時は平安。若い武士・金沢武弘と美しい妻・真砂は旅の途中、薮の中で多襄丸という盗賊に襲われる。武弘は妻を手込めにされたうえ、彼女の申し出により殺害されてしまう。その間に真砂は逃げ、多襄丸は検非違使につかまり打ち首に。だが、この事件に疑問を抱いた検非違使の森川中正は、事件のあった薮の中へと入っていく。彼はそこで美しい巫女と出会い、幻想と怪異な世界へと引きずり込まれていく。
人畜無害・温厚な鶴丸杉夫は、冷酷非道・極道を絵にかいたようなもう1人の自分、松夫に引きづられて、暴力団事務所に出入りすることに。しかしそれぞれの人格が現れている時の記憶は共有することが出来ない。気の弱い杉夫は、ニ重人格という病気を知りながらも組においてくれる渡会のために、シノギをこなしていこうと努力する。ある日、杉夫の所属する丹義会が美人演歌歌手・高いずみのショーを仕切ることになった。敵対する岩動組が妨害を仕掛けてくる中、いずみの身辺警護にあたった杉夫は、やがていずみと恋に落ちる。だが、いづみを抱くのはいつも松夫――。果たして、いづみは杉夫と松夫、どちらの自分を愛してくれているのだろうか……。
恐怖政治の嵐が吹き荒れる1794年のフランス。スキャンダラスな文学や言動で拘留されていたサド侯爵は、パリの刑務所から郊外の館に移される。この館の隣人となった無垢な16歳の伯爵令嬢のエミリーと出会う。貴族の娘であるエミリーはサド侯爵と口を利くことも禁じられていたにもかかわらず、サドの発禁本を読み、性の悦びを知りたいと切望する。サド侯爵は自分の思うままにこの少女を調教するが、侯爵がエミリーの処女喪失の相手に選んだのは庭師の青年だった……。
映画監督の柾木は親の遺産を食い潰し引きこもり続けていた。友人・池内の誘いで出かけた舞台で女優・芙蓉と出会い、創作意欲を取り戻すが、その想いは次第に狂気へと変わり歪んだ愛の物語を紡ぎ始める。
1979年10月26日、大韓民国大統領直属の諜報機関である中央情報部(通称:KCIA)部長キム・ギュピョンが大統領を射殺した。大統領に次ぐ強大な権力と情報を握っていたとも言われるKCIAのトップがなぜ?さかのぼること40日前、KCIA元部長パク・ヨンガクが亡命先であるアメリカの下院議会聴聞会で韓国大統領の腐敗を告発する証言を行った。激怒した大統領に事態の収拾を命じられたキム部長は…。
事業に失敗し妻にも捨てられ、死に場所を求めて迷い込んだ場末の町。矢代光敏は、そこで出会ったソープ嬢のヒナに拾われる。危ういほどに純真で無防備なヒナの明るさと、その肉体に溺れるうち、矢代はいつしか生きる希望を見出してゆく。事業を再開し、なんとか今の生活から抜け出そうと決意する矢代だったが、その先には思いもよらない落とし穴が待ち受けていた…どうしようもない男と女が七転八倒の末にたどり着く愛の結末とは。
13歳の少年・江美留(えみる)と友人たちは、自分たちの将来を夢みていた。ある少年は科学者を夢みて、またある少年は詩人を夢み、そして哲学者を夢みる少年たちのなかで、江美留だけは自分の将来がはっきりと分からなかった。ある日、少年たちの一人が突然自殺してしまう。その死を悼んだ少年たちは、丘の上にある天文台へと出かけていく。そして大きな望遠鏡を覗く天文学士に「そこから何が見えるのですか?」と尋ねてみる。天文学士のおじいさんは、少年たちにこう尋ね返す。「教えてくれないか、僕たちは何処からきて、何処にいくのかを?」と。その答えを探そうとする少年たちの心は、いつしか宇宙をみている。そんななか、江美留は一冊の本のなかに、彌勒(みろく)の写真をみつける。そこには「五十六億七千万年後に、人類全てを救済するもの」と書かれていた。 江美留は、その閃きとともに、小説家になることを夢み、そして決断する…。
宋の時代。蒙古で育った郭靖は、中原で黄蓉(こう・よう)に出会い命を救われる。意気投合し、頻発している幼子の失踪について調べるために白駝山荘主催の宴へ向かった2人が偶然鉢合わせしたのは、郭靖の師匠・江南七怪(こうなんしちかい)だった。彼らは黄蓉が黄薬師(こう・やくし)の娘だと知って逆上する。憎き仇の娘を庇ったことで師匠に見放され落ち込む郭靖と黄蓉の前に洪七公(こう・しちこう)が現れ…。
