはシンデレラのドレスを剥ぎ取り、全裸にして嘲笑。その瞬間「復讐したい」と願ったシンデレラはガラスの靴を凶器に変え、邪悪な人間どもを残虐な手段で次々と血祭りにあげていく――!!
弁護士のモリー・シンガーは、大学時代はいつもパーティーの中心人物。しかし今でも彼女はパーティー好きな性格を変えられず、事務所をクビになりそうに。モリーの上司であるブレンダは、モリーに一つの救済策を提案。それは、母校に再入学し、社交的に欠けるブレンダの息子、エリオットと友達になり、彼をキャンパスのヒーローにすることだった。自身の未来のため、モリーは親友の助けを借りて、傲慢な風紀委員、酔っ払った寮の住人、そしてかつての宿敵との戦いに挑むことに。
かつて女優として一世を風靡したスヨンだったが、飲酒運転で事故を起こし活動休止に追い込まれた。その後、再起を図るために地道に活動を始めるが、世間の反応は冷ややかだった。事務所が用意した住居では、後輩女優のガヨンと同居させられ、断ったはずの酒をあおる日々が続いていた。その夜も酒に酔い目を覚ますと、包丁が突き刺さったガヨンの死体が横たわっていた。言い争いの末に殺してしまったのか、それとも事故なのか、記憶が全くない。どちらにしろ、事件が明るみになれば再起の道は完全に断たれてしまう。スヨンは、事件を隠ぺいしようと決心するが、その時、何者かが玄関のチャイムを鳴らした―。
ハッカーと泥棒という異色の女性カップルがダークウェブ界で暗躍する企業を相手に脳チップの強盗を計画する。世界を一変させうる可能性を秘めたチップを盗んで大金と交換し、人生をやり直すはずだった。命からがらチップを奪い、人里離れた森の隠れ家へ逃げ込む。だが安全なはずの場所に謎めいた男が現れる。その正体も目的も分からず、不穏な空気が漂う。生死を賭けた予期せぬゲームの始まり。ふたりは森からの脱出を試みるが、方々にワナが仕掛けられており、徐々に追い込まれていく。
1980年代、サッチャー政権下のイギリス。暴力シーンや性描写を売りにした過激な映画<ビデオ・ナスティ>の事前検閲を行うイーニッドは、その容赦ない冷徹な審査ゆえに“リトル・ミス・パーフェクト”と呼ばれていた。イーニッドがいつも通り作品をチェックしていると、とあるホラー映画の出演者が、幼い頃に行方不明になった妹のニーナに似ていることに気付き、次第に虚構と現実の狭間へと引きずり込まれていく――。妹の不可解な失踪と未だ向き合えていないイーニッドは、真相につながるかもしれない不気味なホラー映画と、謎めいた映画監督の背後にある真実を解き明かすことを決意する。その記憶は創られたものなのか…?狂気に苛まれ自制を失うイーニッドに待ち受ける現実とは……。
人里離れた村で暮らす姉のシャロータと妹のタマラは母親の虐待から逃げ出すことを決意したが逃げ込んだ森の中で恐ろしい事故に遭ってしまう。事故から20年、消息を絶っていたシャロータがある出来事をきっかけに村に戻るも受け入れる者はいなかった――。村が夏至祭に近づく中、彼女が過去のトラウマと対峙するほどに人々は疑念を募らせてゆくが……。
ハンナとリブは親友同士。バックパッカーとして訪れたオーストラリアでお金に困り、荒れ果てた田舎にある古いパブ「ロイヤルホテル」に滞在してワーキング・ホリデーをすることになった。単なる接客バイトかと思いきや、彼女たちに待ち受けていた洗礼は、炭鉱で働く荒々しい男たちが店に来て起こすハラスメントや女性差別の連続だった……。楽観的なリブは店に溶け込んでいくが、潔癖なハンナは孤立し精神的に追い込まれ、2人の友情は徐々に崩壊していく。嫌な上司や泥酔する男たちなど身の毛のよだつような悪夢を描くという、女性側の視線に立って作られた新しいタイプのフェミニスト・スリラー。
