王と瓜二つだったために、毒殺の危機に怯える王・光海(クァンヘ)の影武者をつとめることになった道化のハソン。大臣たちの陰謀の気配が渦巻く宮中での不安から、暴君と化していた光海。ある日、病床についたことをきっかけに、妓生宿で腐敗した権力の風刺をしていたハソンが極秘の代役として王にすり替わる計画が実行される。偽物の王が、本物の王に成り済まして政治の矢面に立つ15日間。その中でハソンは、最初は戸惑いながらも、次第に操り人形ではない民のことを考える真の王として周りを魅力していくのだが・・・。
1627年、フランス。故郷ガスコーニュからパリへとやって来た青年ダルタニアンは、王の親衛隊「三銃士」への入隊を志すが、ささいな誤解からアトス、ポルトス、アラミスという3人の剣士たちと決闘寸前の騒動に。やがて彼らは、王政を揺るがす陰謀と宗教戦争の渦中に巻き込まれていく。
1980年5月17日。チョルスの祖父は念願だった中国料理の店をオープンさせる。父親はどういうわけか家にいないけれど、チョルスの大好きな幼馴染のヨンヒや優しい町の人たちに祝福されて、チョルスと家族は幸せに包まれていた。しかし輝かしい未来だけを夢見る彼らを、後に「光州事件」と呼ばれる歴史的悲劇が待ち受けていた。
舞台は気高き北の大地・北海道、時代は、激動の明治末期―。日露戦争においてもっとも過酷な戦場となった二〇三高地をはじめ、その鬼神のごとき戦いぶりに「不死身の杉元」と異名を付けられた元軍人・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は全員で一つの暗号になるという。そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシ?パは、行動を共にすることに。同じく金塊を狙うのは、大日本帝国陸軍「第七師団」の鶴見篤四郎中尉。日露戦争で命を懸けて戦いながらも報われなかった師団員のため、北海道征服を目論んでおり、金塊をその軍資金代わりに必要としていた。そして、もう一人、戊辰戦争で戦死したとされていた新撰組の「鬼の副長」こと土方歳三が脱獄囚の中におり、かつての盟友・永倉新八と合流し、自らの野望実現のため、金塊を追い求めていた。杉元&アシㇼパVS.第七師団VS.土方歳三。気高き北の大地を舞台に、三つ巴の埋蔵金争奪!サバイバル・バトルが今、始まる―――!!
18世紀デンマーク。貧窮にあえぐ退役軍人ルドヴィ・ケーレン大尉は、貴族の称号をかけて荒野の開拓に名乗りをあげる。それを知った有力者フレデリック・デ・シンケルは自らの権力が揺らぐことを恐れ、あらゆる手段でケーレンを追い払おうとする。ケーレンは自然の脅威とデ・シンケルの非道な仕打ちに抗いながら、デ・シンケルのもとから逃げ出した使用人の女性アン・バーバラや、家族に見捨てられた少女アンマイ・ムスと出会い、家族のように心を通わせていく。
1600年代のイタリア。“カラヴァッジョ”の名で知られるミケランジェロ・メリージは優れた芸術家である一方で反逆児と見なされていた。売春婦や泥棒、浮浪者を神聖な絵画のモデルとして扱っていることから、ローマ教皇はバチカンの秘密諜報員に調査を依頼する。
映画が誕生した1895年。当時5歳だったアンリ・フォルタンは、父が無実の罪を着せられ獄中で無念の死を遂げ、その後を追って母も自殺しためノルマンディーの漁村で居酒屋を営む夫婦に育てられ、過酷な少年時代を過ごした。やがて、ボクシングのチャンピオンとなったフォルタンは1931年に引退し、運送業を始めた。第二次世界大戦がはじまり、フォルタンはユダヤ人の弁護士ジマンとその家族の引っ越しを請け負う。だが、密告によって一家はスイスへの逃亡を余儀なくされ、フォルタンはそれも請け負った。フォルタンは一家の娘サロメを修道院の寄宿学校に預け、夫婦を国境近くまで運んだものの、夫婦を待っていたのはなナチスの卑劣な罠だった。フォルタンもナチスに協力する警察に逮捕されるがその後脱獄し、強盗団に参加、さらに終戦間近にはレジスタンスに加わった。ついに終戦を迎え、運命の糸で結ばれた様々な人々の人生が再び動きだそうとしていた…。
失われた時代をまっすぐ見つめる 最も勇敢な女性の物語1953年、自由を口にするものは政治犯としてすぐに捕まる時代。政治的弾圧が続く中、罪を課せられた者は思想改造および教育・更生のため緑島に収監されていた。連行された者たちは、名前ではなく番号に置き換えられ、囚人として「新生訓導処」に監禁、重労働を課せられる日々を余儀なくされた。純粋な心を持つ、絵を描くことが好きな高校生・余杏惠(ユー・シンホェイ)。ひとりの子どもが生まれて間もなく投獄された正義感の強い、看護師・嚴水霞(イェン・シュェイシア)。妹を拷問から守るため自首して囚人となった陳萍(チェン・ピン)。次々と迫る不条理に対しても思考は止めず台湾語、北京語、日本語などあらゆる言語を駆使しながら一日一日を生き延びようと過ごす人々。時の為政者は何をしてきたのか。考えることは罪なのか。これまで閉ざされていた歴史に、また一つ光が射す。