「片腕を一晩、お貸ししても良いわ――」と娘は言った。その日の朝、花屋で買った泰山木の大きな蕾を美しいと思った事を知ってか知らずか、女が自身の身体から、その蕾のような丸みを帯びた白い肩の処から外してくれた。その娘の右腕を男は受け取る。――この腕はモノを言うだろうか? 話をしてくれるだろうか?男の密かな愉しみに、腕は腕の出来る事しか出来ないと言いながらも、女は「お試しになって」と男を送り出した。男は外套の内に右腕を抱いて自宅へ戻る。すると、右腕は男の部屋に泰山木の匂いがすると話し出すのだった。これまでの孤独が染みついた部屋で、男は純潔を保った娘のように儚くも冷ややかな体温を持った娘の右腕を愛で始めるのだが――
宮田陽彩(みやた・ひいろ)(19)は、“クソ”のような大学生活を送っていた。大学に通い、それ以外の時間のほとんどを浪費家の母に代わっての家事とコンビニでのアルバイトに費やし、その中から学費と母と2人暮らしの家計8万を収める日々。遊ぶ時間も、金もない。何かに期待して生きてきたことがない。親にも、友人にも・・・。いつものように早朝にバイトを終えた宮田は、母のために朝ご飯を作り、家事をした後に大学に登校していた。そこで大学の同級生であり、バイト先の同僚でもある 江永雅(えなが・みやび)(24)のひょんな噂を耳にする。威圧的な金髪、メイク、ピアス──バイト先ではイヤホンをつけながら接客する、地味な宮田とは正反対の彼女の噂。「江永さんのお父さんって殺人犯なんだって」他の誰かと普通の関係を築けないと思っていたふたり。ふたりの出会いが人生を変えていく―。
突然、妻に先立たれたコミック・アーティストの父。幼い二人の息子を抱え、慣れない家事にも手をそめ、手探りで新たな生活を始めようとしていたある日、1本の謎の電話がかかってくる。「彼女は逝ったが、私はいる」――その正体不明の男は、その日から父につきまとい、遂には “カラス(クロウ)”となって姿を現わす。彼がコミックとして描く生き物に似た“クロウ”。それは現実なのか、幻なのか?最後に父が遭遇する衝撃の真実とは……?
1960年代、神戸で生まれたベルギー人の小さな女の子アメリ。彼女の成長を描く物語。外交官の家庭に生まれ、2歳半までは無反応状態だったアメリ。その後、子ども時代に突入した彼女は自らを「神」だと信じ、魔法のような世界を生きている。家政婦のニシオさんや家族との日々の生活は、彼女にとって冒険であり、新たな発見の連続。少しずつ変化していく。しかし、3歳の誕生日に人生を変える出来事が起こり、彼女の世界は大きく変わっていく…。誰もが子供時代に夢見た世界を描く感動のアニメーション作品。
【《沖縄ことば対応字幕付き》版:うちなーぐち(沖縄の方言)などの一部のセリフに字幕対応しています】 1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。 やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。 消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
1952年、沖縄がアメリカだった時代。米軍基地から奪った物資を住民らに分け与える“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちがいた。いつか「でっかい戦果」を上げることを夢見る幼馴染のグスク(妻夫木聡)、ヤマコ(広瀬すず)、レイ(窪田正孝)の3人。そして、彼らの英雄的存在であり、リーダーとしてみんなを引っ張っていたのが、一番年上のオン(永山瑛太)だった。全てを懸けて臨んだある襲撃の夜、オンは“予定外の戦果”を手に入れ、突然消息を絶つ…。残された3人は、「オンが目指した本物の英雄」を心に秘め、やがてグスクは刑事に、ヤマコは教師に、そしてレイはヤクザになり、オンの影を追いながらそれぞれの道を歩み始める。しかし、アメリカに支配され、本土からも見捨てられた環境では何も思い通りにならない現実に、やり場のない怒りを募らせ、ある事件をきっかけに抑えていた感情が爆発する。 やがて、オンが基地から持ち出した“何か”を追い、米軍も動き出す――。 消えた英雄が手にした“予定外の戦果”とは何だったのか?そして、20年の歳月を経て明かされる衝撃の真実とは――。
