“マディ”の愛称で親しまれるマデリン・スチュアート、当時18歳。炭酸飲料とチキンラップと目玉焼きが大好物で、とても明るく社交的な彼女は、ダウン症ながらも初のプロのファッションモデルとして、世界最大規模のNYファッションウィークで華麗に、そして誰よりも自信に満ち溢れながらランウェイをウォークしていた。その裏には、涙ぐましい母ロザンヌの献身的なサポートと、世界中を駆け巡る母娘の二人三脚の険しい道のりがあった。
坂本龍一、蜷川実花、ボストン・バレエ、ジュネーブ大劇場・・・世界のトップアーティストたちとコラボレーションを実現してきたデザイナー 中里唯馬。2008年にベルギー・アントワープ王立芸術アカデミーを卒業し、2009年に「YUIMA NAKAZATO」を設立。日本人では森英恵以来の2人目となるパリ・オートクチュール・コレクションの公式ゲストデザイナーに選ばれ、継続的にパリで作品を発表している。デザイナーとして衣服に向き合ってきた中里は、「衣服の最終到達点が見たい」とアフリカ・ケニアに渡り、世界中から衣類をゴミとして押し付けられた現実を目にし、打ちのめされる。そして帰国し、中里は革新的なアイディアとチャレンジ精神で、未来へ繋がるデザインのあり方と共に、パリコレに挑む。
アパレル企業のデザイナー、イザベラは自身の創造力を発揮できる仕事で昇進を目指していた。そんな中、著名なゴッドフリー家の100周年記念祝賀会で、子孫のアグネスが着る最高級ドレスのデザインを担当することに。イザベラはゴッドフリー家の愛の物語に心酔、大役すぎると渋る上司ミアの説得に成功した。早速、アシスタントのケイリーと共にゴッドフリー家の大邸宅に向かうと、特別番組を製作する監督兼司会のブレイクと、カメラマンのカールのガイド役も成り行きで引き受けることに。交換条件としてドレスの縫製作業をブレイクが手伝うことになる。最初は合わないと思っていた2人は意気投合とし急接近するのだが…。
主人公の女性クロエは夏のヴァカンスに行くあいだ愛猫グリグリを誰に預けたらいいのか悩んでいる。ルームメイトのゲイの青年ミシェルは彼氏と別れたばかりでそれどころじゃないし、管理人はもう何匹も預かっているから無理だと言うし。そこで人づてに紹介されたのが、近所のお人好しの猫好きのおばあさんマダム・ルネ。ところが休暇から帰ってくると、グリグリは行方不明に。ルネはご近所の老婦人ネットワークにこの情報を流し、みんなおせっかい半分で熱心に協力してくれるが、手がかりはない。またルネは夜に猫を探すための護衛役にと、アラブ系の青年ジャメルを紹介してくれる。ちょっと頭は鈍いが善良なジャメルは、クロエに恋して一生懸命猫を探す。クロエのもう一つの悩みは恋人のいないこと。ミシェルの見立てでちょっと女らしいドレスで夜のバーに出かけると、今度は変な男たちに言い寄られて逃げ帰る始末。ミシェルの新しい恋人クロードが二人の所に転がり込んできたので、彼女はますます居心地が悪い。一方クロエは以前から街ですれ違って密かに好意を抱いていた青年とついに話をする。実はドラムを叩いて近所迷惑になっている張本人なのだが、恋をすればそれもカッコよく見えてくる。だが彼と寝た直後、恋人らしい女性から電話があって、がっかりして冷めてしまう。マダム・ルネが風邪で寝込んだのでお見舞いに行くと台所のオーブンの後ろで猫の声が!なんとグリグリだった。やっと猫が帰ってきて嬉しいクロエ。クロエの隣人で男ヤモメの画家、ベルカントが引っ越しをすることに。荷物運びを手伝いながら、クロエは彼がずっと自分に好意を抱き、自分の絵まで描いていたことを知る。近所のカフェでのささやかな送別会のあと、クロエとベルカントは再会の約束をしてお別れのキスをした。
2017年4月、英国ファッション協議会とVOGUEによって、その年の英国最優秀新人デザイナーに選ばれたエイミー・パウニーは、賞金の10万ポンドで《Mother of Pearl》をサステナブルなブランドへと変えることを決意する。当時ファッション業界は大量消費の真っ只中で、サステナビリティはニッチなトピックだった。原材料から製造過程まで、すべてにおいてサステナブルなコレクションは、「No Frills(飾りは要らない)」と名づけられる。コレクションの発表は、2018年9月のロンドン・ファッション・ウィーク。準備期間はわずか18ヶ月!理想の原材料を求めて、ヨーロッパの裏側、ウルグアイ行き着いたエイミーと商品担当のクロエ。そこで、理想的な環境の羊毛業者に出会う。責任者のペドロの人柄と誠実さにすっかり魅了された二人は、ペドロの羊毛を扱う紡績工場探しに奔走する!やっとペルーの会社が見つかり、デザインを始めるエイミー。しかし、発表まであと3ヶ月のところで、ペルーの会社が降りるという連絡が入る。クロエは必死に引き留めるが……果たして、無事にコレクションは発表できるのか?
