母と祖母を立て続けに亡くし、末弟のイアンも行方不明になったリニ。それまで住んでいた一軒家を後にし、父親とふたりの弟と共にジャカルタ北部の高層アパートに4年前に越して来た。一方、数年に渡り2,000人が犠牲となっている前代未聞の連続殺人事件が世間を賑わせていた。そして、慎ましく暮らしていたリニたちの周囲を、度重なる不幸が襲い始める。アパートのエレベーターが落下し、多くの住人が命を落とし、父親も重傷を負う。さらに、死者の埋葬もままならないまま、局地的な大嵐が襲い下層階が浸水。停電も併発し完全に孤立してしまう。リニたち住人は、暗闇を纏った寒々しいアパートで、多数の遺体と一夜を過ごさなければならなかった―。
ケンカに明け暮れる青年アジョ・カウィルは、クールで美しく、男顔負けの強さを持つ女ボディガードのイトゥンとの決闘に身を投じ、情熱的な恋に落ちる。アジョは勃起不全のコンプレックスを抱えていたが、イトゥンの一途な愛に救われ、2人は結ばれる。しかしアジョから勃起不全の原因となった秘密を打ち明けられたイトゥンは、愛する夫のために復讐を企てるが、そのせいで取り返しのつかない悲劇的な事態を招いてしまう。そして暴力と憎しみの連鎖にのみ込まれた彼らの前に、ジェリタという正体不明の“復讐の女神”が舞い降りる…
1960年代の帰還事業で日本から北朝鮮に移民した家族の物語。平壌で幸せに暮らすパク一家は、父の失踪後、家族全員が突如悪名高き政治犯強制収容所に送還されてしまう。過酷な生存競争の中、主人公ヨハンは次第に純粋で優しい心を失い、他人を欺く一方、母と妹は人間性を失わずに生きようとする。そんなある日、愛する家族を失うことがきっかけとなり、ヨハンは絶望の淵で「生きる」意味を考え始める。やがてヨハンの戦いは他の者を巻き込み、収容所内で小さな革命の狼煙が上がる。
紛争が続く貧しい地域に住むサンチャカは、突然の父の死、母の失踪で孤独の身となってしまう。厳しい生活を送りながらも、自分の身の安全を考えて生き抜いてきた。大人になったサンチャカは警備員となるが、昔から恐れていた雷が、彼にとって特別な力を生みだしていた事に気づく。一方、幼い時に廃墟で捨てられ、悪評高い児童養護施設に入れられたペンコールは、仲間の孤児たちを暗殺者に仕立て上げ、マフィアのボスとなっていた。街の状況が悪化し、国中に不正が蔓延する中、特別な力を身に付けたサンチャカは、虐げられている人々のヒーローになるために立ち上がる決断をしなければならなかった。
2016年1月14日、インドネシアの首都ジャカルタ。警察特殊部隊の一員であるアルディはいつものように娘を学校へ送り、平穏な一日を迎えようとしていた。そんな矢先、市街地で突如、連続爆破テロが発生。客で賑わうカフェや、市民を見守る交番が標的となり、数多くの犠牲者が。事件勃発後、すぐさま警察本部も動き出し、司令を受けたアルディ率いる特殊部隊が現場に急行するが、テロリストたちが無差別に銃を乱射し、逃げ惑う人々で街は大パニック、まさに地獄絵図と化していた。壮絶な銃撃戦、上空を旋回するヘリ、実行犯が立て籠る高層ビルへの突入!果たして奴らの目的は!?特殊部隊によりテロリスト制圧作戦の幕が切って落とされた!!
内乱が起こり大混乱となったインドネシア。長きにわたった紛争は2026年、過激派が一掃され終結、国は平和を取り戻したかに見えた。そして十年後。人権が第一に尊ばれ、警察すら実弾を使うことを禁止された国家では、己を守るため格闘技を身に着けることが奨励されていた。対テロ特殊部隊のエースであるアリフ、真実を追求するジャーナリストのラム、神に奉仕し静かに平和を祈念するミン。かつてともに同じ道場で最強の格闘技“シラット”を学んだ三人の男たちは、裏社会でテロリストやマフィアが暗躍する今、それぞれの立場で対峙することとなるー。
忠誠と裏切り、陰謀、そして復讐。真の武術者のみに託される黄金杖を巡る闘いが幕をあけるー武術の権威である老師チェンパカは、若い4人の弟子の中から少女ダラを後継者に選び、黄金の杖を授け奥義を伝授すると約束する。しかし、それを不満とした兄弟子2人の裏切りにより、チェンパカは殺され黄金杖は奪われてしまう。復讐を誓うダラともう一番下の弟子アンビンの前に、一人の男が現れる。
虐殺で兄が殺害された後、その弟として誕生した青年アディ。彼の母は、加害者たちが今も権力者として同じ村に暮らしているため、アディに多くを語らずにいた。アディはジョシュア・オッペンハイマー監督が撮影した、加害者たちへのインタビュー映像を目にし、彼らが兄を殺した様子を誇らしげに語るさまに、強い衝撃を受ける。「殺された兄や、今も怯えながら暮らす母のため、彼らに罪を認めさせたい―――」アディは監督に、自ら加害者のもとを訪れることを提案。しかし、今も権力者である加害者たちに、被害者家族が正面から対峙することはあまりに危険だ。眼鏡技師として働くアディは、加害者たちに「無料の視力検査」を行いながら、徐々にその罪に迫ってゆく。