<死の天使>と呼ばれたナチス医師ヨーゼフ・メンゲレは終戦後、南米で潜伏生活を送る。ナチス時代の仲間たちが次々と逮捕される中、彼は戦犯を追及するモサドの網を狡猾にくぐり抜け、ゆがんだ思想を抱えたまま、日常の世界に溶け込んでいく…。
ラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせず鬱屈とした日々を送る朴秀美(南沙良)。陸上部のエースで社交的、かつスクールカースト上位に属しながらも、家庭では問題を抱えている映画好きの矢口美流紅(出口夏希)。未来が見えない町で暮らすどん詰まりの日々の中、朴秀美が地元のラッパー佐藤(金子大地)の家で〇〇〇〇を手に入れる。その出来事をきっかけに、同級生で漫画に詳しい毒舌キャラ岩隈真子(吉田美月喜)、岩隈の後輩で漫画オタクの藤木漢(羽村仁成)らを仲間に引き入れ、同好会「オール・グリーンズ」を結成、〇〇〇〇の栽培に乗り出す。人生を諦めるのはまだ早い!自分たちの夢をかなえるために、この町を出ていくには、一攫千金を狙うしかない!そして、学校の屋上で、禁断の課外活動がはじまる――
舞台は1985年、アイルランドの小さな町。炭鉱商人として生計を立て、家族と慎ましく暮らすビル・ファーロング(キリアン・マーフィー)は、クリスマスが近づくある日、石炭を届けに訪れた地元の修道院で、目を背けたくなる現実を目撃する。そこに身を置く少女から「ここから出してほしい」と懇願され、若い女性たちが行き場もなく苦しんでいる現実と向き合うことに。見て見ぬふりをすることが賢明だと理解しながらも、良心の呵責に悩むビル。そんな彼が、ついに下す決断とは――。
本作は売れないピン芸人・佐藤賢治(原嘉孝)は、怪獣ネタで舞台に立ちながらも鳴かず飛ばず。彼女いない歴=年齢で、妄想の世界にだけ居場所を見つけていた。嫌な相手を怪獣に見立て、自分をヒーローとして戦わせることで心を保ってきたのだ。そんな彼の前に現れたのが、市川理沙(沢口愛華)。佐藤を「面白い」と言ってくれる彼女との時間は、初めての恋のときめきに満ちていた。しかし、不器用な賢治は想いを伝えられないまま、市川から距離を置かれてしまう。やがて明かされる市川の秘密――。すれ違い、傷つき、それでも誰かを想うことをやめられない。そんな賢治が最後にたどり着く初恋の結末とは?
精神的外傷を負った陳教授が突如失踪。シャーリー楊は胡八一と王胖子と共に、雲南奥地へ教授の行方を追う。旅の途中、一行は人喰い魚や呪術、巨大蜘蛛など“虫”にまつわる怪異に次々と遭遇。さらに盗墓団との対決を経て、ついに伝説の「献王墓」へ――。そこには、想像を超える危機と、隠された真実が待っていた。
中蒙国境に下放された胡八一は、家に残された風水秘術書を読み耽る。やがて軍に入り、チベットで雪崩に遭うも秘術で生還。復員後、旧友・王凱旋と新疆の考古遠征隊に参加し、伝説の精絶古城を目指す。砂漠の奥地に眠る“鬼洞”には、数々の罠と謎が仕掛けられ、迷宮を操る何者かの存在も――。信念と欲望、科学と信仰が交錯する中、彼らは埋もれた真実に迫っていく。
17歳のファティマ(ナディア・メリティ)は、アルジェリア系フランス人で、愛情あふれる家族の末っ子。 イスラム教徒であり、彼女との結婚を望む同じイスラム教徒の青年と幼い頃から婚約している。 しかし優秀な学生である彼女は、自宅のある郊外を離れてパリの哲学部に進学。外の世界を発見し、初めての人々と出会い、内なる疑問を抱いていく…。
胡八一、王胖子、Shirley楊は渡米を控え、旧友・燕子の結婚式に出席するため東北の村へ戻る。だが、再会の喜びも束の間、村では怪異と死の連鎖が始まっていた。三人は伝説の盗墓師「摸金校尉」として、五つの獄を越え、六つの道を突破して真相を追うことに。襲いかかる呪い、封じられた秘密、そして黒幕の正体とは?過去と向き合い、村人を救うため、命を懸けた最期の冒険が始まる――。
ヨークシャーの荒れ地に佇む屋敷“嵐が丘”の主人アーンショーが、ひとりの孤児を連れ帰る。少年はヒースクリフと名づけられ、アーンショーの娘キャサリンと一心同体のような強い絆で結ばれるが、キャサリンは裕福な家の息子エドガーと結婚してしまう。出奔したヒースクリフは数年後に大金持ちになって舞い戻り、再びキャサリンの前に現れるが……。