パリ・オペラ座バレエ団で、エトワールをめざす主人公のエリーズ。幼少期からバレエ一筋の日々を送ってきた彼女だったが、夢の実現を目前に恋人の裏切りから心乱れ、本番中に足首を負傷。医師から踊れなくなる可能性を告げられる。踊ることを半ば諦め、新しい生き方を模索する失意のエリーズだったが、そんななか料理のアシスタント係の仕事で訪れたブルターニュで、今を時めく注目のダンスカンパニーと出会う。これまでのバレエとは違う、独創的なコンテンポラリーダンスが生み出される過程を目撃し、やがて誘われるまま練習に参加したエリーズは、未知なるダンスを踊る喜びと新たな自分を発見していくのだった。
生まれは大阪。名は哲矢(森田哲矢)。職業お笑い芸人。大阪での単独ライブの合間に立ち寄った店は古着好き、アメカジ好きにとって夢のような場所だった。物欲で悶絶する哲矢。ふと手にした極上レアなスウェットをきっかけに店員のナナ(花梨)と急接近!?そこにナナの叔父である六(ロク:光石研)がやってきて哲矢と古着を奪い合い、果てはナナを挟んで珍妙なつばぜり合いまで!古着と恋、そしてお笑い。芸人・哲矢はそれぞれにどんな恋文を送ったのだろうか。
人は忘れる生き物である。そしてまた、人は忘れない生き物でもある。1995年1月 阪神淡路大震災。神戸市兵庫区は甚大な被害を受けた地区の一つだ。あれから20年、いまだ震災前の人口は戻らず、高齢化はさらに進んだ。「一面の焼け野原、震災は戦災と同じやった」そう語る人もいる。彼らは過去を生きているのではない。今ここを生きている。嘆くのでも恨むのでもない。ささやかなハレとケ。淡々と自らの命を紡ぐ日々。かれらの経験から学ぶことは今しか出来ない。いや、もう十分に遅すぎる。“大きな出来事”を体験した“小さな人たち”は、上から大声で叫ぶのではない。私たちと同じ目の高さから自分にも言い聞かせるように、小さな声で語りかける。一つ一つは何処にでもある取るに足らない出来事かもしれない。しかし、かけがえのない“小さな言葉”は“遠くまで”届く。死者に、未来に届く。そして、静かに強く長く残る。阪神淡路大震災10年目を契機に始まった兵庫モダンシニアファッションショー。12月の本番まで8ヶ月間に亘り、ショーに関わる人々の姿を追った。歳月とは?忘れるとは?変わるとは?日常とは?ハレの日とは?装うとは?そして人が人と生きるとは?正しい答なんて何処にもないのかもしれない。それでも人々は生きる。淡々と、限られた生を、死者たちに与えられた生を。
大手アパレルに勤務するスカイは、流行やコストに左右されず、着る人のために服を作りたいデザイナー。そんな思いが裏目に出て、経費削減が第一のオーナーにクビを言い渡されてしまう。おまけに交際5年の恋人パトリックには、自分のキャリアが納得できるまで婚約はできないと言い放たれ落胆。だが、もともと自分のブランドを立ち上げるのが夢だったスカイは心機一転、自分の服の売り込みに奔走していた。そんな最中に出会った起業家のジェイソンから、フードトラックを利用した移動販売を提案され、ジェイソンと組むことを決意したスカイは、公園で移動ブティックを始めるのだが…。
