移民反対の抗議集会が活発化するローマ。イタリア人の若者エンリコもまた、不法入国者を人間以下に見る差別主義者だった。しかし、突如発生した暴動で街が混乱に陥る中、一度は死んだ者たちが次々とゾンビ化していく異様な光景を目の当たりにしたエンリコは、助けを求めて移民が住む収容所の閉ざされた扉を叩き続けた。襲い掛かるゾンビの群れから間一髪のところを救い出されたエンリコは、残り少ない食料を分け与え寝る場を提供してくれる移民たちの優しさに触れ、差別の意識が薄れていくのを感じていた。そんな矢先、遂にゾンビが屋内に侵入し最悪な事態に見舞われてしまう…。
1980年代初頭、シチリアではマフィアの全面戦争が激化していた。パレルモ派の大物トンマーゾ・ブシェッタは抗争の仲裁に失敗しブラジルに逃れるが、残された家族や仲間達はコルレオーネ派の報復によって抹殺されていった。ブラジルで逮捕されイタリアに引き渡されたブシェッタは、マフィア撲滅に執念を燃やすファルコーネ判事から捜査への協力を求められ組織の罪を告白する決意をするが、それは“血の掟”に背く行為だった…。
娘が結婚して寂しくなった映画監督のフランコ・エリカは、アレッサンドロ・マンゾーニ作の小説「いいなづけ」を原作にした新作を準備中、ふらっと訪れたシチリアで、新婚カップルを撮影している一団と出会う。撮影を<演出>していたエンツォはフランコのファンだった。招かれるままにエンツォの家に行くと、ある貴族から自分の娘ボーナの結婚式の撮影を依頼されるのだが、それは思いもかけない出会いに繋がってゆくのだった……。
イタリア、ミラノ―。会社で経理をしているアンナは、変化は少ないながらも幸せな毎日を送っていた。家に帰れば生活を共にする、気のいい夫アレッシオが待っている。アンナはそんな毎日に不満があるわけでもなく、人生に過剰な期待もしなくなっていた。ある日、偶然ドメニコという男性と出会う。体躯のしっかりとした男らしいドメニコにひとめで魅了されたアンナ。妻子ある男性とわかりつつも、その衝動を抑えることはできず、アンナは食事に誘ってしまう。自分の衝動に戸惑いを感じながらも、胸躍らせていたアンナだったが、待ち合わせの場所にドメニコは現れなかった。やはりこの関係は不実だと思い立ったアンナがレストランを出た瞬間、ドメニコが息を切らせて現れ・・・。情熱の炎は一気に燃え上がり、衝動を抑えきれなくなったふたりは、むさぼるように激しく求めあうのだが―。
政治とカネ、女性問題や失言など数々のスキャンダルで世間を騒がせたイタリアの元首相シルヴィオ・ベルルスコーニ。政敵に敗れて失脚するも、一度はトップに登りつめた怪物的な手腕で、 政権への返り咲きを虎視眈々と狙っていた。セクシー美女を招き、贅の限りを尽くしたパーティーで生気を養い、持ち前のセールストークを武器に足場を固めていくのだが、政治家生命を揺るがす大スキャンダルが勃発するのだった…。
ナチス・ドイツが略奪した芸術品の総数は約60万点にのぼり、今でも10万点が行方不明と言われる。なぜナチスは、いやヒトラーは美術品略奪に執着したのか?ピカソ、ゴッホ、ゴーギャンらの傑作に「退廃芸術」の烙印を押し、一方で純粋なアーリア人による古典主義的な作品を擁護。権力は芸術をも支配できると妄信するナチスが行った歴史上最悪の美術品強奪と破壊、そしてヒトラーの秘宝たちが辿った知られざる真実とは――?