大学進学と同時に友達と二人暮らしを始めた早乙女カナコ。入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことに。就職活動を終え、念願の大手出版社に就職が決まる。長津田とも4年の付き合いになるが、このところ口げんかが絶えない。長津田は、口ばかりで脚本を最後まで書かず、卒業もする気はなさそう。サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなとき、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。編集者になる夢を追うカナコは、長津田の生き方とだんだんとすれ違っていく。大学入学から10年―それぞれが抱える葛藤、迷い、そして二人の恋の行方は―
1815年、マルセイユの若き航海士エドモン・ダンテスが、いわれなき罪を着せられ、最愛の女性メルセデスとの結婚式のさなかに逮捕される。終身刑を宣告され、孤島の刑務所に送り込まれたダンテスは、はてしない過酷な牢獄生活によって心身共に衰弱し、生きる気力さえ失っていく。しかし隣の独房に囚われた司祭の導きによって希望を取り戻したダンテスは、奇跡的な脱獄に成功し、莫大な財宝を手に入れる。やがてイタリアの大富豪“モンテ・クリスト伯”を名乗って、パリに現れたダンテスはたちまち社交界の花形となり、緻密にして壮大な計画を実行していく。それは20年前にダンテスの人生のすべてを奪った3人の仇敵への復讐の罠だった……。
呪いを受けた胡八一(フー・バーイー)たちは、解毒の鍵「雮塵珠」を求めて伝説の墓「献王升仙陵」へ。古代の罠、幻の金色の童子、爆発する虫、巨大サンショウウオなど、次々と立ちはだかる危機。探索中に毒霧が暴走し、罪なき人々が犠牲に。心に傷を負ったまま、胡八一と王凱旋は東南アジアで流浪生活を送るが、王凱旋が誘拐される。胡八一と雪莉楊(シャーリー・ヤン)は仲間を救うため、再び死地へ向かう決意を固める。
胡八一(フー・バーイー)、雪莉楊(シャーリー・ヤン)、王胖子(ワンパンズ)の三人は、林教授の依頼で文物保護隊に参加。任務中、雪莉楊の父の手がかりを偶然発見し、それがロプノール古城に通じると判明する。彼女の心の傷を癒すため、胡八一は共に謎を追う決意を固める。一行は禁断の地・ロプノールへ向かい、砂嵐や罠、未知の存在といった数々の危険に直面。やがて古城に辿り着くが、そこには想像を超えたさらなる秘密と恐怖が待ち受けていた――。
旅の僧侶・小次郎法師は、全国行脚の途中で、現在の神奈川県の秋谷という集落の屋敷に、魔物が住んでいるという噂を聞きつけて、興味本位で立ち寄ることにした。茶屋の姥に話を聞くと、どうやら訳ありの若者が、その魔物の家に住み着いて日々やせ細っているという。懇願された小次郎法師は、一度は願いを引き受け、若者の助けになろうと屋敷へと向かうのだが、辿り着く前から、目に見えぬ怪しい蜘蛛の糸に絡め取られつつあった。
1968年の夏の夜。プラハのパブでコンスタンツァは特異な彫刻が施されたバイオリンを持つ不思議な男に出会う。彼は彼女のためにと「逆奏のカノン」を奏でた。偶然ではない。その音楽と彼のバイオリンには、彼女にまつわる物語があったのだ。それは時代を遡ること半世紀…ボヘミア地方のバイオリンと音楽を愛する純朴な青年イェノと、美しいユダヤ人女性ピアニスト、ソフィーの悲恋の物語。そして、第二次世界大戦と25年後の「プラハの春」を跨ぐ、デイヴィッドとの友情の物語である。音楽と愛は、時代を超える最も強く堅い絆なのだ。そしてイェノの隠された出自と家族の因縁がもたらす数奇な運命。ナチスドイツによって居場所を奪われていくユダヤ民族の行く末は…イタリア映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネの奏でる旋律が美しく激しく心を揺さぶる。
