5歳で父親と死別した八雲御子。翌年には母親も失踪してしまい、祖母に引き取られた御子だが、18歳になると祖母も亡くなり、天涯孤独となってしまった。しかし、祖母の葬式に母親の弟である雷土悟郎が現れ、住む場所とアルバイトを用意してくれた。その仕事とは、ワケあり物件に住み込んで事故の履歴を帳消しにし、次の住人を迎えるまでにクリーンな空き部屋へと浄化すること=“ルームロンダリング”。引っ込み思案で人づき合いが苦手な御子にとって都合の良い仕事だったはずが、行く先々で待ち受けていたのは、幽霊となって部屋に居座る、この世に未練たらたらな元住人たち。ミュージシャンになる夢を諦めきれないパンクロッカーや見ず知らずの男に命を奪われ恨み節が止まらないOL、カニの扮装をした小学生!?なぜか彼らの姿が見えてしまう御子は、そのお悩み相談に振り回されて…!?
この世のすべての人が幸せになれるという経典を求め、遥か遠く天竺へと旅を続ける三蔵法師、孫悟空、沙悟浄、猪八戒。長旅の疲れも得意のギャグで吹き飛ばし、いつも陽気な笑顔で歩き続ける一行だったが、そんな彼らを、険しい表情でにらみつけるひとりの小男……いや、妖怪がいた。三蔵法師の生き血を吸い、三千年の命を手に入れようと目論む、妖怪ビッグコブラ(池乃めだか)だ。かつて三蔵法師たちと壮絶な戦いを繰り広げ、完膚なきまでに退治されてしまったビッグコブラは、彼らにリベンジを果たすべく、虎視眈々とその機会をうかがっていたのだ。そしてついに、ビッグコブラは三蔵法師たちに妖術をかけ、未来の世界へタイムスリップさせてしまう!
ありえなさ過ぎる女にはまっていく男たち・・・。よしえ (浅香あき恵)が殺人事件の容疑者として逮捕されたところから物語は始まる。事件は、20代、30代、40代の3人の男性が殺害されたというもの。3人ともイケメンで、そこそこのお金持ち。それぞれと関係があったよしえに容疑がかかるが、決定的な証拠は一切ない。世間やマスコミは、よしえが3人を殺したと疑っている。が、よしえの証言は真逆! 3人のイケメンはよしえに惚れ込み、4角関係のもつれにより、1人の男が2人を殺害後、自分も命を絶った。まさに、よしえの「魅力」が起こした悲劇、だという。
老若男女に大人気、吉本新喜劇の座長でもある芸人すち子。真面目で熱血漢であるが故にいつも捜査に熱が入りすぎてしまう問題の多い刑事・春日。そんな職業も性格もまるで違う二人がふとした偶然からコンビを組み、ある商店街を舞台にした不思議な連続行方不明事件の謎を追う事に。最初はぶつかりあう二人だったが、春日の娘・ゆいとの交流や事件の謎を追っていく中で徐々にお互いを認め合っていく。そして数々の困難を乗り越え、遂に事件の真相にたどり着いた時、想像を絶する地獄のショーの幕が開くのだった…。果たして二人は事件を解決し、無事に生還できるのか?「男同士の絆」を軸に、ハードなアクションと吉本新喜劇ならではの人情喜劇が絶妙にマッチ。誰もが楽しめる痛快娯楽作品となっています。
「心がきれいな子がほんまもんのべっぴんさんや」亡き母に言われたあいは明るく優しい女子高生に育った。あいの天敵は美少女たち。過去のトラウマのせいで“顔のきれいな子は心が汚い”と思い込んでいるのだ。そんなあいに『(NMB48を爆弾魔から守れ!』というミッションがもたらされる。綺麗で愛らしいアイドルの中に潜入し、事件を解決するなんて最悪だ!だがプロの探偵の誇りにかけて逃げ出すなんてできない。かくして100キロの巨体で歌い踊りながら爆弾魔を追い詰めるという前代未聞の潜入捜査が始まった……。
高校最後の文化祭3日前、突然、演劇部の絶対的ヒロイン、ひかり(玉城ティナ)が退部した・・・。残されたのは4人の「微妙」な女子、沙彩(福原遥)、蒼生(矢倉楓子/NMB48) 、胡桃(小野花梨)、美紅(齋藤美咲) 。ひかり不在の演劇部は自分たちがスクールカーストの下位にいることを再認識する。ヒロイン不在の中、本当は誰もが「ヒロイン」を演じたいのにお互いの腹を探り合う 4 人。いままでひかりの影に隠れてきた彼女たち4人の秘めてきた思いが、一気にぶつかり合う――!