赤い旅団のメンバーであるアドリアーナ・ファランダ(ダニエーラ・マッラ)は、プロレタリア革命は成功すると強く信じ、愛する娘と離れ、運動に身を投じている。1977年に起きた大学の経済学部長襲撃事件にも実行犯として関与し、誘拐前のモーロを尾行するなど積極的に活動するも、モーロ誘拐の肝となる活動には参加させてもらえないことに不安も覚えていた。一方で赤い旅団は、誘拐に成功したことで入団を希望する人間が増え、活動は順調にいっているかのように見えた。しかし、メンバー間で、モーロの処遇をどうするかで意見が激しく紛糾していき、アドリアーナも追い込まれていく。モーロ誘拐の事件現場に急行した、妻エレオノーラ・モーロ(マルゲリータ・ブイ)を待っていたのは、銃弾が多数撃ち込まれた、見るも無残な夫の車と、血を流して倒れている護衛の姿、そしておびただしい数のマスコミだった。家を訪れる議員たちは、彼女にもっともらしく慰めの言葉を掛けていき、形ばかりの抱擁を求めてくる。子供たちと共に家に籠り続けていたある日、モーロからの手紙が届く。しかし、ザッカニーニをはじめ、政府は赤い旅団との交渉に応じず、エレオノーラは憤慨する。4月30日、赤い旅団から電話がかかり、すぐさま大統領に連絡をとるが、またも真剣に取り合ってもらえず、失望し涙するエレオノーラ。そして、あるシスターからモーロを見たという証言を聞き、藁にも縋る思いで現場に向かうのだが…。5月8日、目隠しをされた神父が、赤い旅団のアジトとなっている暗いビルの中へと入っていく。さらに隠し部屋に入っていくと、そこにはアルド・モーロの姿があった。約55日ぶりに赤い旅団以外の人間と会ったモーロは、「ここで初めて人の顔を見ます」と神父に語りかけ、強く手を握り、告解を始めるのだった。そして翌5月9日、モーロは目隠しをされ車のトランクに乗せられる。コッシーガのもとには、カエターニ通りで不審な車両が発見された、と緊急無線が入る。
1978年、イタリア。戦後長らく政権を握っているキリスト教民主党の党首アルド・モーロ(ファブリツィオ・ジフーニ)は、共産党との連立政権を実現させるべく奔走していた。これは冷戦下で西側と共産主義が手を取ることを意味していたために、国内外問わず、激しい反発を受ける。無論、党内のモーロと対立する右派系の派閥からの批判も非常に強く、モーロと旧知の仲であるバチカンの教皇パウロ6世(トニ・セルヴィッロ)にも苦言を呈される。それでもモーロは交渉を続け、連立政権の話はまとまった。そんな最中の3月16日、アンドレオッティ内閣(ファブリツィオ・コントリ)の信任投票のため、議事堂に車で向かうモーロは、道中で、極左テロ組織「赤い旅団」に襲撃され、そのまま誘拐されてしまうのだった。モーロ襲撃・誘拐が判明してすぐに、議会では緊急会議が開かれる。指揮を執るのは、内務大臣フランチェスコ・コッシーガ(ファウスト・ルッソ・アレジ)。彼はモーロを父と慕い、モーロ救出に全力を注ぐことを決意、辞表まで準備する。ほどなくして、赤い旅団からモーロの写真とともに犯行声明が届く。すぐさま、ローマに巨大な包囲網が張られ、徹底捜索が敢行。コッシーガの号令と共に、省内に大規模な通話傍受センターが開設され、日夜、イタリア中の通話が監視されることに。しかし大きな手掛かりは掴めず、コッシーガも精神的に参り、疲弊していく。そして誘拐から14日目の3月29日、旅団に囚われているモーロから手紙が届くのだった。それは事実上の裏取引を持ち掛ける内容で……。バチカンの教皇パウロ6世も、モーロ誘拐に衝撃を受け、救出の策を練っていた。信者に向かって、アルド・モーロのために祈ろうと強く呼びかけ、モーロ解放のために身代金として200億リラを用意する。「アルドは大事な友である」と、司祭を通してアンドレオッティ首相に掛け合うが、首相から話を聞いた将軍たちは「血が流れる」と口々に大反対。一方で各党の党首たちは、概ね、賛成を表明。政府内の足並みは揃わず、また肝心の身代金を渡そうとしていた相手が、どうやら詐欺師であることが判明する。パウロ6世のモーロ救出構想は振り出しに戻り、教皇は、赤い旅団のメンバーに直接語りかけることにする。
<第1部>東学を起こしたチェ・ジェウ(崔済愚=スウン)が死刑に処せられ、2代目教主のチェ・シヒョン(崔時亨=ヘウォル)は、朝廷からの逃亡者となる。テグ(大邱)のパク捕校に追われたヘウォルは、チュクビョンに潜伏して組織を再建し始めるが、そこでパク捕校による襲撃にあってまた身を隠す。東学は、丙寅洋擾(江華島事件)によってより一層苛酷な弾圧を受けており、道人(天道教徒)たちは、スウン先生の4周期追慕式で東学をより一層確固たるものとして組織を育てる。ヘウォルは、イ・ピルジェから東学の乱を起こす勧誘を受けるが、これを拒んで教祖の伸寃(恨みをはらすこと)を嘆願するというイ・ピルジェの誓いで道人の通院を許諾する。しかし、イ・ピルジェは、むしろ乱を起こし、東学の根を揺さぶろうという。パク捕校は、密偵として乱に参加するが、官衙の拷問を受けて亡くなり、彼の息子は、ヘウォルの死を誓う。イ・ピルジェの乱で、ヘウォルの夫人と子供たちは官衙に捕まり、拷問を受けてばらばらに散在するようになる。大院君は、辛未洋擾で鎖国政策を繰広げ、イ・ピルジェは処刑される。ヘウォルは、テベク(太白)山の赤潮岩で隠遁生活をするが見つけられて逃亡し、露宿を求めた家で越冬したり、いろんな地域を巡たりして、東学を伝播し開闢を知らせる。そして、ヘウォルは、道人たちのために2人目の夫人を迎える。<第2部>ヘウォルは、道人たちのおかげで第1夫人に会い、家族の消息を聞く。第2夫人が亡くなり、第1夫人を訪ねたヘウォルは、病気看護をしながら東学を伝播する。そして、62歳の時に3番目の夫人を迎え、第1夫人の病気看護を任せてホナムを訪ねる。東学の組織は、民衆の信頼を得て、より一層大きくなり、東学の指導部は、教祖伸寃を要求して光化門で複合上訴をする。その上疏文は受入れられるが、腐敗した朝廷と蛮夷が闊歩するソウルを正しいと思わない東学の指導部は、3月11日に集会を強行する。ヘウォルと指導部の開闢には、意見の相違が存在するようになり、ヘウォルは、朝廷の官僚と交渉をするが、朝廷の腐敗と逼迫した生活で不満が溜まった民衆は、乱を起こす。日本軍のソウル進入で始まった日清戦争で朝廷は敗れ、日本軍と官軍は、東学を弾圧する。これに対し、チョン・ボンジュン将軍は動員令を訴えるが、ヘウォルは、東学の本来の意味を抜け出すという理由で蜂起を命じない。しかし、進退両難に陥ったヘウォルは、時代の流れを拒めず、蜂起を命じる。日本軍と大々的に戦った東学軍であったが、新式武器のため完全な敗北を味わい、東学の指導部たちは、逮捕されて処刑される。そして、ヘウォルも東学人の密告により捕まり、絞首刑に処せられる。