フロリダ州。母を失い、病気がちな幼い弟の面倒を見ながら父と暮らすカヤは、友人のテッサに突然誘われ、テッサの友人の男性2人、ジュリアンやザンダーと水上バイクに乗って日帰りでバハマに行く。その帰途、ザンダーが操る水上バイクが、海に転落したジュリアンに激突する事故が発生し、しかもジュリアンは行方不明に。サメが泳ぎ回る大海原に放り出されたカヤ、テッサ、そして瀕死状態のザンダーだったが、そこに偶然、漁船が通りかかる。レイという名の漁師に救助された3人だったが、いつしか船内にテッサの姿が見当たらないことに気付いたカヤは、レイに尋ねるが…。
主人公は、4歳の時に誘拐され15年間拷問されていた女である。付き合って日が浅い恋人とキャンプに行くはずが、恋人の弟カップルと合流することになり、その後、一緒に恋人の実家に泊まることに。実家は人里離れた土地にあり、伝統を重んじる両親が狩りをして暮らしている。なぜか弟の恋人と一緒の部屋に泊まることになる主人公。そして、夕食時に出された飲み物で状況が一変する。気がつくと弟の恋人が血を採られている。自分も血を採られそうになるが、何とか切り抜け、弟の恋人とともに逃げ出す。恋人の家族は人間の血を売り、生計を立てていたのだった。そこへ、恋人の姉がやってきて取引相手にサンプルを飲ませ、取引することになる。兄の様子を見に来た弟は気を失っている兄を見つける。そして、逃げた主人公たちを追いかけるが殺されてしまう。再び主人公の女たちは逃げるが、捕まってしまう。血液検査をすると主人公の血はアドレナリン濃度が異常に高い極上の血であることが判明する。そして、恋人の姉は取引相手に「先に殺せばタダで極上の血を渡すが、そうでなければ白紙の小切手をもらう」という取引を持ちかける。そして、極上の血をめぐって命をかけた狩りが始まる。
血に飢えたカルト教団がボウリング場の営業最終日の夜に侵入し、客らを次々と襲い血祭りにあげていく。運悪く居合わせた高校生のケネディとテスは、殺人鬼たちから何とか逃げおおせるが、彼らの魔の手は近づきつつあった。たったひとつの希望は、ボウリング場のスタッフで疎遠となった父ブルースだけ。彼女はボウリング場を知り尽くしたスタッフのブルースと嫌いやながらも手を組んで、テスを救出し脱出を図ろうとするが…。
キャバクラで働いていた琴音(20)は、コロナ禍で店が休業、一緒に住んでいた男に家財を持ち逃げされ、家賃を払えなくなり、行き場を失ってしまう。そんな中、知り合った楓(21)の紹介で出会い系喫茶に出入りするようになり、男性客とパパ活をすることで日々を切り抜ける生活をしている。客に絡まれたりネット上で中傷をされたりしながらも、逞しく生きている琴音は、あることがきっかけで、同じ出会い系喫茶でパパ活をする大学生のさくら(20)と出会う。生まじめで何事も重く受け止めてしまうさくらと琴音は不思議とウマが合い、友情を深めていくのだった。体目当ての矢田(42)、IT企業の社長でパトロンでもある清岡(36)、容姿端麗なダンサーの木村(28)ら軽薄な男たちと、生活のため、ホスト通いのため、学費のため、様々な理由でパパ活をする女性達の対比で物語は進んでいく。
成績が優秀で優等生の高校生ユリ。そして、誰よりもユリを愛する母親ヘヨン。二人は誰が見ても完璧で理想の母娘と周囲では羨ましがられている。しかし、実はユリは母へヨンの度を過ぎた教育と執着に長年悩まされていた。ある模擬試験の当日、学校には登校せず姿を消したユリは、キャンプ場で遺体となって発見される。捜査に乗り出したオ刑事は、自殺の可能性が高いとみていたが、ヘヨンは頑なに認めようとしない。逆に担当教員ギボムが、ユリを呼び出していたことを知ったヘヨンは、その教員を疑い裁判を起こす。事件を探れば探るほど徐々にヘヨンの歪んだ母性愛が浮かび上がり、やがて衝撃の真実があらわになる。
新世紀を迎えたばかりの2001年の台北。恋人のハオと一緒に暮らしているヴィッキーは、仕事もせずに毎夜、酒とゲーム、クラブ通いと荒れた生活を続けるハオにうんざりしていた。仕方なく始めたホステスのバイトで出会ったガオのもとへ逃げこんだヴィッキーだったが、ガオがもめ事に巻き込まれ、日本へ旅立ってしまう…。