母親と離れて暮らす女子高生の千代里(山田愛奈)の元に、地元の新潟で小料理屋を切り盛りしている母親・麗子(高橋由美子)が突如失踪したと連絡が入る。地元に帰った千代里は残された料理人であるアサダ(和田聰宏)と母の代わりに一緒に働くことになる。母との確執によって閉ざされていた千代里の心は、アサダや店にやってくる客との交流から少しずつ開かれていく。同時にアサダの人柄と彼の作る料理に惹かれていくのは自然のことだった。しかし、そこに突然、母が帰ってきて―――。
両親の仕事の関係で新しい街へと引っ越してきた15歳の少女・ミア。親の都合に振り回されることへの苛立ちと、大人の女性へと変わっていく自分自身への言いようのない不安の中、ミアはクラスでも目立つ存在のジアンナたちと仲良くなる。アルコール、万引き、男の子たち、ミアは憂鬱な気持ちを振り払うように、仲間たちと悪い遊びに手を染めていく。そんな中、彼女は決定的な体の変化を感じ始める。しかし、それは明らかに「成長」と言うにはあまりに不気味で、不自然なものだった。果たしてミアの身に一体何が起こっているのか?彼女を待ち受ける過酷な運命とは?
20歳のルーシーは、男の子とキスをしたことも、働いたことも、本当の友人を持ったこともなかった。彼女のいちばんの―おそらくただ1人の―理解者は、母親のクレア。ルーシーを外の悪い世界からずっと大切に守ってきた。自分の末期の病さえも隠しながら…。クレアの妹ケリーは、手遅れになる前に娘に本当のことを告げるようにと急かす。何かが母に起きていることに気づいたルーシーは、早く自立した大人にならなくてはと、焦って就職面接を受けに行く。その道中で目にした「フェリーニ映画祭」と題されたきらびやかで怪しい劇場。吸い込まれるように入っていったその場所で、『道』にまたたく間に心を奪われる。これまで慣れ親しんだハッピーエンドとは違う、巧妙に不可解に作られた悲喜劇。フェリーニの魅惑の世界にのめり込んだルーシーはいてもたってもいられず、フェリーニを探すためイタリア各地を巡る旅へ出る。そこで待ち受けるのは、フェリーニ作品の世界に迷い込んだようなファンタジーや悪夢、胸高鳴るラブストーリー。彼女の発見の旅と人生は、段々と死の足音が近づいている母クレアとは対照を成す。離れていても繋がっている二人。真実と虚構が幻想的に絡み合いながら、ルーシーの「フェリーニを探す旅」は最終地点へと向かっていく。
砂山一男は35歳の会社員。後輩から慕われる人柄と、同僚から妬まれるほどの優秀な才能を持つ営業マンである。家庭では典型的な「良きパパ」として、妻と3歳になる愛娘と共に平穏に暮らしている。そんな彼の唯一の趣味は「パチンコ」。今日もパチンコに勝利し、家族サービスをする砂山。しかし、のめり込むあまりに仕事が危うくなることもある。負けた日はつい、娘に八つ当たりする大人げのなさ。連敗が続くようになり、リベンジを果たすべく消費者金融に足を踏み入れる砂山。その時、身辺崩壊の序曲は鳴り始めた…。
シャーとチャンが経営する南京のマッサージ院では多くの盲人が働いている。 若手のシャオマーは、幼い頃に交通事故で視力を失った。医師の診断は「いつか回復する」というものだったが、その日は一向にやってこない。そんなマッサージ院に、シャーの同級生ワンと恋人のコンが駆け落ち同然で転がり込んできた。まだ幼さの残るシャオマーは、コンの色香に感じたことのない強い欲望を覚えはじめる。ある日、爆発寸前の欲望を抱えたシャオマーを見かねた同僚が風俗店へと誘った。そこで働くマンと出会いによって、大きく動き出した運命の歯車。己を見失いもがき苦しむ中で見つけた一筋の光とは…。
男一人、酒浸りになりながらバーを営むサル(ブライアン・クランストン)と、破天荒だったミューラー(ローレンス・フィッシュバーン)の元に、30年間音信不通だった旧友のドク(スティーヴ・カレル)が突然現れる。2人にドクは、1年前に妻に先立たれたこと、そして2日前に遠い地で息子が戦死したことを2人に打ち明け、亡くなった息子を故郷に連れ帰る旅への同行を依頼する。バージニア州ノーフォークから出発した彼らの旅は、時にテロリストに間違われるなどのトラブルに見舞われながら、故郷のポーツマスへと向かう――。30年前に起きた悲しい出来事をきっかけに出た再会の旅。語り合い、笑い合って悩みを打ち明ける旅路で、3人の人生が再び輝き出す。
1999年1月某日、警備会社エステックに一本の電話が入った――。社長の大崎(筧 利夫)は、学生時代の先輩で寺の住職・小泉(芦川 誠)からの依頼を受け、精鋭チーム・第二警備隊を結成する。政治団体を標榜しつつもその実は指定暴力団・真政会の一味である護国大憂党は、寺の利権を狙って日々執拗な嫌がらせを繰り返してくる。大崎指揮のもと、隊長・高城(出合正幸)と中本(野村宏伸)を中心に、紅一点の佐野(竹島由夏)も加わり、大恩寺の警備警護にあたる隊員たちであったが、9月9日夜、ついに中本が凶弾に倒れてしまう・・・。