自身が率いる部隊を全滅させかけてしまった山姥切国広は、自らの申し出により近侍を辞すことに。主である審神者より新たな近侍へと任命されたへし切長谷部。ただへし切長谷部はそのことに納得できずにいる。審神者より出陣を命じられたへし切長谷部は山姥切国広を部隊に加えてもらうよう懇願し、鶴丸国永、燭台切光忠、同田貫正国、大倶利伽羅らとともに「備中高松城の戦い」へと出陣する。黒田官兵衛を擁する羽柴秀吉らは備中高松城へ水攻めを行おうと堤防を築いている。時同じくして、本能寺では明智軍が信長の首を探している―。廻り逢い、交差する物語の中で、果たして彼らは答えを見つけ出すことができるのか。これは受け継がれ、繰り返される、近侍の物語―。
1979年10月26日、独裁者とも言われた大韓民国大統領が、自らの側近に暗殺された。国中に衝撃が走るとともに、民主化を期待する国民の声は日に日に高まってゆく。しかし、暗殺事件の合同捜査本部長に就任したチョン・ドゥグァン保安司令官(ファン・ジョンミン)は、陸軍内の秘密組織“ハナ会”の将校たちを率い、新たな独裁者として君臨すべく、同年12月12日にクーデターを決行する。一方、高潔な軍人として知られる首都警備司令官イ・テシン(チョン・ウソン)は、部下の中にハナ会のメンバーが潜む圧倒的不利な状況の中、自らの軍人としての信念に基づき“反逆者”チョン・ドゥグァンの暴走を食い止めるべく立ち上がる。
ケレイをハンとして創設されたカザフ汗国で、人々は自由を謳歌し平和に暮らしていた。だが、ケレイとジャニベクは、亡くなったモグーリスタンの統治者エセンブカの葬儀のことで頭を悩ませていたが、二人の息子のカシムとブルンダクに行かせることにした。そして、エセンブカの後を継いでハンとなった息子のドスモハメド(父親を殺した張本人である)の元へ向かうカシムとブルンダクであったが、道中でオイラトのゼングと遭遇。互いに口論に発展し、カシムとゼングが一騎打ちで戦うことになる。
北斎・歌麿・師宣も描いた春画。その名作が、博物館にふさわしくない!?21万人もの来館者が殺到した春画展の内幕を描く、傑作ドキュメンタリー!!日本初の大規模な春画展が、2015年9月、東京の小さな私立博物館「永青文庫」で開幕した。国内外で秘蔵されてきた貴重な春画、約120点を一堂に集めて展示する画期的な試み。3ヶ月の会期中に押し寄せた21万人の来館者のうち、女性が55%、5人に1人が図録を購入するという異例の記録を打ち立て、美術界の話題をさらった。ところが、開催までの道のりは困難を極める。当初は、ロンドンの大英博物館で成功を収めた「春画展」の日本巡回展として企画されたが、東京国立博物館をはじめ国内の公私立博物館20館への開催の打診は、全て断られてしまう。海外で美術品として高く評価されている春画の展示が、なぜお膝元の日本ではすんなりと成立せず、小規模な私立博物館での開催となったのか。映画は、展覧会を成功に導いた人々とともに、“春画と日本人”をめぐる謎に迫っていく。そこには、春画の公開を問題視し、世間から隠そうとしてきた日本社会の、摩訶不思議な《忖度》構造が浮かび上がる。男女の交わりや色恋を、鮮やかに、のびやかに表現した春画。葛飾北斎、喜多川歌麿、菱川師宣ら当代きっての浮世絵師のほとんどが絵筆を取り、当時最高水準の“彫り・摺り”の技術で生み出された傑作が多い。しかし、明治時代になると、西洋的近代化を急ぐ政府は、春画を徹底的に弾圧。何万の春画、数千の版木が燃やされ、名品の多くが海外に流出した。今では無修正の春画が出版され、書店で誰もが手に取り、購入することができる。だが、実物を美術館に展示することには、見えない壁が立ちはだかるのだ。この映画は、春画展の関係者たちの知られざる苦労と努力を写し取った、貴重なドキュメンタリーである。
ハン、それはアジア騎馬民族たちを統べる王の称号!ジャニベクとケレイ、カザフスタンを興した二人の偉大なるハンの物語!!チンギス・ハンの末裔でカザフ族の二人のスルタンであるケレイとジャニベクは、主君の命令によりモンゴルのオイラト族と戦っていた。壊滅的な打撃を受けながらも何とか一旦は敵を退けた彼らは、当時の主君であり国を治めるハンであるシャイバンシャーが意図的に援軍を送らなかったことを知り、強い不信感を募らせる。シャイバンシャーは、民からの信頼も厚いケレイやジャニベクの力を恐れ、狩りに乗じて暗殺を画策するも失敗に終わる。オイラトとの間に屈辱的な和平協定が結ばれると、ただ圧政を強いるだけのハンを民は見限り、ケレイとジャニベクの下に結束する。そして、ケレイとジャニベクはシャイバンシャーの下を離れ、遊牧民たちを率いて希望の地を求め民族大移動を始めるのであった。過酷な旅路、敵対勢力との戦い、仲間の死、全ては1つのカザフ国となるために。果たして彼らは真の自由を手に入れることが出来るのか!?