青年ラキブの父は刑務所に、兄は海外に出稼ぎに出ている。彼は、インドネシアの田舎町で何世紀にもわたり一族で仕えてきた、退役した将軍フルナが所有する空き屋敷で、たった一人の使用人として働くことになる。フルナはラキプに対して立場を超えたように親身に接し、父親代わりの存在となりつつあった。ラキブ自身もフルナのアシスタントとして、仕事と生活の中で天職を見出す。そして、地元の首長選挙に立候補した将軍の選挙キャンペーンが始まり、二人の運命も大きく動き出す。
6200万年前、宇宙を飛来していた物体は太陽系を突き進み月面へ。時は流れて現代、月面で驚異的な可能性を持つ新種の燃料が発見された。地球へと持ち帰る計画が立てられるが、その極秘情報が入った衛星がアンデス山脈に墜落してしまう。一方、中東某所に、戦闘機が飛び交う荒野に一人の男の姿があった。過激派リーダーに会うため、シリアへと向かう彼の前に謎の女が現れて…。
夫と子どもを亡くし、荒野の一軒家で暮らす天涯孤独のマルリナ。突然、彼女のすべてを奪おうとする7人の強盗団に襲われた。暴行を受けながらも、次々と強盗団を倒し、首領マルクスの首を刎ねて窮地から脱出。自らの正当防衛を証明するため、たった一人で、警察署へと向かう。だが、強盗団の残党達はマルクスの復讐を誓って、彼女の跡を追い始めていた…。
必ず戻って来ると約束して娘を残し戦地に赴いた父。戦争が終わり、娘の元へと帰って来た父親であったが、戻ってきたのは彼の魂だけだった。娘と二度と会えぬ現実に気が付く父親の前に蝶が羽ばたいた時、会えるはずのない親子に奇跡が訪れる。
チェリストのアイカとピアニストのタカヤ。音楽家で恋人同士の二人は、「いつか二人の音楽で、世界中の人々を感動させたい……」と、夢を追いかけていた。アルバイトをしながら曲作りに没頭するタカヤと、彼を見守るアイカ。しかし、「エンジェルサイン」というチェロとピアノの二重奏曲を作り上げた直後、タカヤは帰らぬ人となってしまう。アイカが、チェロのみで演奏する「エンジェルサイン」。やがて、その曲は世界に広まっていき……。
孤独な凄腕ヒットマンのライアンは今では足を洗い、安住の地を求めジャカルタの小島に現れた。そこで一人の少年とその母親と懇意になり、人生で初めての安らぎを感じ始める。ある日、島民の金品を奪い少女を売買する非道な海賊団のトラックに少年が轢かれ瀕死の重傷を負う。ライアンは怒りにかられ海賊を惨殺するが、手下を殺されたことを知ったライアンの宿敵でジャカルタを牛耳るマフィアのリーは、腕利きの殺し屋を集め、ライアン抹殺を命じる。リーは幼いころ両親をライアンに殺され、生涯をかけてライアンへの復讐を誓っていた。一方、ライアンはかつて所属していた暗殺者ネットワークを駆使し援護を募り、リーとの最後の決戦に挑むのであった…。
亡くなった父親の借金を返すために奔走していたジョディは、コーヒーの知識に長けた相棒ベンとともにコーヒーショップ「フィロソフィ・コピ」をオープンさせる。ジョディはどうにか店を繁盛させようと様々な提案を出すも「うまいコーヒーだけ出せばいい」と聞く耳を持たないベン。さらには採算を考えず高価なコーヒー豆ばかり仕入ようとする…。 そんなある日、とあるビジネスマンから「商談相手に最高のコーヒーをふるまう。成功すれば謝礼を1億ルピア払う」と持ちかけられる。破格の条件にも関わらずベンは、シビアな条件を自身に掛け、謝礼を10倍に引き上げる。無謀な提案に肝を冷やすジョディだが、仲間たちと協力し最高のコーヒー作りを始める。ベンはコーヒー全書を買い、完璧な手順でコーヒーを作り上げる。しかし、全書の著者の娘エルに「悪くないが先々週飲んだティウスには負ける」と厳しく突き放される。ジョディとベンはエルの紹介でコーヒー農園を訪れティウスの秘密を知るとともに、再度コーヒー作りとは何かに向き合う中で、それぞれの父親との関係を見つめ直す。
ネットの向こうから突然届いた招待状、それが悪夢の始まりだった・・・。19歳のファラはフェイスブックに夢中で、常にアップデートを怠らない。ある日ファラと彼女の友人たちは、見知らぬ女性ミラから友達にならないかとリクエストを受け取る。面白がってリクエストを受けた友人たちが突然、次々と命を落とし始め、無視したファラだけが取り残されていく。彼女のまわりで何が起こっているのだろうか?ミラが友人たちの死を招いているのだろうか?恐怖に震えながらもファラはその謎を探り始める・・・。