天真爛漫で自由奔放な日本人女性ライカとモスクワで女優を目指すロシア人女性ユーリャはルームメイトとして同じ屋根の下で暮らしている。二人はお互いの《心も体》も愛し合う、友情を越えたもので固く結ばれていた。しかし、1人の男性の出現でその関係は微妙なズレを生み出し始めた…。
東京で写真の勉強をしていたアオイ(桜庭ななみ)は、心臓移植の大手術を受けて命をつなぎ、療養を目的におじを頼って沖縄の美しい島へやってくる。夏祭りを目前に控えた島で、ポラロイドカメラを手に海岸を散歩していたアオイの耳に小さくトランペットの音色が響く。彼女が音を頼りに近づいていくと、ジオ(L.JOE)が絶壁の上で音を奏でていた。
「私をずっと好きでいてもらえる自信もないし、ずっと好きでいられる自信もない」と、独自の結婚観を持ち、パン屋で働く市井ふみ(深川麻衣)が、中学時代の“初恋”の相手・湯浅たもつ(山下健二郎)とある日偶然再会したところから物語は始まる。プロポーズされたものの、結婚に踏ん切りがつかず元彼とサヨナラしたふみと、別れた奥さんのことを今でも想い続けているたもつが織りなす、モヤモヤしながらキュンとする“モヤキュン”ラブストーリー。「初恋相手は、今でも相変わらず魅力的だぁぁぁぁあ!!」“恋愛こじらせ女子”の面倒な恋が動き出す!?「結婚」をテーマに、コミカルで人間交差点的な今泉力哉ワールド全開の恋愛群像劇が繰り広げられる。
日本、現代――いじめらっれ子を守る心優しき女子高生・光。3年間の交際を経て、恋人と婚約した青年・陽。被災地にボランティアへ通う青年・健太とその姉・マナ。幸せな日々はいつまでも続くと思われたがある日、人生は一変する。無差別連続殺人事件、何者かによるレイプ、交通事故。予期せぬ悲劇が彼らを襲う。被害者になった者、加害者になった者。大切なものを失った彼らの運命は絡み合い、交差し始める……
街の片隅にあるスナック。表向きこそスナックだが、実際は別部屋でホステスと遊べる店として営業を続けていた。美咲は一人息子の凌空のため金になるなら何でもやってきた。ある日のこと、店に一人の男がやってくる。男は部屋の窓辺から外を覗き続ける不思議な客だった。
1997年7月7日。下関と釜山の間で行われた親善陸上大会に出場した郁子は、一人の韓国人の男の子と出会い、淡い恋をする。「来年の夏、この大会で再会しよう」携帯もメールも無い時代、日本と韓国が今ほど親しくなかった時代。郁子の初恋を何とか実らせたいと奔走する真理、巴、玲子の3人の胸にも、いつの間にか郁子の切ない想いが住み着き、そして奔流のようにあふれ出す---。
主人公の高宮利一は、東京での過酷な仕事を辞め、故郷の新潟で長距離深夜バスの運転士として働く中年の男。ある夜、利一がいつもの東京発─新潟行のバスを発車させようとしたその時、滑り込むように乗車してきたのが、十六年前に離婚した妻・美雪だった。突然の、思いがけない再会。
琵琶湖畔にある老舗旅館「明月館」が実家の梨花(田中麗奈)は5年前に父を亡くし、旅館を一人で切り盛りし続けている母・美津子(余貴美子)を支えるため、仕事を辞めて実家に戻ってくる。経営不振の中、母の元恋人のチャールズ(ヤン・リエ)が旅館を買収して、息子・ジャッキー(ワン・ポーチエ)を再建のために送り込んだ。しかし「おもてなし」の心がないジャッキーに対して梨花は反発し衝突するが・・・。”
綾香(市川まさみ)は結婚5年目の専業主婦。夫の慎吾は出版社勤務で忙しく、マンネリした生活とセックスレスな夫婦生活を送っていた。ある時、慎吾の担当する女性誌で夫婦の新しい結婚のスタイルである”オープン・マリッジ”を特集することになった。1970年代に提唱された『オープンマリッジ』とはお互いの合意があれば、自由に他の異性と関係が持てるというものだった。編集長から体験レポートを要求された慎吾は、なんとか綾香を説得してみることに…。その後、お互い性的パートナーを見つけた2人は、嫉妬から生まれた興奮で、セックスレスを解消してお互いの身体を激しく求めあうようになっていく…。
他人の戯曲を盗んで発表したことで、一躍成功をつかんだ男ベルトラン。2作目を期待されるがペンは進まず、パトロンからは矢の催促が。執筆の場である別荘に着くと、吹雪で立ち往生した男女が窓ガラスを割って入りくつろいでいた。腹を立てたベルトランは、バスタブにつかっていた娼婦エヴァに文句を言おうと近寄るが、彼女に一瞬で心を奪われる。次作の題材という名目でエヴァに近づくが冷たくあしらわれ、思うようにならない関係に苛立ちを募らせたベルトランは、周囲の人間を巻き込み官能と破滅の道を突き進んでゆく……。