1942年、第二次世界大戦の真っただ中。ドイツ軍のフリッツ伍長と若き兵士たちは、出動命令が下り、ソ連の都市スターリングラードの戦場へと送りこまれる。敵兵に包囲される中、必死に生き残りを図る彼らだったが、寒さと飢えに苦しめられ極限状態に。彼らを待ちうける末路とはー。
ヨーロッパ宮廷一の美貌と謳われたオーストリア皇妃エリザベート。1877年のクリスマス・イヴに40歳の誕生日を迎えた彼女は、コルセットをきつく締め、世間のイメージを維持するために奮闘するも、厳格で形式的な公務にますます窮屈さを覚えていく。人生に対する情熱や知識への渇望、若き日々のような刺激を求めて、イングランドやバイエルンを旅し、かつての恋人や古い友人を訪ねる中、誇張された自身のイメージに反抗し、プライドを取り戻すために思いついたある計画とは――――。
1980年代。インド南東部のランガスタラム村で暮らす青年チッティ・バーブは、ポンプで田畑に水を送り込む灌漑を請負うエンジニア。部分的な難聴があり、トラブルも多かったが、明るく闊達に生きていたチッティは、村の娘ラーマラクシュミを好きになるが、恋愛経験が無く、難聴もあって、なかなか思うように恋は進まない。その村は「プレジデント」と呼ばれる村長にして絶対的権力者ブーパティによって牛耳られ、多くの村人たちが搾取され、貧困に喘いでいた。ドバイからの出稼ぎから帰国したチッティの兄クマールは、村の現状を変えようと村長選挙に立候補し、チッティも協力するが、それまでに立候補して多くの者が命を落としていた…。
映画の主人公は、1936年に亡くなったノーベル賞作家ピランデッロの“遺灰”である。死に際し、「遺灰は故郷シチリアに」と遺言を残すが、時の独裁者ムッソリーニは、作家の遺灰をローマから手放さなかった。戦後、ようやく彼の遺灰が、故郷へ帰還することに。ところが、アメリカ軍の飛行機には搭乗拒否されるわ、はたまた遺灰が入った壺が忽然と消えるわ、次々にトラブルが…。遺灰はシチリアにたどり着けるのだろうかーー?!
西暦995年京都。藤原道長と安倍晴明の密談により、大江山に住まう鬼・酒呑童子の討伐を命じられた源頼光たちは、見たことのない様相の敵に道を阻まれる。その正体は歴史改変を目論む“歴史修正主義者”が放った“時間遡行軍”。この窮地を救ったのが、三日月宗近ら歴史を守るべく戦う“刀剣男士”たちであった。しかし、先に鬼の根城へと踏み込んだ山姥切国広は酒呑童子の最期の呪いを受け、光とともに姿を消してしまう――。西暦2012年東京。下校途中だった琴音の耳に聞き慣れない音が届く。引き寄せられるように向かった先で目にしたのは、禍々しい影と戦う一振りの太刀だった。戸惑う琴音だが、不思議な声に導かれるままその名を口にする。「――三日月宗近」一方、日本各都市では市民が突如意識を失う事件が多発。この不可解な事態を解決すべく、時の政府から遣わされた刀剣男士・山姥切長義が内閣官房国家安全保障局に出現。事態との関与が疑われる山姥切国広の確保を始めとする“特命任務”の開始を告げる。その要請に応じ、各本丸より続々と刀剣男士が集結する。消えた山姥切国広、それを追う三日月宗近の運命は?時間遡行軍の真の目的とは!?
1991年、クリスマス。英国ロイヤルファミリーの人々は、いつものようにエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスに集まったが、例年とは全く違う空気が流れていた。ダイアナ妃とチャールズ皇太子の仲が冷え切り、不倫や離婚の噂が飛び交う中、世界中がプリンセスの動向に注目していたのだ。ダイアナにとって、二人の息子たちと過ごすひと時だけが、本来の自分らしくいられる時間だった。息がつまるような王室のしきたりと、スキャンダルを避けるための厳しい監視体制の中、身も心も追い詰められてゆくダイアナは、幸せな子供時代を過ごした故郷でもあるこの地で、人生を劇的に変える一大決心をする。
1942年1月20日正午、ドイツ・ベルリンのヴァンゼー湖畔にある大邸宅にて、ナチス親衛隊と各事務次官が国家保安部代表のラインハルト・ハイドリヒに招かれ、高官15人と秘書1名による会議が開かれた。議題は「ユダヤ人問題の最終的解決」について。「最終的解決」とはヨーロッパにおける1,100万ものユダヤ人を計画的に駆除する、つまり抹殺することを意味するコード名だった。
銭湯で働く涼子(山下永夏)は、なじみ客の坂本亮太(井上正大)が入浴中に大きな音に驚いて浴室に駆け込んだ!するとそこには土佐弁を話す丁髷の男がいた。その男は、文久2年(1862年)の世界から、150年の時を超えて現代にタイムスリップしてしまった坂本龍馬(井上正大)だった。その入れ替わりで文久2年の世界へタイムスリップした坂本亮太。そして、タイムスリップした場所では、ライバル店の対立と東と西の商店会の対立、外部からのIR統合型リゾートの建設計画など図式は幕末の日本そっくりだった!現代にやって来た龍馬は、この町を一つにまとめ、問題を解決しながら、幕末へ戻る方策を探し出す。一方、亮太もどうにかして現代へ戻る方策を考える。果たして、龍馬は涼子を陰謀団から助けることが出来るのか?龍馬と亮太は、元の世界へ戻れるのか?