ココ・シャネルの生涯を描いた2019年制作ドキュメンタリー。評伝や映画などで語られた虚実ないまぜの物語や、70歳にして劇的な復活を遂げるまでの空白期間についてシャネル本人、コクトーやサガン、シャネルの下で働いた職人などのインタビューをはじめ、公文書や当時の貴重なニュース映像から、シャネルの生涯と実像に迫る。没後50年、そしてNo.5誕生100年記念作品。ナレーションは俳優ランベール・ウィルソン。
クリスチャン・ディオールのオートクチュール部門のアトリエ責任者エステル。孤高のお針子である彼女は、デザイナーたちのスケッチ画を元に服飾を製作する仕事に人生のすべてを捧げてきたが、次回のコレクションを最後に引退が決まっていた。そんなある朝、エステルは通勤中の地下鉄通路でハンドバッグをひったくられてしまう。バッグの中には家宝のネックレスとスケッチ画が入っていたのだが…。
ギリシャ・ミコノス島。ファストファッション・ブランド経営で財を成したリチャード・マクリディの還暦を祝うため、妻サマンサ、息子フィン、母マーガレットを始め一族が集結し、パーティーの準備が進められていく。折しもイギリス当局から脱税疑惑や縫製工場の労働問題を追及されたリチャードは、ド派手にショーアップされたこのイベントでかつての威光を取り戻そうと目論む。しかし湯水のように金を使い、傲慢に振る舞うリチャードと、家族や部下、伝記作家との間には不協和音が生じる…
1990年代、アルジェリア。ファッションデザインに夢中な大学生のネジュマはナイトクラブで自作のドレスを販売している。夢は、世界中の女性の服を作るデザイナーになること。だが過激派のイスラム主義勢力の台頭によりテロが頻発する首都アルジェでは、ヒジャブ着用を強制するポスターがいたるところに貼られるように。従うことを拒むネジュマはある出来事をきっかけに、命がけでファッションショーを行うことを決意する。
挑発的でコンセプチュアルな作品群を発表するマルジェラ自身はどんな人物だったのか。初のドキュメンタリーとなる本作では、彼と共に一時代を築いたメイレンスやクリエイティブチームの「私たち」が激動の20年間と、謎に包まれたままファッション業界を去った異端児について初めて語り出す。公にされた写真は存在せず、インタビューは書面のみで行い、「I=私」ではなく「We=私たち」で答えたマルジェラ。オランダ出身のドキュメンタリー作家、メンナ・ラウラ・メイール監督は「私たち」が封印してきたモードの舞台裏と狂乱の歴史に鋭く食い込み、数々の貴重なアーカイブと証言を掘り起こした。そして浮き彫りになったのは、傷ついた天才と空中分解していくチームの葛藤の日々だった。「私たち」がタグの代わりにした白い布に込めた意味とは?ファッション業界注目の傑作ドキュメンタリー!