とあるところに存在する恋愛クリニック「ラブドック」。そこは恋愛体質の人にこそ、意昧のある場所。ある日訪れたのは人気パティシエの剛田飛鳥。人生で成功を収めながらも、節目節目で恋愛に走り、仕事を無くし、親友を無くしてきた。そんな飛鳥に、魅惑の女医、冬木玲子が処方したのは、遺伝子から抽出したという、特別な薬。これを打てば危険な恋愛をストップできる優れもの?果たして彼女の恋愛模様は、薬で軌道修正できるのか?いくつになっても恋をしたい!人生を楽しみたい!でも理想と現実がかみ合わない…。そんな女性たちに贈る、遺伝子レベルで恋が始まる、究極のラブコメティ!
ギャンブルに溺れ、借金を残して蒸発し、13年間音信不通だった父が余命3か月で見つかった。母と兄は見舞いを拒否したが、コウジは子供の頃キャッチボールをしてくれた優しい父を思い、入院先を訪ねる。しかし金を工面している父の姿に失望し、家族の溝は埋まらないまま、父はこの世を去った。葬式に参列するのは、数少ない友人たち。彼らが語る父のエピソードによってコウジは家族の誰も知らなかった父の真実を知り、13年間の空白が少しずつ埋まっていく…
クリスティアンは権威ある現代美術館のキュレーター。洗練されたファッションに身を包み、バツイチだが2人の愛すべき娘を持ち、そのキャリアは順風満帆のように見えた。彼は新たな企画として「ザ・スクエア」という地面に正方形を描いたアート作品を展示すると発表する。四角の中は人々に「思いやりの心」を思い出してもらうための聖域であり、社会をより良くする狙いがあった。だが、ある日、携帯と財布を盗まれたことに対して彼がとった行動は、同僚や友人、果ては子供たちをも裏切るものだった…。
孤独に気付いた男 生きる意味を探す少女 奇跡を信じる青年 出会い、つながり、向き合った時、心の化石が掘り起こされる。美術店の店主・草介は悠々自適な毎日を送るも、ひとり孤独を感じていた。そんな草介の姿をいつも店先から見つめる少女から「生きてますか」と一言だけ書かれた手紙が届く。その不思議な手紙に導かれ、草介は少女の母親と出会い、少女が数日前から家出していることを知る。その頃、少女は恐竜の卵の化石を掘り起こすことが夢だという青年に出会う。少女の行方を追う草介は青年の姉のもとにたどり着くのだが、少女と青年は化石の発掘現場を最後に姿を消してしまっていた。過去に置き去りにしてきた秘密のつながり、そして偶然の出会いが生んだ奇跡とは―。
2011年2月、末期がんによる余命宣告を受けた俳優、入川保則。延命治療を拒否し、自分自身をモデルとして主演映画の撮影に挑む。2011年12月、本作の完成・公開を目前に死去。これは名脇役と呼ばれた男の、魂のラスト・メッセージである。福島県白河市。警視庁捜査一課の刑事だった森川は、今は喫茶店「ビターコーヒーライフ」のマスターとして働いている。仕事ばかりで過程を顧みなかった森川は、一人娘の七海とも疎遠なままに過ごしていた。彼は20年前に逮捕した殺人犯の娘・明日香を引き取り、養女として育ててきた。大人になった明日香は、森川と七海の関係を修復しようと苦心している。一方、自分が末期ガンに侵され余命わずかであることを知った森川は、行方が知れないままの明日香の父親を探すため奔走するが…。
6歳のムーニーと母親のヘイリーは定住する家を失い、“世界最大の夢の国”フロリダ・ディズニー・ワールドのすぐ外側にある安モーテルで、その日暮らしの生活を送っている。シングルマザーで職なしのヘイリーは厳しい現実に苦しむも、ムーニーから見た世界はいつもキラキラと輝いていて、モーテルで暮らす子供たちと冒険に満ちた楽しい毎日を過ごしている。しかし、ある出来事がきっかけとなり、いつまでも続くと思っていたムーニーの夢のような日々に現実が影を落としていく―
中年会社員のトーマスは、休暇に家族全員でスキー旅行に行くことにした。しかし、妻とは長く倦怠期が続いており、娘は反抗期。さらには成り行きで上司の娘であるザラも一緒に連れて行くことになる。初日の夜、ザラが行方不明に。トーマスは街角で悲壮に暮れるザラを発見するが、彼女は「レイプされた」と告白する。警察に行こう提案するも、本人は行きたくないと言う。本人の気持ちを尊重して、どうにか丸く収めようとトーマスは小さなウソを重ねていくが、事態はますます悪い方向へ進んでゆく…。