15世紀、フランスの王位継承をめぐって、フランスとイギリスが血で血を洗う争いの時代。若きジャンヌ・ダルクは、「フランスを救え」と言う神の声に導かれてフランス王の軍隊を率いていた。神、愛、罪、福音と祈りを説くジャンヌだが、その力に畏怖と疑心を持った味方の軍内部から反発が生じる。やがてジャンヌはイギリス側に捕らえられ、教会によって異端審問にかけられる。抑圧と支配の濃密な論理で迫る「雄弁」な男たちを相手に、反駁の叫びと沈黙で応じるジャンヌ。告発に屈せず、自らの霊性と使命に忠実であり続ける。
ウクライナのドンパス地方での戦争がはじまると、物理学者のミコラは、妊娠中の妻を過激派に殺され、家を焼き払われる。非暴力・平和主義者だったミコラは、怒りにかられ、自らの主義を翻し、ウクライナ軍に入隊する。復讐心を燃やすミコラは過酷な訓練に耐え、みるみるうちにエリート狙撃手となっていく。やがて戦争が激化する中、自分を育ててくれた先輩狙撃手もロシア軍のスナイパーに殺され、一層復讐の誓いを胸に秘めたミコラは、千載一遇のロシア兵狙撃作戦への参加の機会を得る。そしてスナイパー達の息詰まる狙撃合戦へと突入する。
ある日、審神者が突然倒れてしまった。心配する刀剣男士たちをよそに、一向に目を覚ますようすがない審神者。一方、審神者が倒れたことで時空転移装置が動かなくなり、遠征に出ていた三部隊が帰還できなくなってしまった。そのころとある本丸では、審神者が倒れたのはどうやら別の時代に出陣していた部隊が持ち帰った玉鋼がきっかけであることを突き止める。しかしどうすれば審神者が意識を取り戻すのかは不明なまま…。刀剣男士たちが困惑する中、この本丸の始まりの一振である加州清光は、クダギツネのこんのすけに審神者を目覚めさせるには“夢”の世界で審神者の心を解放しなければいけないと聞く。そして加州清光は相棒である大和守安定と二振で、未知の世界へと出陣する。
とある本丸に夏がやってきた。新たな刀剣男士も増え、さらににぎやかな日々を送っていた彼らに、審神者から伝令が言い渡される。それはなんと“3日間の休暇”だった!審神者の粋なはからいに喜ぶ刀剣男士たちは、お返しに休暇を過ごすみんなの姿を集めたアルバムを作ることに。一方、大和守安定は修行で不在の加州清光のためにもアルバムを作ろうと考え、できるだけ多くの仲間たちの姿を写真に収めるため、みんなの休暇を見て回ることにした。花見酒ならぬ樹木見酒を満喫したり、木々を使っていろんなものを創作したりと、山ならではの楽しみを満喫する刀剣男士たち。そんな様子を、写真に収めていた大和守安定は、髭切から一緒に鬼退治をやらないかと誘われる。はじめての夏休み、忘れられない光景が心に刻まれてゆく―
本丸が真っ白な雪で覆われる頃、刀剣男士の大和守安定と加州清光は思い出話をしていた。それは、自身が名刀・山姥切の本歌であるという“山姥切長義”が自分たちの本丸へ配属されてきたときのこと。自身の写しである山姥切国広に対して挑発的な態度を取る山姥切長義と、彼に複雑な思いを抱く山姥切国広。そんな二振の気持ちを汲み取り仲間を支える加州清光に心の強さを見た大和守安定は、彼にある提案をする。一方、本丸に突然入電がくる。告げられた特命は“歴史を改変されたまま、放棄されている世界”を調査しろというもの。刀剣男士たちは、歴史が改変されているという土佐へと向かう。そこには、陸奥守吉行が知る土佐とは全く別の街並みが広がっていた。彼らは先行して調査していた肥前忠広・南海太郎朝尊と合流し、歴史を改変した首謀者を討つため奔走する。
西暦47年のブリタニア。ローマ帝国の支配に屈服する部族が次々と現れる中、その支配に抵抗し、ケルト人部族の団結を目論むイケニ族の王スカボは、娘ブーディカを別部族のアシード王の息子プラスダグスと結婚させようとしていた。しかし、武器をすべて差し出せというローマ帝国からの命令にアシード王が抵抗。結婚を延期して、スカボとアシードたちの部族は闘いに向かうことに。その隙を見計らい、王スカボの妻ルシリアは、ブーディカを連れて逃亡。自らが望まぬ結婚を強いられた思いから、娘の身を案じて逃げたのだった。父と一族を愛するブーディカは母に反発しながらも、険しい山の中をかきわけて傷みかけた母の生家に辿り着くが、そこには傷ついた見知らぬ男がいた。
時は戦国時代。17代伊達政宗は初陣に際し梁川八幡神社に必勝祈願。すると龍が現れ、“冥龍眼”と16個の宝玉を手に入れる。しかし、謎の忍び集団からの奇襲を受ける。絶体絶命と思った瞬間“冥龍眼”の力が解印し、突如謎の男が現れる。その男は“必殺技!ご先祖合体”を繰り出す。“冥龍眼”は伊達家の歴代当主16人を現世に復活させ、彼等と政宗を合体させる事で圧倒的な力を生み出すという神宝であった。眼下の下に“冥龍眼”を仕込み、伊達の未来の為襲い掛かる敵と戦う政宗とご先祖の活躍を描く戦国青春グラフティ!