高校2年生のそら(辻野かなみ)、菫(杏ジュリア)、苺(坂井仁香)、桃華(小泉遥香)、日向(菅田愛貴)、翠(吉川ひより)。生徒から人気の梨乃先生に集められた初対面の6人は、3年生を送る会(三送会)でダンスパフォーマンスをすることに。そこでみんなには内緒で赤点免除を条件に、苺はチームのリーダーに任命される。バラバラのチームメイトたちをまとめようと奮闘する苺だったが、本番直前、ある事件をきっかけにチームに亀裂が入る。「留年やだぁーーーーー!」と願いを込めると、なんと30分前に巻き戻り、事件が起こる前にタイムリープしていた…!苺は仲間のピンチを救うため、告白を成功させるため!?そして、本番を成功させるため!学校中を駆け回り、全てが上手くいくようにリトライし続けるが…?そして次第に明らかになる6人が集められた本当の理由。果たして、6人は心をひとつに三送会のパフォーマンスを成功させることができるのか!?
古の時代から千葉・船橋の地を守ってきた廣瀬一族。その末裔である兄妹の両親は早くに他界、兄(HAYATE)は妹(小玉百夏)を育て、共に稽古に励んでいた。そんなある日「悪の組織・コロナ」が出現。バイオテロ計画で船橋の平和が脅かされる。廣瀬一族の出番だが、兄は負傷中で任務に向かえず、妹はまだ任務に出た事がない。諦めかけたその時…最愛の妹が立ち上がり、たったひとり「初」任務遂行を誓う!
製薬会社フィンザーでSNSマーケティングを担当するアリスは、不倫相手の同僚との密会後、夫の元へと深夜に家路を急いでいた。道中人里離れたガソリンスタンドに立ち寄ったが店内に従業員の姿はない。仕方なく店を出ようとしたその時、突然どこからか銃弾が飛んできて腕を負傷、スマートフォンも撃ち壊されてしまう。彼女が戻らないのを心配し、店内に入ってきた不倫相手も背後からの狙撃の餌食となり死亡。唯一の外との通信手段となるトランシーバーで、応答した男に助けを求めだが、その男こそが自分の命を弄ぶスナイパーだと分かり、窮地に追い込まれパニックに陥るアリス。なぜ彼女は狙われるのか……?助けを呼ぶ手段もない、逃げ場もない絶体絶命の状況の中、目的の分からない残虐無比なスナイパーとの悪夢のような一夜が幕を開ける…。
亡くなって3年目になる日、ポクチャは天国から3日間の休暇を与えられ、ルール案内を担当する新人ガイドと共に地上に降りてくる。アメリカの名門大学の教授である誇らしい娘に会えることを楽しみにしていたのもつかの間、かつて自分が住んでいた故郷の家に戻り定食屋を営むチンジュの姿を見て戸惑ってしまう。
ビニールハウスに暮らすムンジョンの夢は、少年院にいる息子と再び一緒に暮らすこと。引っ越し資金を稼ぐために盲目の老人テガンと、その妻で重い認知症を患うファオクの訪問介護士として働いている。そんなある日、風呂場で突然暴れ出したファオクが、ムンジョンとの揉み合いの最中に床に後頭部を打ちつけ、そのまま息絶えてしまう。ムンジョンは息子との未来を守るため、認知症の自分の母親を連れて来て、ファオクの身代わりに据える。絶望の中で咄嗟に下したこの決断は、さらなる取り返しのつかない悲劇を招き寄せるのだった――。
腕ききのネオン職人だった夫ビルが亡くなった。古き佳き時代のガラス管のネオンを愛した夫。妻メイヒョンは後悔していた。かつてSARSが香港を襲ったとき、夫にネオンの仕事を廃業させたことを。ある日メイヒョンは、「ビルのネオン工房」と書かれた鍵を見つける。もう10年前に廃業したはずなのに。昔の工房へ行ってみると、そこには見知らぬ青年がいた。名前はレオ、夫の弟子だという。ビルの死を伝え、工房を閉めると告げるメイヒョン。レオは、師匠にはやり残したネオンがある、それを完成させるまでやろうと説得する。メイヒョンは、夫がやり残したネオンを探しだし、完成させることを決意する。ネオン作りの修行を始めるメイヒョン。一方、ひとり娘からは、香港を離れて海外へ移住すると打ち明けられる。はたして夫の最後のネオンの行方は?