まだあどけなさが残るメアリーは、不安を抱えたまま全寮制の寄宿学校にやってくる。ルームメイトは、親友同士で、不良っぽい魅力のポーリーと美人で聞き分けのよいトーリー。二人とすぐに打ちとけ、寮生活にも馴れたメアリーは今まで味わったことのない楽しさを感じ、母を失った悲しみから解放されようとしていた。そんなある日メアリーは、ポーリーとトーリーがベッドで愛を交わしているのを見つけ・・・
あかり(46)は数年前の交通事故でもうすぐ生まれてくるはずの胎児を亡くして以来、がらんどうの心身を抱えて生きていた。自宅と職場とスーパーを行き来するルーティンの毎日で、人づきあいは素っ気ない。ところが、エミコ(17)という野良猫のような少女が居候してしまい、あかりの生活は掻き乱される。性格も習慣も真逆でぶつかってばかりの二人の唯一の共通点は、母親の愛情を知らずに育ったこと。ぎくしゃくしながら一緒に暮らすうちに、あかりの目に映る景色が変わっていく…。
私にできること、それは私自身でいること。記号のように過ぎていく29歳の毎日に、漠然とした不安を感じている小学校教師の雪子。不登校児とのコミュニケーションも、彼氏からのプロポーズにも本音を口にすることを避け、ちゃんと答えが出せずにいる。ラップをしている時だけは本音が言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれを否定され、立ち尽くしてしまった。いい先生、いいラッパー、いい彼女に...なりたい?と自問自答しながら誕生日を迎えた。でも現実は、30歳になったところで何も変わらない自分でしかない。それでも自分と向き合うために一歩前へ進んだ彼女が掴んだものとは―――。
海辺の町に暮らす高校生・灰野勝彦は、同級生の玲子と交際しているが最後の一線を越えさせてもらえず悶々とする日々。そんな勝彦の家に、突然風変わりな高校教師・伊沢が下宿人として現れる。はじめは警戒しつつ徐々に伊沢と距離を縮めてゆく勝彦と、2人に嫉妬心を燃やす玲子。そして伊沢は誰にも言えないある秘密を抱えていた。複雑に絡み合う3人の感情は、やがて思いも寄らない未来へと転がり始めてゆく――。
塾講師の渡会には、他人の素顔を覗き見ることで快感を得るという病癖があった。階下に引っ越してきた真柄夫妻の生活を覗き見るうちに、妻・華恵の知らなかった夫・太郎の秘密を目撃してしまう。現実と欲望の境界が崩れ、覗き見た日常が悪夢へと変わっていく。
小劇場の売れない役者・哲郎と、教師の妻・晴との仲は冷え切っていた。哲郎は新作舞台の脚本づくりの中で後輩俳優の悠介に、妻を架空の人物として口説かせる計画を持ち掛ける。芝居と現実の境界が崩れていく中、嫉妬と狂気が哲郎を追い詰めていく。
新人賞を受賞したにも関わらず、未だ単行本も出ない不遇な新人作家・相田大樹こと中島加代子(のん)。その原因は、大御所作家・東十条宗典(滝藤賢一)からの痛烈な酷評だった。名だたる文豪に愛された「山の上ホテル」に自腹で宿泊し、文豪気分で原稿に向かっていた加代子のもとへ、大学時代の先輩で大手出版社の編集者・遠藤道雄(田中圭)が現れる。東十条が上階でカンヅメ中と知らされた加代子は、「原稿が上がらなければ私にチャンスが…」と奇想天外な作戦で執筆を妨害し、掲載の機会をつかむ。ここから因縁の対決が幕を開け、デビュー直前で何度も蹴落とされ、さらには味方と思っていた遠藤の裏切りまで。加代子は「私は私の夢を叶える!」と立ち上がり、不屈の精神と奇策で理不尽な文学界を駆け上がっていく。
1938年、トリノでお針子として洋裁店で働く16歳の少女ジーニアは、画家のモデルとして生計を立てる3つ年上の美しく自由なアメーリアと出会う。アメーリアによって芸術家たちが集う新しい世界への扉を開かれ、ジーニアは大人の階段を上り始める。思春期真っただ中のジーニアと、既に自立した女性としてたくましく生きるアメーリアの2人が、互いの姿に自分の未来/過去を映しながら、徐々に惹かれ合っていく―
ある日、ミンテのもとに弟のソクテが死体となって戻ってきた。そして弟の妻のムニョンは、姿を消してしまう。手がかりを探すうちに、ホリョンという小説家と出会い、彼のベストセラー小説『夜行』の中で弟の死が予言されていたことを知る。弟が死んだあの夜、何があったのか?ムニョンの行方を追ううちに真実を知ったミンテは、壮絶な復讐を始める―。