舞台は、第二次大戦末期のスロバキア共和国。小さな村に、突如現れた異邦人。レジスタンスの英雄ジャンの同志だと名乗る男は、彼の妻や妹を誘惑し始める…。
イスタンブールで休暇を過ごし始めた教師の男は、陽気だがどこか謎めいた若い女と出会う。女との邂逅を重ねるうち、男は彼女の不可解さにみずからの妄執をかき立てられ……。
イタリア北部・ウーディネ。スターを夢見るロレンツォは、愛情深い里親に引き取られ、トリノからこの町へやって来るが、奇抜な服装で瞬く間に学校で浮いた存在に。クラスのはみ出し者だったブルーとアントニオと意気投合し、3人で友情を育んでいくが、ロレンツォのある行動がきっかけで少しずつ歯車が狂い始める――。
村の大人たちが悪魔の格好をして、子ども達を驚かせる祭りの日。4歳になるトンミは祭りを怖がって父マヌエルのそば行くが、酔っている父に邪険にされる。母リンダは精神的に薄弱なこともあり家で寝込んでいて、その後トンミは一人森の中へ入りこみ、行方知れずになってしまった・・・。事件から5年後。街の地下道で孤児の少年が保護される。少年は何もしゃべらないが、年齢、身体的特徴から行方不明だったトンミではないかと連絡を受けたマヌエル。DNA検査も合致し、事件を後悔しつづけていたマヌエルは息子だと信じるが、飼い犬が息子にだけ吠えたり、教会を気持ち悪がるなど、凶暴な態度、素行に村人たちだけでなく、リンダと祖父も少年を息子ではなく悪魔の子だと疑う。そして、恐怖を感じた村人やリンダ、祖父は態度をエスカレートさせていく・・・
セイディは、ある日元カレであるアレックスに偶然出会う。久々の再会を祝いながらも彼との情熱的なセックスを思い出さずにはいられないセイディ。そんな彼女をアレックスは人里離れた別荘に招く。出発当日、アレックスの友人フランチェスカが同行することに違和感を覚えるも、彼女のミステリアスな雰囲気に次第に魅了されていくセイディ。一方、別荘には仮面を付けた無数の男女が快楽の宴に参加するために集まっていた…
ローマ市の職員で福祉課に勤め、妻(エレナ)と二人の子供と穏やかな生活を送っていたジュリオ(40歳)。ふとしたはずみで、同僚の女性に送ったメールから、彼女との浮気がエレナの知るところとなり、夫婦仲は険悪に…。話し合いをして、子供のために、仲の良い夫婦を装うと努力することにしたが、ある日、注文を間違った50代のピザ配達員に同情したジュリオが、エレナの嫌いなアンチョビ・ピザを受け取ってしまったことで、ついにエレナが爆発!子供たちの前で大げんかをしてしまう。「もう繕うことはできない」と言うエレナ。それに対してジュリオは、「君が正しい。私が家を出る」と宣言する。思春期の娘カミラは、不器用な父親が心配でならず、部屋探しを手伝い、頻繁に連絡して、つながりを保とうとする。だが、限度を超えた借金をし、夜のバイトをしても支払いが追いつかない、ギリギリの二重生活の中で、ジュリオは疲弊し、次第に無口になっていく。それは、安定した職つき平穏に暮らして来たジュリオ本人にとっても、初めて直面する厳しい現実だった…。
会社経営者の夫ミケーレと豪邸で暮らすエルサは、1人娘のアリスが成人して手を離れ、長年の夢だったフレスコ画の学位取得を目標に研究に打ち込む日々を送っていた。ところがある日、夫が共同経営者に会社を乗っ取られてしまったことが判明。それをきっかけに、仲の良かった夫婦の関係に亀裂が生じはじめ……。
終身雇用を求めて公務員になった男がリストラの対象になってしまったことから巻き起こる騒動を描き、イタリアで大ヒットを記録したコメディドラマ。終身雇用の仕事に就いて安定した人生を送るという子どもの頃からの夢をかなえ、15年前に公務員になった独身男性ケッコ。しかし政府の方針で公務員が削減されることになり、ケッコもその対象になってしまう。それでも公務員の職にしがみつこうとするケッコをどうにか退職に追い込みたいリストラ担当者は、ケッコに僻地への異動を命じ続け、ついには北極圏へと左遷する。
カジノ計画を含む、再開発法案の成立を目論む与党の大物議員フィリッポ・マルグラーディ、通称ピッポ。その背後には裏社会を仕切る“サムライ”と呼ばれる伝説のマフィアを始め、利権にありつこうとする連中の影がうごめいていた。ある夜、ピッポが関わった「ある事件」をきっかけに、利権争いは凶悪な悪党同士の血で血を洗う殺し合いへと発展し、それはやがて、政治家、犯罪組織、売春婦、更には教会をも巻き込むほど激化するが・・・
