砂山一男は35歳の会社員。後輩から慕われる人柄と、同僚から妬まれるほどの優秀な才能を持つ営業マンである。家庭では典型的な「良きパパ」として、妻と3歳になる愛娘と共に平穏に暮らしている。そんな彼の唯一の趣味は「パチンコ」。今日もパチンコに勝利し、家族サービスをする砂山。しかし、のめり込むあまりに仕事が危うくなることもある。負けた日はつい、娘に八つ当たりする大人げのなさ。連敗が続くようになり、リベンジを果たすべく消費者金融に足を踏み入れる砂山。その時、身辺崩壊の序曲は鳴り始めた…。
旅打ちの女スロッター北原冴子はかつて、任侠の世界で激しい代打ち戦を繰り広げてきた裏スロッターでもある。ある事件をきっかけに、きっぱり足を洗った冴子だったが、当時付きあっていた、同じ代打ちの光一のことが忘れられないでいた。あるスロット店の店主との出会いから、土地の権利を掛けたスロット勝負をすることになった、冴子。しかし、敵として現れたのはかつての恋人光一だったのである。