刑務所を出所した元天才ハッカー・野原は自分と同じく数字に色がついて見える“共感覚”を持つ女性・杏子と出会い、恋に落ちる。台湾の野心的な企業家、リンネはFX市場を利用し一儲けするため、野原とかつての仲間たちに声をかける。その作戦は金融取引の番人、「AIを騙す」こと。決行日は元号が変わり、金融機関のシステムが一番油断して混乱する、円が最も隙だらけの日ー2019年5月7日。一方、川崎工業地帯では難民・移民の子のための「夜光ハウス」が立ち退き寸前の危機に陥っていた。施設を守るファラーとイランのハッカー・アバンは返済のためのある計画を練る。これはねじれた偶然か? 2つの計画の日時は奇しくも一致していたのだ。日本、台湾、イラン、ハワイ…世界6つの都市を舞台に、それぞれの運命と思惑が交錯するーマネーサスペンス最先端
「髪を洗ってやるよ」。それは、男と女でいられる最後の夜のことだった。1966年、講演旅行をきっかけに出会った長内みはると白木篤郎は、それぞれに妻子やパートナーがありながら男女の仲となる。もうすぐ第二子が誕生するという時にもみはるの元へ通う篤郎だが、自宅では幼い娘を可愛がり、妻・笙子の手料理を絶賛する。奔放で嘘つきな篤郎にのめり込むみはる、全てを承知しながらも心乱すことのない笙子。緊張をはらむ共犯とも連帯ともいうべき3人の関係性が生まれる中、みはるが突然、篤郎に告げた。「わたし、出家しようと思うの」。
同じ日に精神病院に送られた25歳のスミョンとスンミン。スミョンは19歳の時に母が自殺したショックで精神を病み入院。一方、スンミンは世界的なパラグライダーの選手だったが、家族との遺産争いに巻き込まれ強制的に入院させられた。異なる背景を持つ二人の青年が出会い、次第に友情を育んでいく。やがて2人は病院からの脱出を企てて、心の自由を求めて奔走する。果たして彼らが自由になる日は訪れるのか・・・
失った時間を、誰と生きる――日中国交正常化50周年に日中合作で描かれた、心の再生の物語。作家・唐大道は、一人息子を若くして亡くしてしまい悲しみに暮れる中、息子と瓜二つの顔をした青年と出会う。彼は死者と交流できるのだという。
祠堂学院の受験の日、タクミ(葉山託生)はひと際目立つ存在のギイ(崎義一)と廊下ですれ違い、その出で立ちと美貌に目を奪われる。タクミは、人に触れたり触れられることができない人間接触嫌悪症のため入学して間もなくクラスの中で変人扱いされるが、唯一仲良しで寮が同室の片倉利久のおかげで何とか高校生活を過ごしていた。そんな安穏とした生活も束の間、図書室で3年の麻生圭から校内での「祠探し」のイベントに一緒に参加しようと誘われたり、ギイに好意を持つ高林泉が親衛隊と共にタクミに難癖をつけくる。高林は、ギイにぞっこんだったが全く自分に振り向いてくれないばかりか変人のタクミを気に掛けていることに気付き、嫉妬してついにタクミを攻撃する事件を起こす…
弁護士であるグルパダ・ミトラは、妻の死以来、深刻な精神不安に陥っている。娘のブチキとバラナシからの帰路、グルパダは不老を自称するビリンチ・ババと出会う。グルパダは彼に感銘を受け、彼を支援し入信することを決意する。コメディ映画の体裁を取りつつ、宗教的偽善や盲目的な信仰を鋭く風刺し、狂信的信仰を戒めている。伝統と近代化が交錯するインド社会に対するレイ監督の鋭い観察が投影された作品。【日本劇場初公開作品】
監督作品の常連であるショウミットロ・チャタルジが、コルコタの脚本家で主人公のアミを演じている。アミは不運にも乗車したタクシーの故障に見舞われるが、茶園を経営する裕福なビマールの親切で彼の家に泊まることになる。驚いたことに、ビマールの家にいた彼の妻コルナは、何年も前、アミが自身の優柔不断ゆえに失った元恋人であった。家族、結婚、男尊女卑、階層といった旧来の価値観と、個人の自由や愛、自己決定といった新しい価値観のぶつかり合いが描かれる。【日本劇場初公開作品】
1880年頃のカルカッタ(現コルカタ)。美しいチャルラータは、外界から隔絶されたヴィクトリア朝時代の華美な邸宅で当てもなく毎日を過ごしている。理想主義的な知識人の夫ブポティはそんな妻を愛し支えているものの、新しい政治新聞の発行に追われ妻との時間が思うようにとれない。そんな折、ブポティのいとこのアマルが訪ねて来ると、ブポティはチャルラータに眠る文才を開花させてほしいとアマルに頼む。愛、理想主義、失望、そして悲哀への賛歌である本作は、レイ監督が手掛けた中で最も優美な作品であり、監督の創造期と言われる1960年代に撮られた最高傑作。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