大好きだった親友は、“秘密”を残して姿を消した――公募展で大賞に選ばれた「作者・ハウン」という記載だけで応募された絵画。そこに描かれていたのは、高校生のミソだ。ギャラリーの担当者から、ハウンとコンタクトを取りたいと連絡を受けたミソだが、ハウンとは幼い頃に遊んだだけの仲だと語る。ハウンのブログにはミソとの深い関係が綴られているにも関わらず…。ミソとハウンは小学生からの大親友。性格も価値観も育ってきた環境も正反対だが、唯一の共通点は絵を描くのが好きなことだった。ずっと一緒に生きていくと約束する2人だったが、17歳の夏、ハウンに恋人ジヌができたことで少しずつ気持ちがすれ違っていく。そんな中、ミソは済州島を離れてソウルで暮らすことを決意。しかし、ソウルでの暮らしは精神的にも肉体的にも過酷だった。生きていくだけで必死な日々を過ごしていたミソだが、ハウンには絵の勉強をしながら旅をしていると嘘の手紙を送っていた。それから5年が経ち、再会を果たした2人は、釜山旅行に出掛ける。久しぶりに2人で過ごす時間に気持ちが昂るも、価値観の違いによって大喧嘩に。それを機に、疎遠になっていた16年目のある日、ハウンは忽然と姿を消した。2人だけの“秘密”を残して…。
一見普通の女子高生だが、病を患った母との苦しい生活を余儀なくされている果歩。同級生の輝之たちの心配をよそに、やがて果歩は禁断の「JK散歩」の世界に足を踏み入れていってしまう……そんな彼らが暮らす街の空をサーチライトが照らす。それは先行きの見えない世界に生きる若者たちの道筋を示す光なのか、それとも…。
シネは事故で亡くなった夫の故郷で再出発するため、息子とソウルからミリャン(密陽)に引っ越して来る。車が途中で故障し、レッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャンが現れた。彼の好意でシネはピアノ教室を開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子が誘拐され…。
アイススケートの韓国代表選手だったジュヨンは、高校のカーリング部コーチとして働いていた。そんな中、かつての同僚だったユラが自殺したという報せが入る。ジュヨンには、ユラが自ら命を絶った理由がわかっていた。ジュヨンは、選手の時に協会のコーチだったヒョクスに性的暴行を受けていたが、ユラも同じ目に遭っていたのだ。当時ジュヨンはヒョクスを訴えたが、世間から好奇の目で見られることに耐え切れず、自殺未遂を図り、記憶を封じ込めることでなんとか生きながらえた。ユラの死をきっかけにかつての記憶が蘇る中、コーチに復帰したヒョクスは、ジュヨンの教え子のスジを引き抜こうとするが―。
「本当に幸せになっていいのか……」13歳の時に友達の犯行で妹を亡くした新聞記者の月野木薫。結婚式も控え、友人・岡田の子供たちの世話を手伝い、幸せな日々へ期待を抱く一方、亡き妹に対する後ろめたい気持ちが募る。そんなある日、中学校の屋上から女子生徒が転落死する事件が発生。薫が突き止めた加害少女は、岡田の娘・茜だった。そして、転落し亡くなった少女と家族同然の付き合いだった香川晃は、薫の妹を殺害した過去を持つ元加害少年だった。少年期とは逆の立場でその悲しみを知ることになった薫と晃。運命に引き戻された二人は、26年ぶりに再会することに……