3つの王国が君臨する世界。ある王国では、不妊に悩む女王が“母となること”を追い求め、国王の命と引き換えに美しい男の子を出産した。また、ある王国では、老婆が熱望する“若さと美貌”を不思議な力で取り戻し、妃の座に収まった。そして、もう一つの王国では、まだ見ぬ“大人の世界への憧れ”を抱く王女の結婚相手が決められようとしていた。しかし、3人の女たちの欲望の果てには、皮肉な運命の裏切りが待っていた・・・
長年の友人である3組の夫婦と1人の友人、7人が集った夕食会。ひとりの女性が提案する。「私達本当に友達かしら?お互いが信用できるなら携帯電話を見せ合わない?」スマホの着信や履歴を一番身近な人間に見せ合うという、前代未聞の危険なゲームが始まった。家庭のトラブルや愛情の飢え、仕事の悩み、変えられない自分の性格など、小さなスマホから次々と現れる裏の顔、“おとなの事情”が露呈されていく。
イタリア最南端の島、ランペドゥーサ島。12歳の少年サムエレ、海へ出る漁師、刺繍に励む老女。この島の人々はどこにでもある毎日を生きている。しかし、この島には、アフリカや中東から命がけで地中海を渡る難民・移民の玄関口というもう一つの顔があった。
大都市ローマを取り巻く大動脈「環状線GRA」。その周囲に暮らす植物学者、没落貴族、老紳士とその娘、救助隊員、ウナギ漁師、車上生活者。スポットライトを浴びることもなく懸命に生きる人々に目を留めると、その風景の中に喜び、怒り、哀しみ、そして夢が見えてくる―。
ザ・ローリング・ストーンズ、ニルヴァーナ、U2、ジョイ・ディヴィジョン、ビョーク、メタリカ…世界最高のアーティストに愛される男――ザ・ローリング・ストーンズ、U2、ジョイ・ディヴィジョン、ニルヴァーナなど世界最高のアーティストたちを撮り続けてきた最強のロック・フォトグラファー、アントン・コービン。カルチャー・シーンに大きな影響を与え続ける彼を4年に渡り完全密着したドキュメンタリー。U2、メタリカ、ルー・リード、ジョージ・クルーニーといった一流アーティストたちとの作品創りの様子など見所が満載。30年以上のキャリアで撮りためたポートレートも劇中にちりばめられ、その偉大さにあらためて圧倒される衝撃作。
セシリアは、ショコラティエを目指す、ちょっぴり勝気な女の子。念願かなって、憧れのショコラティエからレッスンを受けることになり胸を膨らませる。でも許せないのは、クラスメートのマッティアのこと!遅刻するわ、勉強しないわ・・・。そんなある日、セシリアは問題児マッティアの家庭教師に任命される・・・。甘さたっぷりの柔らかショコラづくりを通して、彼女の仕事と恋は、ゆっくり固まってゆく。
運命的に出会い結婚したジュードとミナの間に可愛い男の子が産まれる。それは幸せな人生の始まり―のはずだった。息子の育て方に神経質になってゆくミナは、息子が口にするもの、触れるものに対して敵意と恐怖心を露わにし始める。やがてその矛先は、医者や友人、更にはジュード本人にまで向けられてゆくが、彼はそんな妻の異常とも取れる愛情を、何とか理解しようとする。しかしその結果、息子の体が徐々に変調をきたし始め・・・
建築家として世界各国で活躍しキャリアを積んでいたセレーナは、ふと自分を見つめ直し「新たなステップ」を踏み出そうと故郷のローマに帰ってきた。しかし、イタリアの建築業界は男性社会で、ろくな仕事にも就けないまま貯金も底をついてしまう。そんな時、公営住宅のリフォーム案が公募されていることを知ったセレーナは、男性のフリをして応募し、自分はアシスタントだと偽ってコンペに臨む―。
いのちは、お熱いうちに。大事なのは、今を大切に生きること。アドリア海を臨む、南イタリアの美しい街、レッチェ。カフェで働くエレナは、雨の日のバス停で、アントニオと出会う。アントニオは、偶然にも同僚シルヴィアの恋人だった。性格も生き方もまるで違うのに強く惹かれあった二人は、周囲に波乱を起こした末、その恋を成就させ結ばれる。13年後、カフェの同僚で親友のゲイ、ファビオと独立して始めたカフェが成功し、アントニオとの間に二人の子供をもうけたエレナは、公私共に多忙な日々を送っていた。しかし、あんなに愛し合ったエレナとアントニオの夫婦関係には、綻びが生じ始めていた。そんな時、叔母に付き合ってがん検診を受けたエレナは、 思いがけない結果を聞かされる…。