平凡な銀行員シュブロトは家族で唯一の働き手。ある時シュブロトの妻アロティは、(主婦は家にいるべきという)慣習と義父の反対を振り切って訪問販売員としての職を得る。アロティは仕事で順調に評価され自信と経済的自立を手にするが、その状況を受け入れることができない夫は妻に離職を迫る。レイ監督が初めてネオリアリズモへの挑戦を試みた作品であり、物語は1955年当時のコルコタの日常を描く。貧しい下層・中流階級を襲う社会経済的な苦悩に焦点を当て、それを主人公女性の自立を通じて表現している。【ベルリン国際映画祭 銀熊賞(監督賞)受賞作品】
20世紀初頭のベンガル地方。地主ビッションボル・ラエは、経済的に困窮しながらも、かつての栄光と誇りにしがみつくように、音楽と舞踊に耽る日々を送っている。隣人である新興の実業家ガングリに対して対抗心を燃やしたロイは、最後の誇りをかけて、自らの音楽サロンで盛大な演奏会を開く。世界中の映画製作者に影響を与えた、レイ監督の芸術性と映像美が際立つ傑作。音楽監督はシタール奏者の巨匠ヴィラーヤト・カーンが務め、演奏会以外の場面でも有名演奏家が多数出演している。【日本劇場初公開作品】
CG一切なしの神秘的な自然の中で紡がれる伝承と解放の物語大きな川の上流、山間の集落で暮らす少年ユウチャ。父は林業に従事し、母は病に臥せっていて、老いた祖母と暮らしている。まだ自然豊かな土地ではあるが、森林伐採の影響もあるのか、家族は年々深刻化していく台風による洪水の被害に脅かされている。夏休みの終わり、集落に紙芝居屋がやってきて子どもたちを集める。その演目は、土地にずっと伝わる里の娘・お葉と山の民である木地屋の青年・朔の悲恋。叶わぬ想いに打ちひしがれたお葉は山奥の淵に入水、それからというもの彼女の涙が溢れかえるように数十年に一度、恐ろしい洪水が起きるという。紙芝居の物語との不思議なシンクロを体験したユウチャは、現実でも家族を脅かす洪水を防ぎ、さらには哀しみに囚われたままのお葉の魂を解放したいと願い、古くからの言い伝えに従って川をさかのぼり、山奥の淵へ向かう・・・
過去の未解決事件を専門に扱う「特捜部Q」に所属する警部補カール。そのカールの旧友で、同僚だったクレスチャンが自身の退官式中に銃で自殺。クレスチャンの手のひらにはカールの名前が。そしてその場にいた特捜部Qのローセは、自分自身のトラウマとなる過去の記憶と向き合うことになってしまう。カールとローセ、アサドは、長い間封印されていた、7年前の若い女子高生殺害事件に巻き込まれていく。公式には交通事故として棚上げされていたこの殺人事件は、地元警察と、更に若い女性の弟子たちが何年も失踪している謎の集団が関係していることが判明する。自らの命が危険に晒されるカールたち。隠された真実を解明できるのか!?
「疑いは絶対に晴らすから」そう言って立ち去った親友は、一週間後に変死体で発見された――愛知県平井市在住の女子大生が、度重なるストーカー被害の末に、神社の長男に殺害された。地元新聞の独占スクープ記事により、警察が女子大生からの被害届の受理を先延ばしにし、その間に慰安旅行に行っていたことが明らかになる。県警広報広聴課の森口泉は、親友の新聞記者・津村千佳が約束を破って記事にしたと疑い、身の潔白を証明しようとした千佳は、1週間後に変死体で発見される。自分が疑わなければ、千佳は殺されずに済んだのに――。自責と後悔の念に突き動かされた泉は、自らの手で千佳を殺した犯人を捕まえることを誓う。
外科医ティモーテオは、少年のころから暗い孤独にさいなまれていた。美人妻エルサと築いた裕福な家庭は、心の乾きを癒してはくれない。灼熱の夏の日、車が故障したティモーテオは、家の電話を使わせてくれた貧しい娘イタリアを、発作的にレイプした。罪の意識にさいなまれながらも逢瀬をつづけ、イタリアなしでは生きられなくなるティモーテオ。情熱に身をまかせるふたりを待ち受けていた結末とは?