カンボジア、1975年4月。武装組織クメール・ルージュによるプノンペン制圧のニュースを境に、多くの住民が強制労働のため農村に送られる。一家で農村へ移動する道中、息子ソヴァンと離れ離れになってしまった母親のチョウ。農村での革命組織(オンカー)の監視による苛酷な労働や理不尽な扱いは、彼女と夫クンを、そして共に生活する家族を一人、また一人と追い詰めていく。しかし、チョウは決して諦めない。生き延びて、最愛の息子を取り戻すため―。
南北が分断され約75年。朝鮮半島の近代100年の歴史、そして現在の姿を赤裸々に描くドキュメンタリーが誕生。北朝鮮の現実、分断されたそれぞれの国民の想いなど、秘蔵映像を交えて明かされる知られざる真実とは?金正恩が世襲して情勢が激変した朝鮮半島のリアルな姿を、フランス人監督がストレートな視点で浮き彫りにしていく。
ナチス占領下のノルウェーで、女優として活躍していたソニア・ヴィーゲットは、スウェーデンの諜報部から、スパイとしてナチスに潜入することを要請される。一度は要請を拒否したが、逮捕された父親を解放させるため、ナチスの国家弁務官テアボーフェンに接近して彼の邸宅に潜入することに成功。次第に信頼も得るようになったソニアは、ある日、彼からナチスのスパイとして北欧諸国の情報を収集することを依頼される。
1940年代・京城(日本統治時代の韓国・ソウルの呼称)―盗みなどで生計をたてていたお調子者のパンス(ユ・へジン)は、ある日、息子の授業料を払うためにジョンファン(ユン・ゲサン)のバッグを盗む。ジョンファンは親日派の父親を持つ裕福な家庭の息子でしたが、彼は父に秘密で、失われていく朝鮮語(韓国語)を守るために朝鮮語の辞書を作ろうと各地の方言などあらゆることばを集めていました。日本統治下の朝鮮半島では、自分たちの言語から日本語を話すことへ、名前すらも日本式となっていく時代だったのです。その一方で、パンスはそもそも学校に通ったことがなく、母国語である朝鮮語の読み方や書き方すら知らない。パンスは盗んだバッグをめぐってジョンファンと出会い、そしてジョンファンの辞書作りを通して、自分の話す母国の言葉の大切さを知り・・・・。
石垣島で暮らす玉木玉代おばあは、米寿のお祝いの日を迎えようとしていた。誕生会に集まる予定の親戚はその数、100名超。1930年代、日本統治下の台湾から石垣島へと移り住んだ彼女がこの歳を迎えるまで、第二次世界大戦・台湾解放・沖縄本土復帰と、東アジアは激動の時を歩んできた。台湾人とも日本人とも認められず、国籍をもたない移民として、絶えず不安に晒された彼女だけでなく、台湾移民2世として常にアイデンティティの問題に直面せねばならなかった子供たちの人生――玉代おばあの“最後の里帰り”を通じて、一筋縄ではいかない玉木家の歴史が紐解かれてゆく。
朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代。第4代王・世宗(ハン・ソッキュ)は、奴婢の身分だったチャン・ヨンシル(チェ・ミンシク)の優れた才能を認め、武官に任命する。豊富な科学知識と高い技術を持つヨンシルは「水時計」や「天体観測機器」を次々に発明。それらは庶民の生活に大いに役立てられた。一方で、「明の従属国という立場から脱し、朝鮮の自立を成し遂げたい」という夢をもつ世宗も、朝鮮独自の文字である“ハングル”を創ろうとしていた。天と地ほどの身分の差を超え、特別な絆を結んでいく二人。だが朝鮮の独立を許さない明からの攻撃を恐れた臣下たちは、密かに二人を引き離そうとする。そしてある日、世宗を乗せた輿が大破する大事故が発生。輿の製作責任者であるヨンシルに疑いの目が向けられるが…
鎌倉時代、1200年代前半。貧しい農家に生まれながらも賢く利発な平次郎は、ある日、親鸞聖人と出会い、多くを学び成長していく。やがて京に戻った親鸞聖人を追って故郷を離れた平次郎は、「唯円」という名を授かり、仲間たちとともに親鸞聖人のもとで仏教を学ぶ。そんな中、かつての友人が苦境に立たされていると知った唯円は、なにもできない自分への無力感にとらわれ苦悩する。なぜ、善人よりも悪人が救われるのか?人は、なぜ生きるのか?「すべての人間が悪人であり、救われるために条件はない」という親鸞聖人の言葉の真意が、解き明かされていく――。
イラン・イスラム革命時、ある男の企みによって不当に逮捕された詩人のサヘル。30年後に釈放され、生き別れとなった最愛の妻ミナの行方を捜し始めるが、政府の嘘によって彼はすでに「死んだ」ことにされていた。一方、夫の死を信じ込まされ、悲嘆にくれるミナには、ある男の影がまとわりつく。その人物こそがサヘルを監獄送りにし、ミナとの間を引き裂いた男アクバルだった…。
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりに気づいてしまう。だがすずは、それをそっと胸にしまい込む……。昭和20年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。 そして、昭和20年の夏がやってくる――。
日露戦争の時代1904年、セルゲイ・カレーニンは満州の戦地で、ある大佐に出会う。彼の名は、ヴロンスキー。母アンナを死に追いやった男-。1872年の冬。モスクワ駅で、若きヴロンスキーは、政府高官カレーニンの妻に出会う。彼女はアンナ・カレーニナ。二人は許されない知りつつ、恋におぼれていった。どんな悲劇が待っているかも知らずに・・・。
17世紀からロシア、オーストリア、プロイセンの三国に支配されていたポーランド。1914年、国家独立を目指し、第一次世界大戦中、ロシア革命を機に当時実質的な支配下にあったロシアとの交戦が始まっていた。オーストリアの協力も得ながらロシア軍の進軍を食い止めるが、圧倒的な兵力の差で敗北が目前に迫る中、1916年、ロシアとポーランドの間、“コシチュフヌフカ”でポーランド軍7000人vsロシア軍13000人の戦いが始まろうとしていた。果たしてポーランド軍は勝利を収め、独立国家を手にすることができるのか。運命を懸けた戦いが今始まる!
ジャーンシー王国に嫁ぎ、「ラクシュミー・バーイー」の王妃名で国民に敬愛されていたマニカルニカ。しかし産まれた王子を亡くし、養子を迎えた矢先に夫も病死。この機に乗じて王国を支配したイギリスに対し、1857年に「インド大反乱」が勃発すると、呼応して蜂起した彼女は自ら兵を率いて戦火の最前線に向かう──!