ロンドン。穏やかに引退生活を送るトニー。ある日、見知らぬ弁護士から手紙が届く。あなたに日記を遺した女性がいると。その女性とは40年も前の初恋の人ベロニカの母親。遺品の日記は学生時代の親友エイドリアンのものだった。なぜ彼女の元にその日記があったのか?そこには一体何が書かれているのか?長い間忘れていた青春時代の記憶、若くして自殺した親友、そして初恋の秘密―。ついにベロニカとの再会を果たすトニーだったが、思いもかけず自身の記憶は大きく揺らぎ始めるのだった…。
中央アジアの美しい国、キルギス。妻と幼い息子と3人で慎ましく暮らすケンタウロスには、誰にも打ち明けていない秘密があった。時代の流れとともに失われつつある伝説を、ある理由から強く信じているケンタウロスは、人知れず厩舎に忍び込み、馬を盗んでは野に放っていた。次第に馬泥棒の存在が問題になり、犯人を捕まえる為罠が仕掛けられる。
その姿は世の女性が憧れる理想像。食品メーカーに勤め、業界の第一線を走るキャリアウーマン・川原由加利(長澤まさみ)は、研究医で面倒見の良い恋人・小出桔平(高橋一生)と同棲5年目を迎えていた。ある日、由加利が自宅で桔平の遅い帰りを待っていると、突然警察官が訪ねてくる。「一体、彼は誰ですか?」くも膜下出血で倒れ意識を失ったところを発見された桔平。なんと、彼の所持していた運転免許証、医師免許証は、すべて偽造されたもので、職業はおろか名前すらも「嘘」という事実が判明したのだった。騙され続けていたことへのショックと、「彼が何者なのか」という疑問をぬぐえない由加利は、意を決して、私立探偵・海原匠(吉田鋼太郎)と助手のキム(DAIGO)を頼ることに。調査中、桔平のことを“先生”と呼ぶ謎の女子大生・心葉(川栄李奈)が現れ、桔平と過ごした時間、そして自分の生活にさえ疑心暗鬼になる由加利――。やがて、桔平が書き溜めていた700ページにも及ぶ書きかけの小説が見つかる。そこには誰かの故郷を思わせるいくつかのヒントと、幸せな家族の姿が書かれていたのだった。海原の力を借りて、それが瀬戸内海のどこかであることを知った由加利は、桔平の秘密を追う事に……。なぜ桔平は全てを偽り、由加利を騙さなければならなかったのか?そして、彼女はいまだ病院で眠り続ける「名もなき男」の正体に、辿り着くことができるのか――。
EpisodeⅠ/20年振りの恋:高校生時代の突然の別れ以来、20年振りに偶然再会した香織と陽一。それぞれの人生を歩み、今初めて知る真実。ひとつの音楽が、20年の時を繋げる。
実家の神社で巫女のバイトをしながら、就活をしているしわすは、ひょんなことから5歳のケンタの面倒を見ることになった。ケンタの世話をするうちに、ケンタの問題/しわすの過去/神社の事。自分を見つめ直すしわすの姿を、神社の規律を通して描いていく。
京都で豆腐作りの修行を積んだ勇作は、毎朝じっくりと手間と時間をかけて美味しい豆腐を作り、町の主婦や料理屋に届ける生活を続けていた。ある日、勇作の元に、警察官に付き添われ、東日本大震災で津波により家族をで失った少年・政美がやって来る。心に傷を抱える彼を、勇作はただ静かに見守り続ける。少しずつ心を再生させていく政美。町が大きな揺れに襲われ、一人で留守番をしていた政美は震災の恐怖がよみがえり、姿を消してしまう・・・
弟の金山和成(窪田)は真面目でイケメンの印刷会社の営業マン。ある日、彼のアパートに、強盗罪で服役していた兄の卓司(新井)が刑期を終えて転がり込んでくる。卓司は和成とは対照的に凶暴な性格でトラブルメーカー。キャバクラで暴れたり、弟の留守中に部屋にデリヘルを呼んだりとやりたい放題。和成はそんな卓司に頭を抱えるが、気性の激しい兄には文句のひとつも言えない。一方、親から引き継いで小さな印刷所を切り盛りする姉の幾野由利亜(江上)は、勤勉で頭が良く仕事はできるものの、太っていて見た目がよくない。得意先の和成にほのかに想いを寄せる彼女の天敵は、頭は悪いけどルックスとスタイルの良さから芸能活動もしている妹の真子(筧)だった。複雑な感情を抱くこの二組の兄弟・姉妹の出会いを境に、それぞれの関係はさらに大きく歪みはじめる…。
オスマン・トルコの小さな村に生まれ育ったアルメニア人青年ミカエルは、医学を学ぽうと首都イスタンブールの大学に入学。フランス帰りのアルメニア人女性、アナと惹かれ合うが、彼女にはアメリカ人ジャーナリストの恋人クリスがいた。第一次世界大戦とともにアルメニア人への弾圧が強まり、ミカエルは強制労働に送られてしまう。からくも脱走し、故郷に向かったミカエルは、アルメニア人に対して虐殺が行われている現実を目撃する。ー方クリスはトルコの蛮行を世界に伝えようと奔走し、アナも行動を共にする。それぞれの信念のもとに激動の時代を生き抜いた3人。ミカエルとアナ、クリスの愛の行方は?そして追い詰められたアルメニア人たちの命運は―?