8年の歳月をかけた最後のプロジェクト「GENESIS」。サルガドのレンズが見つめるのは、かけがえのない地球の姿。これまでサルガドは常に人間と向き合い、死、破壊、腐敗といった根源的なテーマを扱ってきた。だが、ルワンダ内戦のあまりにも悲惨な光景を前に深く傷つき、心を病んでしまう。故郷に戻ったサルガドを待っていたのは、まるで彼の心を写したかのように荒れ果てた大地だった…。長年連れ添い、いくつものプロジェクトに二人三脚で携わってきた妻レリアは、ある壮大な提案をする。それは、新しいプロジェクトの始まりだった―。 2004年から始められた「GENESIS(ジェネシス)」では今も地球上に残る未開の場所―ガラパゴス、アラスカ、サハラ砂漠、アマゾン熱帯雨林など、生と死が極限に交わる、ありのままの地球の姿がカメラにおさめられる。サルガドは言う、「GENESIS(ジェネシス)」とは地球への“ラブレター”なのだと。誰もが息をのみ、胸打たれる構図に込められたサルガドの想い。それは彼が、幾多の苦しみの果てに見い出した、希望への祈りなのだ。
ヒトラー最強兵団、解禁。第二次世界大戦末期。ドイツ軍の偵察に派遣された米兵のアダムスたちは、敵の奇襲により負傷し、逃げ場を失っていた。深い森を抜けた彼らは廃墟を見つけ、治療のため中へと足を踏み入れる。不気味な雰囲気を持つその廃墟には、人がいた形跡はあるが、物が散乱し、血まみれのベッドが無数置かれていた。すると突然、何者かが彼らに襲いかかり、兵士たちは次々と無残な死体に変わってゆく。実はこの廃墟は、ヒトラーが設置した極秘の人体実験施設で、形勢逆転を狙うナチスの最終兵器として、世にも恐ろしい「ゾンビ兵団」が開発されていたのだ・・・。
19世紀のフランス。若き軍人エルヴェは、美しいエレーヌと恋に落ち結婚する。幸せな新婚生活もつかの間、エルヴェは蚕の調達のため、遥か極東の地・日本へ旅立つことに。見たことも聞いたこともない異国の地へ、遠く険しい道のりを進んだエルヴェだったが、案内された小さな村で、取引相手の妻として仕える絹のような肌を持つ謎めいた少女に魅せられる。彼女を忘れられず、命を賭けて何度も日本へ渡るエルヴェ。そんな夫を静かに見守り、変わらぬ愛で彼の帰りを待ちわびるエレーヌ。ふたりの愛はどこに辿り着くのか・・・?エルヴェが最後の旅を終えたとき、一通の日本語の手紙が彼のもとに届くのだが・・・。
「非情の山」として畏怖の念を持たれエベレストにも増して登頂が困難な、世界第二の高峰―。1954年、イタリアでは野心家のデジオ教授が密かに最強のアルピニスト・チームを集めていた。厳しいトレーニングで中には肉体的、精神的な限界にぶつかる者もいた。だが、皆前へ進みたい。登頂したいのだ。強靭な精神力と足腰を持つ青年ボナッティはその代表格だ。最終的には12人が選ばれる。男たちが地球を半周し命知らずの登攀を始めると、それぞれの個性がぶつかり合い、結束したチームに嫉妬と不信が見え隠れし始める・・・。果たしてK2初登頂は成功するのだろうか。
福ちゃんは、かなりワケありの住人たちが集まる「福福荘」に住む塗装職人。昼間は仕事で汗を流し、夜はアパートの住人どうしのトラブルを解決、休日には近くの河原で趣味の凧あげに精を出す、そんな毎日を送っている。だれにでも親切をふりまく人気者の福ちゃんだが、恋愛には奥手で、実はかなりの女性恐怖症…。なにかと福ちゃんを気に掛ける親友のシマッチがせっかくセッティングしてくれたお見合いの場も台無しにしてしまう…。
22年間に起こった不幸な出来事によって父親を失った三姉妹。その出来事によって生まれた傷痕を心に抱えたまま成長した彼女たちは、現在それぞれの愛の問題に直面している。そんな彼女たちの母親は、ある秘密を抱えていた。
可憐な独り暮らしを営む老女アン。ショッピングモールで泣いていた少女アリスに声をかけたことがきっかけで、アリスは度々アンのアパートを訪れるようになる。実はアリスは婦人の厚意を利用していたのだが、10代少女特有の魅力にひかれたアンは彼女に母のような愛情を持ち、彼女の自慢でもある美しい蝶の標本が並ぶ「蝶の部屋」を見せるのだった。だが、アリスが別の婦人とも同様の関係を築いていることを知ってショックを受けた時、アンの心に長年封じてきたある感情が再び芽生え始める。そしてアリスの身に不幸が襲いかかる。
幻想怪奇文学の巨匠、H.P.ラヴクラフトの小説を映像化したホラー。過去の住人や宿泊客の多くが奇怪な死を遂げる“呪われた家”。ジャーナリストのアレックスは家の構造に原因があると考え、恋人のリタと共に廃墟と化した家へ調査に訪れる。