今から約300年前。赤穂藩藩主・浅野内匠頭(阿部サダヲ)は幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかり、明日切腹、藩はお取り潰しに。筆頭家老・大石内蔵助(堤真一)は、嘆く暇もなく、幼馴染の勘定方・矢頭長助(岡村隆史)の力を借り、ひたすら残務整理に励む日々。御家再興の道が閉ざされた彼らに残された希望は、宿敵・吉良邸への討ち入り。ただそこで発覚した大変な事実。なんと討ち入りするにもお金が必要で、使える予算は9500万!生活費や食費に家賃、江戸までの往復旅費、討ち入りするための武具。お金はどんどん出ていくばかり…。節約する人もいれば無駄遣いする人もいて、プロジェクトは超難航!予算が足りずに、やる気満々の浪士たちのリストラも余儀なくされる結末。どうする大石内蔵助!?予算の都合で、チャンスは一回!果たして彼らは【予算内】で、一大プロジェクト【仇討ち】を、無事に【決算】することができるのか!?涙と笑いの予算達成エンタテインメント!
第二次世界大戦後期、ドイツ・ベルギーの国境にあるヒュルトゲンの森。ファルコン、マイケルの2人は他の仲間とともにナチス・ドイツの捕虜として囚われの身となっていた。彼らは強制的に墓穴を掘らされるがナチスの一瞬の隙を見て、反撃に出る。広大な森林に銃声と叫びが響く中、命からがら逃げ出したファルコンとマイケルは負傷した仲間を抱えながら米軍の救護所に身を寄せるが…
第一次世界大戦末期。敵陣にてアメリカ軍部隊を率いるウィリアム・リバーズ大尉は、行方不明となっていた黒人部隊“バッファロー・ソルジャース”の居所を突き止める。仲間である彼らを救い出すためには、人種の壁を越え兵士たちを団結させ、熾烈な塹壕戦を戦い抜かなければならなかった。終戦まであとわずか数時間。果たしてこの激戦を生き延びることが出来るのか!?
長年自分の船を持ちたいと思っていたデヴィッドは、妻のサラと2人の娘とのより良い生活を夢見ていた。ある日、オークションで見かけた70年前の船“メアリー号”に魅せられた彼は、これこそが家族の希望だと妻を説得し船を購入する。しかし初めての船出の日、家族に不可解な現象が次々と襲いかかる。写真に映り込む謎の顔、豹変する幼い娘、開かない扉…。沖へ進むにしたがって、一家は次第に恐怖の淵へと追い詰められていく。実はこのメアリー号には悲しい歴史があり、古くから怨念と悪霊が住み着く“死霊船”として、乗り込む者を呪い続けていたのだ!見渡す限りの海。逃げ場のない究極の密室で、デヴィッドは愛する家族を救うことができるのか!?
何ひとつ 望み通りにならなくても、希望は生き続ける―――。88歳を迎えてなお、世界の最先端でエネルギッシュに創作活動 に取り組むジャン=リュック・ゴダールが新たに撮り下ろした子どもたちや美しい海辺などの映像に、様々な<絵画>、<映画> 、<文章>、<音楽>を巧みにコラージュし、この世界が向かおうとする未来を指し示す 5 章からなる物語。
清の皇帝・乾隆帝に嫁ぎ、類まれな美貌をもつ皇后ウラナラ。しかし夫からの寵愛を受けられないウラナラは孤独感を募らせていた。そんなとき、彼女の前にフランス人修道士のアティレが現れる。宮廷画家として名を上げていた彼は、ウラナラの肖像画を描くことになる。夫と見つめあうことも叶わなかったウラナラは、毎日美しく着飾ってアティレの前に立ち、見つめられることで美しさを増していく。やがて二人の間に芽生えてはならない感情が生まれる......。
国政は荒れ、民衆が国への不満を募らせていた時代。作家フンブは、高貴な家の出身でありながら、貧しい民のために尽力するヒョクに出会い、その姿に尊敬の念を抱く。だがヒョクの兄で王朝高官のハンニは、権力をふりかざし、敵対勢力をつぶそうと企てる野心家だった。対照的な二人に着想を得たフンブは、悪政の世を風刺する小説「フンブ伝」を書き上げたことにより、国の未来を左右する謀反の渦に巻き込まれていく。
1949年、国民党と共産党の対立が激化すると、内戦状態に陥った中国から脱出しようと、台湾へ向かう大型客船「太平輪」に定員を遥かに超える1,000人もの乗客が殺到。チェン、ザークン、ターチンはそれぞれ違う目的で乗船し、それまで互いを知ることの無かった3組の男女の運命が交差する――
1945年、日中戦争で英雄となった国民党の将校レイ・イーファンは、上海の舞踏会で令嬢ユンフェンと結ばれるが、中国の内戦が勃発し結婚生活に危機が迫る。日本統治下の台湾で医学を学ぶザークンは軍医として召集され、初恋相手の雅子と引き離されてしまう。上海で消息不明の恋人を探していた看護師ユイは、食糧配給を得るため兵士ターチンと夫婦を装う。だが、死と隣り合わせの戦場に向うターチンは彼女を本気で好きになっていく…。
昭和30年代。戦後最大の引揚港でもあった福岡は戦争の傷跡を残したまま、復興を遂げようとしていた。主人公・海野俊之は焼け跡となっていた中洲の一角に小さな食料品店「ふくのや」を立上げ、妻の千代子と営んでいた。博多の祭り<博多祇園山笠>に情熱を燃やし盛り上げてきた「山のぼせ」でもあった。一方で俊之には山笠と並んで熱中しているものがあった。それは「めんたいこ」作り。戦前、日本の統治下でもあった韓国の釜山で生まれ育った俊之は、当時の思い出の味「明卵漬 → ミョンランジョ」をヒントに明太子を作り出し、日々味の改良を重ねていたが、なかなか納得できる味に近づかず苦悩の毎日だった。そんな時、俊之は息子・健一の同級生、英子の存在を知る。両親をなくし、親戚に引き取られていた彼女は遠足に行く為の新しい靴やリュックサックも買えないというのだ… 「映画 めんたいぴりり」では、ドラマと同様に、戦後の混乱期を乗り越え、経済は復興から成長へとシフトしていく「昭和」という時代の光と影を描きます。