富士山が望める小さな街で陸上に青春を捧げている高校3年生の南小春(小栗有以)。スプリンターとして注目されていた彼女は最後の大会で試合中に失格となる。練習に費やしてきた高校生活を振り返り、小春はショックのあまり引きこもってしまう。そんな彼女に追い打ちをかける事件が勃発し、立ち直る事の出来ないまま夏休みに突入。また同じく青春の悩みを抱える同級生の由佳(山内瑞葵)・玲奈(倉野尾成美)・歩美(山﨑空)はそんな小春と「このまま夏休みを過ごしたくない」と意気投合し、東京へ向かうことを決意。4人がそれぞれの目的に向かって一台の車で東京を目指す冒険活劇。
都会で教師をしていたクニちゃんこと小山田久仁子(28)は、まじめに考えすぎてしまう性格からストレスで心身を病み辞職していた。そんなとき、友人であるヤッちゃんの亡き叔父が所有する空き家を管理するため“Iターン”することに。そこでクニちゃんは、お医者さんから言われた「もっと、うまく、ふまじめに生きなさい」という意味深な格言を思い出し、自身のまじめすぎる性格とは真逆の、『ふまじめ通信』という音声番組をなんとなくはじめてみることに・・・そんな番組から流れてくるのは、クニちゃんが出会ったちょっぴりマヌケでもの哀しい『ふまじめ』な人々のエピソード。いつも呑気に見えてる人でも、心の片隅に小さな物語がしまわれている・・・。
チェロ教師の仁美(37)は、たった1人の家族である娘・エリ(17)に頼まれ、コンサートで一緒に二重奏を演奏する。その帰りの車内で、エリは、仁美の音色から子供を産んで後悔しているという念が聞こえてきたと語り始める。隠していた感情を見透かされた仁美は動揺して自動車事故を起こし、仁美は視力を失い、エリは半身不随になってしまう。やがて仁美は、生体実験中のカメラ内蔵コンタクトレンズを装着し、視力を回復させる。一方、病室のベッドから出られないエリは安楽死を望みだす。仁美は、エリにVRゴーグルを装着し、自分の主観映像を転送して生きる喜びを届けようとするが…。
とある街で起きた幼女の失踪事件。あらゆる手を尽くすも、見つからないまま3ヶ月が過ぎていた。娘・美羽の帰りを待ち続けるも少しずつ世間の関心が薄れていくことに焦る母・沙織里は、夫・豊との温度差から、夫婦喧嘩が絶えない。唯一取材を続けてくれる地元テレビ局の記者・砂田を頼る日々だった。そんな中、娘の失踪時に沙織里が推しのアイドルのライブに足を運んでいたことが知られると、ネット上で“育児放棄の母”と誹謗中傷の標的となってしまう。世の中に溢れる欺瞞や好奇の目に晒され続けたことで沙織里の言動は次第に過剰になり、いつしかメディアが求める“悲劇の母”を演じてしまうほど、心を失くしていく。一方、砂田には局上層部の意向で視聴率獲得の為に、沙織里や、沙織里の弟・圭吾に対する世間の関心を煽るような取材の指示が下ってしまう。それでも沙織里は「ただただ、娘に会いたい」という一心で、世の中にすがり続ける。その先にある、光に―
2017年、アメリカ。リアリティ・ウィナーが買い物から帰宅すると、見知らぬ2人の男性に声をかけられる。笑顔を向け自らFBI捜査官だと名乗る彼らは、ある事件に関する捜査を行っていると告げる。「引っ越してどのくらい?」「ペットはいる?」…。気さくで穏やかな口調のまま何気ない質問を繰り返す彼らだったが、会話は徐々にある衝撃の真相へと切り込んでいく…。