東日本大震災から1年後の福島。15歳の敬介は仮設住宅への避難を余儀なくされていた。中学最後の夏、放送部の作品づくりができないことを残念に思う敬介と部員たちだったが、突然の招待状が舞い込んでくる。中国北東部の小さな村から、ぜひ取材をしてほしいというのだ。そして中国へと旅立つ敬介たち。招待主は村の長老・金成義(ジンツンイ)。彼の口から語られたのは、67年前、15歳だった少年たちの壮絶な体験だった…。
若草ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)が苛める山田(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ放置された<死体>を目にする。「これを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体の存在を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3人は決して恋愛には発展しない特異な友情で結ばれていく。 ゲイであることを隠し街では売春をする山田、そんな山田に過激な愛情を募らせるカンナ(森川葵)、暴力の衝動を押さえられない観音崎、大量の食糧を口にしては吐くこずえ、観音崎と体の関係を重ねるハルナの友人ルミ(土居志央梨)。 閉ざされた学校の淀んだ日常の中で、それぞれが爆発寸前の何かを膨らませていた。そうした彼らの愛憎や孤独に巻き込まれ、強くあろうとするハルナもまた、何物にも執着が持てない空虚さを抱えていた。そんなある日、ハルナは新しい死体を見つけたという報せを、山田から受ける…。
愛する人との悲しい過去を背負う女納棺師・満島弥生。一方、子供の頃に両親を交通事故で亡くした亜衣は、事故の記憶に苦しめられていた。ある日、亜衣は知人の葬儀の場で満島弥生に出会う。満島の仕事ぶりに感動した亜衣は、自分に向き合うために満島に弟子入りしようと決意する。満島の元で様々な「おみおくり」の現場に接しながら成長していく亜衣。そして亜衣は、亜衣を見守る満島にも悲しい過去があることを知る…。一体、満島は何故納棺師という職業を選んだのか?満島が抱える心の悲しみとは?
几帳面な性格だが、植物が苦手なために、庭を荒れ放題にしているベラのもとに届いた撤去勧告。“一ヶ月以内に庭を元どおりにできなければアパートを出て行くこと”。」何から手をつけていいかわからないベラは、料理人ヴァーノンの助けもあって、犬猿の仲だった隣人アルフィーの力をかるることになり…。
知的障害者である兄・実生と二人で暮らす幹生は、性欲処理ができない兄のために、デリヘル嬢のマリンを招き入れる。地下アイドルとして活動しながら風俗で働くマリンには、いつか自分だけの島「ファラ・アイランド」を購入したいという夢があった。奇妙で穏やかな共同生活を始めた3人。しかしマリンの取材を続けるドキュメンタリー作家によって、互いを補うように生きてきた3人の絆はもろくも崩れ去ろうとしていた…
【第一章】1991年夏。民族対立の最中、恋人同士のセルビア人の娘イェレナとクロアチア人青年イヴァンは戦火を逃れ、明日にもザグレブへと引っ越す予定だ。2人が会っている間に村の境界線は封鎖され、帰宅したイェレナは兄に激しく叱責され、家から出ないよう命じられ・・・ 【第二章】2001年夏。紛争終結後、母ゾルカは家を改修するため、クロアチア人・アンテを雇う。娘ナタシャは兄を殺したクロアチア人である彼を受け入れられない。だが一方で、敵であるはずの男に激しく惹かれている自分に気付いていた。 【第三章】2011年夏。現代的に変化した街並み。大学生ルカは友人と故郷に向け車を走らせていた。かつてルカはセルビア人の恋人マリヤを妊娠させ、母親に仲を引き裂かれ、逃げるように故郷を後にしていた。ルカは今も隣村で暮らす彼女に会いに行く決心をする。
幼少時代、陽介(中山麻聖)は、2004年7月に新潟と福島で起こった豪雨によって母親を失った。今は専門学校で日々映画製作について勉強しており、凪音(八神蓮)や高校時代からの友人の嵐(三上真史)、幼なじみの茂(加藤貴宏)らと一緒にSF映画『鉄魔人の逆襲』の撮影をスタートする。だが、その最中に監督の凪音が事故で亡くなってしまい映画制作は頓挫してしまう。