30歳の誕生日を翌日に控えるジョンユンは、アルバイトを掛け持ちしながら未来に何の希望も見出せず、生きることに精いっぱいの日々を送っていたある日、道ですれ違った男に声をかけられ、「君は6時間後に殺される」と告げられる。相手にしなかったジョンユンだが、男は「自分には予知能力がある、君が殺される未来を見た」と譲らない。半信半疑ながらも「どうしても君を助けたい」と言い張る男と行動を共にするのだが…。
マーガレットは、昼はフライトアテンダント専門学校で英語教師として働きながら、夜は煌びやかな東京の歓楽街に身を置いていた。過去のトラウマから逃れるように東京へやってきたものの、生きる意味を見失っていた彼女は、夜な夜なその場限りの男とマゾヒスティックなセックスをすることで、かろうじて生きる実感を保っていた。そんなある日、彼女は魅力的なヤクザ、カズと出会い、衝動的に彼と体を重ねる。言葉を交わさずともマーガレットの欲求を察したカズとの、この上なく幸福なセックスによって、マーガレットは強く彼に惹かれていく。カズの住む危険な世界としきたりが二人の関係を阻んでもなお、何度もラブホテルで逢瀬を重ねる二人。しかし、ある時カズが突然姿を消してしまい、動揺したマーガレットは必死に彼を探すのだが…。
ウェディングプランナーとして働く梓(黒木華)のもとに、ある日突然届いたのは、親友の叶海(藤間爽子)が命を落としたという知らせだった。交際相手の澄人(中村蒼)との結婚に踏み出せず、生前の叶海と交わしていたトーク画面に、変わらずメッセージを送り続ける。同じ頃、叶海の両親の朋子(西田尚美)と優作(田口トモロヲ)は、とある児童養護施設から娘宛てのカードを受け取っていた。そして遺品のスマホには、溜まっていたメッセージの存在を知らせる新たな通知も。一方、金婚式を担当することになった梓は、叔母の紹介でピアノ演奏を頼みに行ったこみち(草笛光子)の家で中学時代の記憶をふいに思い出す。叶海と二人で聴いたピアノの音色。大事なときに背中を押してくれたのはいつも叶海だった。梓は思わず送る。「叶海がいないと前に進めないよ」。その瞬間、読まれるはずのない送信済みのメッセージに一斉に既読がついて……。
男は、いきなり女の唇をこじ開け、舌をさし込んできた。女は思わず上着にしがみつく。そして、無言のうちに昇りつめるー。クラブ歌手のキム(樋口可南子)は黒人のスプーン(マイケル・ライト)と出逢った。翌日、キムは「私、クロと寝たのよ」と告げ、同棲していたバンド仲間の市来(奥田英二)の部屋を出て行った。数日後、スプーンと再会したキムは、再び熱い瞬間を過ごす。だが、二人の乗った自転車が事故を起こし、スプーンの消息はわからなくなった。キムは新しく借りた部屋で、スプーンの猫オズボーンと彼を待った。スプーンは脱走兵となってキムの前に現われた。二人の熱病のような熱い日々が始まった。
AIが国家の社会システム全般を管理し、人間の感情が不要と見なされている2044年のパリ。孤独な女性ガブリエル(レア・セドゥ)は有意義な職に就きたいと望んでいるが、それを叶えるにはDNAの浄化によって〈感情の消去〉をするセッションを受けなくてはならない。人間らしい感情を失うことに恐れを感じながらも、AIの指導に従って1910年と2014年の前世へとさかのぼったガブリエルは、それぞれの時代でルイ(ジョージ・マッケイ)という青年と出会い、激しく惹かれ合っていく。しかしこの時空を超越したセッションは、ガブリエルの潜在意識に植えつけられたトラウマの恐怖と向き合う旅でもあった。はたして、3つの時代で転生を繰り返すガブリエルとルイの愛は成就するのか。そして過酷な宿命を背負ったガブリエルが、最後に突きあたる衝撃的な真実とは……。
ユディトは好きな仕事に就き、仲の良い友人や家族と平凡な日常を送っている。ある日、魅力的な見知らぬ男性と会社のエレベーターに閉じ込められたユディトは、その男性が億万長者でセクシーな新しいCEOのエリックだと知り慌てふためくが、エリックの視線に誘惑されたユディトはエリックのプライベートな世界に入ることに同意する。密会する度に、ユディトは自ら進んで抑制することなく深く堕ちていく・・・