なぜ、“作家”ローラ・アルバートは10年もの間、J.T.リロイに物語を語らせたのか。世界を驚かせた事件の真実を、彼女自身の言葉とガス・ヴァン・サント、トム・ウェイツ、コートニー・ラブ、ビリー・コーガンら、セレブたちとの通話音声によって解剖する。
20世紀で最も偉大なパフォーマーとして知られるフレディー・マーキュリーはアートと音楽の垣根を超え、自身のバンドクイーンを国際的なスターダムへと導いた。彼の無限のボーカルパワーとパフォーマンスは、世界中の観客たちに衝撃を与え、驚かせたが、スポットライトの外では、彼は信じられないほどにプライベートな存在だった。本作では、ここでしか見られないインタビューやフッテージを通じて、フレディ・マーキュリーのストーリーと、ザンジバル島からきたシャイな少年がいかにして現代で最も伝説的な存在になったのかを明らかにする。映画のタイトルにもなった名曲「ボヘミアン・ラプソディ」をはじめとする圧巻のライブパフォーマンス。クイーン全盛期のメンバーの証言に加え、友人や元パブリシスト、ジャケットアルバムを撮影したカメラマンなど、彼らをよく知る周辺人物が語る貴重な逸話の数々。クイーンとフレディを知るために欠かせない、珠玉のライブ&ドキュンメンタリーだ。
『旅するダンボール』は、そんな島津がある日徳之島産のジャガイモの段ボールを見つけ、その源流を辿って行く旅の途中で出会う、この段ボールと深く、浅く、近く、遠く、関わった人たちとの温かい交わりを3年間にわたり追ったドキュメンタリー映画。東京で偶然に見つけたかわいらしいポテトのキャラクターの段ボールがきっかけで、島津と段ボールのつながりは、日本を飛び出し、世界へと広がっていきます。
エクス=アン=プロヴァンスで出会い、幼い頃から夢を語り合ったセザンヌとゾラ。やがてゾラはパリに出て、新聞の評を書きながら小説家として成功を収める。一方、セザンヌも画家を目指してパリで絵を描き始め、サロンに挑むが落選続き。栄光を手にしたゾラと、心を閉ざしていくセザンヌ。そして、ゾラの別荘で久しぶりに再会したふたりは、「ある画家」をモデルにしたゾラの新作を巡って口論となる…
快活な話術でニューヨークの街ゆくファッショニスタたちに声をかけシャッターを切るファッション・フォトグラファーのマーク(52歳)。元モデルのハンサムでチャーミングなルックス。だが華やかなパーティー会場を後に向かった寝床はとあるアパートメントの「屋上」だった。荷物はスポーツ・ジムのロッカー4つ分。身だしなみはジムのシャワールームや公園のトイレで整える。世界一スタイリッシュなホームレスのニューヨークで家を持たずに暮らす方法とは?
王室の衣服を作る部署、尚衣院<サンイウォン>を取り仕切るドルソクはその功績が認められ、両班となることが約束されていた。ある日、王の衣服を誤って燃やしてしまった王妃は巷で天才仕立師として話題を集めていたゴンジンの存在を知り、王宮入りを命じる。王妃の美しさに心奪われたゴンジンは革新的な美的センスと才能を発揮させ、たちまち王宮で活躍するようになる。一方、ドルソクは次第にゴンジンに危機感を抱くようになる…
読書好きのコンスタンス(ミュウ・ミュウ)は、いつも『読書する女』という本を読んでる。そしていつしか本のなかの主人公マリー(ミュウ・ミュウ=二役)に同化して物語はすすんでいく。マリーは大の読書好き。自分の美声を生かし、出張朗読を職業にしようと思い立つ。新聞広告を出したマリーの許に依頼してきたのは、一癖も二癖もある人間ばかり。半身不随のまま思春期を迎えつつあるエリックという青年にはモーパッサンの官能的な小説を読んであげたり、トルストイの『戦争と平和』が好きな自称100歳というデュメニル将軍の未亡人と彼女の女中で一風変わった女性ベラの引き起こす騒動に巻き込まれたり。離婚歴のある中年社長のために、マリーはデュラスの『愛人』を読んでやるが、どうやら彼の目的は彼女の肉体にあるらしく・・・。
やりたい事もなりたい夢もないギアン高校の“パシリ” ウ・ギミョン。そんな彼の唯一の理解者はクラスメイトのウンジンだけ。そんな彼が偶然にも伝説のファッション王ナムジョンと出会うことで初めてファッションの魅力に目覚めていく。高校のマドンナ、ヘジンをはじめ、次第に皆に注目されることになるギミョン。しかし、すべてが完ぺきな高校のプリンス、ウォノは存在感を広めていくギミョンを気に障るようになるのだが…。