美しい海に囲まれた沖縄の慶良間諸島。小学生のうみは、耳が良すぎるために周囲の音に過敏で、他人ともうまくコミュニケーションがとれずにすっかり心を閉ざしてしまっていた。ある日、ヴァイオリニストの祐子がコンサートのために東京から島にやってくる。それまで少しの音のズレでも不快に感じてしまい、吹奏楽部の生徒とたびたび衝突していたうみ。祐子との交流が、そんな彼女の心に少しずつ変化をもたらしていく。
大都市ローマを取り巻く大動脈「環状線GRA」。その周囲に暮らす植物学者、没落貴族、老紳士とその娘、救助隊員、ウナギ漁師、車上生活者。スポットライトを浴びることもなく懸命に生きる人々に目を留めると、その風景の中に喜び、怒り、哀しみ、そして夢が見えてくる―。
インドのカシミール地方で年老いた叔父と暮らす青年グルザール。貧しい田舎で生きることに嫌気がさした彼は、親友アフザルと一緒に故郷を捨てて大都会へ旅立つことを決心する。ところが出発した矢先、インド分離独立を訴えるイスラム教徒のデモが過激派し、インド政府は外出禁止令を発令。一時解除されるラマダンまで一週間足止めを食らった二人は、ダル湖の汚染調査にアメリカから来た女性研究者アシファを手伝い始める。グルザールは彼女に好意を抱くようになり、彼の心にある変化が生まれてくる。
郊外で小さな金属加工工場を営みながら平穏な暮らしを送っていた夫婦とその娘の前に、夫の旧い知人である前科者の男が現われる。奇妙な共同生活を送りはじめる彼らだったが、やがて男は残酷な爪痕を残して姿を消す。8年後、夫婦は皮肉な巡り合わせにより、男の消息がつかめそうになる。しかし、そのことによって夫婦は再び己の心の闇と対峙し、互いの奥底に抱えてきた秘密があぶり出されていく。
消防士を定年退職し、妻・夏美の精神病院入院をきっかけに北陸の田舎町から東京近郊に暮らす息子夫婦の元に身を寄せることになった馬野杢平。彼は大菊の厚物を仕立てることでは北陸の名人と呼ばれる腕前を持っている。ある日、地元の菊同好会の集まりで、老人相手に援助交際をしている音大生のミハルを紹介された杢平は、彼女の道案内で隣町に住む黒瀬の家を訪ねた。黒瀬は全国的に名の知れた厚物作りの名人で、杢平が菊にのめりこんだのも、少年時代、北陸に疎開してきた黒瀬が作った厚物を見たことが原因だった。しかし、偏屈で欲深い黒瀬は杢平を冷たくあしらう。だがミハルには興味を抱き「ミハルを紹介すれば、とっておきの肥料を教える」と杢平に迫るが.…。
念願のフラワーショップを開業した友美(田中美保)。そこに駆け込んでくるなぜか泥だらけの少年。少年と入れ違いで出て行く男は娘の結婚式を前にした父親、正行(大杉漣)だった・・・花屋に訪れる人々が織り成すそれぞれの人生のストーリー。愛、友情、感謝、出会い、そして別れ。。。4つの話、登場人物が少しづつ絡み合い、美しく切ないストーリーを紡ぎあげていく。涙あふれる感動の一瞬の物語。
メキシコのとある村。フアンは愛らしい子供と美しい妻ナタリアとともに何不自由ない恵まれた生活を送っていた。ところが、ある夜、赤く発光する“それ”が彼の家を訪問したときから、なにげない平和な日常が歪みはじめる。ヒカリと闇が互いに戯れるがごとく交わる世界の断片は、1発の銃声によって新たな位相に導かれていく。フアンの家に現れた“それ”はいったい何だったのか?禍をもたらす「悪魔」なのか、それともどこかに彼らを導こうとする「神」だったのか…。
朝鮮時代末期。母を亡くした少女チェソンは、偶然にも耳にした【パンソリ】で唄われていた悲運なヒロインに自らの人生を重ねて感銘し、唄い手になることを決意する。当時は女性が【パンソリ】を唄うことは固く禁じられていたが、あきらめきれないチェソンは性別を偽り、大家ジェヒョのもとで修業を積む。ある日、時の権力者・興宣大院君が主催した宴に危険を冒して臨むのだが…。最後まで夢を信じる少女と、命がけで支え【パンソリ】の全てと愛について教えた師匠。そして、ふたりの運命を握る絶対的な権力者。知られざる実話が、いま美しくスクリーンに花開く―ー。