1999年、春。旧友たちとのピクニックに場違いな恰好で現れたキム・ヨンホ。そこは、20年前に初恋の人スニムと訪れた場所だった。仕事も家族もすべてを失い、絶望の淵に立たされたヨンホは、線路の上で向かってくる列車に向かって「帰りたい!」と叫ぶ。すると、彼の人生が巻き戻されていく。自ら崩壊させてしまった妻ホンジャとの生活、互いに惹かれ合いながらも結ばれなかったスニムへの愛、兵士として遭遇した「光州事件」…。そして、記憶の旅は人生のもっとも美しく純粋だった20年前にたどり着く…。
明治末期、富山県城端町の貧しい農家の長男に生まれた権次郎は、向学心に溢れ、富山県立農学校(現在の南砺福野高校)を首席で卒業。 「種の起源」(ダーウイン著)と出会う。農家を救うためには、美味しくて収量の多い米を作ることが必要と考え、東京帝国大学農学実科に進学。大正7年農商務省に入り、秋田県大曲にある陸羽支場で、「陸羽132号」そして「水稲農林1号」の育種に取り組む。 権次郎は生真面目な性格で、周囲に溶け込めなかった。上司の永井の勧めで「謡」を習い、生涯の伴侶となる佐藤イトと出会う。 一目ぼれした権次郎は、ふるさと西明で祝言をあげた。大正15年、突然岩手への転勤を命じられる。 岩手は小麦の育種が主流、稲の研究成果は、新潟農事試験場の並川に受け継がれ、「水稲農林1号」は「コシヒカリ」となる。 稲の育種の機会を奪われた権次郎だが、小麦増産が国家的プロジェクトと知り、岩手県農事試験場に移り次々と小麦の新種を開発。 昭和10年秋、小麦農林10号=NORINTENが完成した。特色は半矮性、従来の小麦に比べ、背の低い品種で穂が倒れにくく、栄養が行きわたりやすかった。昭和13年、権次郎は華北産業科学研究所(北京)に異動。イトも同行した。昭和20年、敗戦、中国側の意向により、2年間留め置かれた。 戦争末期の混乱から、イトが精神的に錯乱を起こした。昭和22年秋帰国。権次郎はイトとの穏やかな生活を選び、金沢に赴任した。 定年後は地元の農家のために、圃場整備に力を注いだ。昭和50年頃、思いがけない知らせが届く。 「小麦農林10号」の種が戦後米国に送られ、世界の食糧危機を救う基になったのだ。 昭和48年最愛の妻イトが亡くなると、野焼きで見送った。「妻イトには中国で大変な労苦を掛けてしまった」と悔やんだ。昭和56年、ノーマン・ボーローグ博士と対面。 世界の小麦を変えた二人が手を握り合った。昭和63年12月7日、稲塚権次郎死去。享年91
西暦二二〇五年、歴史の改変を目論む歴史修正主義者によって、過去への攻撃が始まった。時の政府により歴史の守護役を命じられた審神者(さにわ)は、かつての刀剣を目覚めさせた。歴史修正主義者が送り込む、時間遡行軍と戦うために。人の形をとったそれらを、“刀剣男士”という。天正十年六月二日京・本能寺。明智光秀が織田信長を襲撃した“本能寺の変”に、歴史改変の魔の手が迫っていたー。
20世紀で最も偉大なパフォーマーとして知られるフレディー・マーキュリーはアートと音楽の垣根を超え、自身のバンドクイーンを国際的なスターダムへと導いた。彼の無限のボーカルパワーとパフォーマンスは、世界中の観客たちに衝撃を与え、驚かせたが、スポットライトの外では、彼は信じられないほどにプライベートな存在だった。本作では、ここでしか見られないインタビューやフッテージを通じて、フレディ・マーキュリーのストーリーと、ザンジバル島からきたシャイな少年がいかにして現代で最も伝説的な存在になったのかを明らかにする。映画のタイトルにもなった名曲「ボヘミアン・ラプソディ」をはじめとする圧巻のライブパフォーマンス。クイーン全盛期のメンバーの証言に加え、友人や元パブリシスト、ジャケットアルバムを撮影したカメラマンなど、彼らをよく知る周辺人物が語る貴重な逸話の数々。クイーンとフレディを知るために欠かせない、珠玉のライブ&ドキュンメンタリーだ。
1592年に壬辰倭乱が勃発し、王である宣祖は若き後継者 光海にその責務を押し付け明へと避難する。残された光海は義兵を集めて戦うため遠方の江界へ向かうことに。彼の護衛をすることになったのは、生活のために他人の軍役を代わりに担う「代立軍」と呼ばれる農民たち。敵からの攻撃は激烈を極め、命の危険を感じた仲間たちからの反対の声が高まるなか、代立軍のリーダーであるトウは最後まで光海を守り抜くことを決断する。
1960年の大統領予備選挙に名乗りを上げたリンドン・B・ジョンソンだったが、若きライバルのジョン・F・ケネディに敗北。ケネディの申し出により副大統領候補に就任するも、国政の蚊帳の外に置かれてしまう。だが、1963年11月22日、ケネディが暗殺され、わずか98分でジョンソンは第36代アメリカ大統領に就任する。国民がケネディの死を嘆くなか、ジョンソンはケネディの意志を尊重して公民権法を支持。すると司法長官のロバート・F・ケネディや、師弟関係にある上院議員リチャード・ラッセルと激しく対立することになる。それは、想像を超えた闘いの日々の始まりだった―!