取り立ての厳しい貸金業者クレメンテがある夜帰宅すると、自宅に女の子の赤ん坊がいた。彼が関わった売春婦の誰かが母親だとうことで、母親を捜す間、隣人の女性ソフィアが赤ん坊の面倒を見ることになる。信心深いソフィアは赤ん坊が、10月に現われるという“奇跡の主”だと信じてしまう。クレメンテはソフィアや赤ん坊の存在を意識することで、自分に足りない人間らしさを意識するようになる。
ある日、警察に一人の男が現れ、こう告げる、「自分の失踪届を出したいのですが―」。交通事故に遭ったエリート弁護士のソグォンは、10年間の記憶を失い、自分が何者かも分からない状態になっていた。ある日、リハビリのため訪れた病院で、彼を見て涙を流す不思議な女性ジニョンと出会う。気になったソグォンは声をかけ、それをきっかけに打ち解けていく二人。仕事にも復帰し、いつしか彼女と新たな幸せを築いていくが、ソグォンは少しずつ記憶を取り戻していき、失われた10年のこと、そしてその原因となった事故のことを思い出していく……。
モヒカン頭がトレードマークの売れないバンドマン永吉。妊娠した恋人・由佳を連れて、故郷・戸鼻島へ結婚報告をするため7年ぶりに帰る。永吉たちを待ち構えていたのは、矢沢永吉をこよなく愛す頑固おやじ・治と筋金入りのカープ狂の母・春子、そしてたまたま帰省していた弟・浩二の3人。家族がそろったかと思えば、のらりくらりの永吉に治が怒り心頭!いつもの一家総出でド派手な親子喧嘩が始まる。なんだかんだありつつも、二人の結婚を祝う大宴会が開かれたその夜、永吉は治が倒れているのを発見。病院で受けた検査結果はガンだった――。 動揺を隠せない5人の頭に渦巻く「どうする!?」 何をするのが正しいのかわからないけれど、不器用にぶつかりあいながら、喧嘩したり笑い合って離れた時を埋めていく。
いのちは、お熱いうちに。大事なのは、今を大切に生きること。アドリア海を臨む、南イタリアの美しい街、レッチェ。カフェで働くエレナは、雨の日のバス停で、アントニオと出会う。アントニオは、偶然にも同僚シルヴィアの恋人だった。性格も生き方もまるで違うのに強く惹かれあった二人は、周囲に波乱を起こした末、その恋を成就させ結ばれる。13年後、カフェの同僚で親友のゲイ、ファビオと独立して始めたカフェが成功し、アントニオとの間に二人の子供をもうけたエレナは、公私共に多忙な日々を送っていた。しかし、あんなに愛し合ったエレナとアントニオの夫婦関係には、綻びが生じ始めていた。そんな時、叔母に付き合ってがん検診を受けたエレナは、 思いがけない結果を聞かされる…。
父母を探すためラクダにまたがり、干上がってしまった河の跡を道しるべに、ひたすら荒野をたどって行く―両親が放牧する土地を求め、より奥地の草原に移住しているため、兄のバーテルは祖父のもとで暮らし、弟アディカーは学校の寮に住んでいる。兄は弟が母親の愛情を独り占めしていると思い込み、弟は兄ばかりが目をかけられていると感じ、互いに嫉妬し合っている。夏休みが来ても父が迎えに来なかったことから、アディカーは拗ねる兄バーテルを説得して父母を探すため、2人きりの旅に出る。広大な砂漠をラクダにまたがり、干上がってしまった河の跡を道しるべに、ひたすら荒野をたどって行く―。痩せて枯れてしまった大地、見捨てられた廃村、そして崩壊した遺跡、回廊の変わりゆく風景は、光り輝いた土地が工業化のために消滅し、伝統が新しい社会へと変貌していく様をまざまざと見せつける。そして、いつしか2人の旅は、彼ら《ユグル族》としてのアイデンティティーの探求へと変わっていく…。
山あいの小さな村。唯一の医師として人々から慕われていたひとりの医師が失踪した。警察がやってきて捜査が始まるが、驚いたことに村人は、自分たちが唯一の医者として慕ってきたその男について、はっきりした素性を何一つ知らなかった。やがて経歴はおろか出身地さえ曖昧なその医師、伊野の不可解な行動が浮かびあがってくる――。
東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。事故だったのか、事件なのか。裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。