フラワーショップを営むかなえは、従業員の大谷に由希子という彼女がいることを知りつつ関係を続けていた。仕事もプライベートも、大谷なしではいられない。独りになるのが恐い。そんなある日、かなえの部屋に見知らぬ女性が現われる。ついに話に聞く大谷の恋人・由希子に2人の関係が発覚したのかと覚悟するかなえだったが、その女性はかなえにしか見えない。その幻影は、かなえの妄想なのか、由希子の生霊なのか・・・。
背中を覆う一面の鳳凰、胸元へと続く羽根。 藤堂葉月(井村空美)は、姉の陽花(さとう珠緒)とダンスパートナーの月岡亮介(勝野洋輔)の練習風景を見つめていた。陽花は競技会で優勝するほどの腕前。一方の葉月はまだ大学生で、姉の才能に引け目を感じていた。華やかで外向的な陽花に対して、葉月はおとなしく内向的な性格。そして葉月には、銀座の画廊倶楽部から送られてくるクリムトの絵のポストカードと吊るし人形を部屋じゅうに飾る不思議な趣味があった・・・。そんな葉月ではあったが、ふとしたことがきっかで、公私共に姉のパートナーである亮介と急接近する。すぐにそれに勘づいた陽花は、葉月に激しく嫉妬するのだった。亮介からは、ペア解消を申し出され、絶望した陽花は夜、雨の中をさまよい出る。そこに現れたのは、「最高に美しい肌、そこに魂を彫りつける。それができたら、死んでもいい。」と言う男、刺青の彫師・桐悟(鈴木一真)だった・・・。ある日のこと、陽花は葉月に届け物を頼む。用意されたクルマで葉月が向かったのは、桐悟の家。真っ赤に染まった匂い月の夜、桐悟は葉月の背に“鳳凰”の刺青を彫り始めるが・・・。
雑誌編集部員の真由美(井上美琴)は、日本画展の取材にて、一人の女性が見入っていた絵に引きつけられる。その絵は『魚濫観巫音(ぎょらんかんぜのん)』といい、見ていた女性は純子(伊藤裕子)という刺青の彫師だった。観音を描いたその絵に魅せられた純子は、「いま一番彫りたい絵だ」と真由美に告げたのだった・・・。ある日、真由美は不倫相手に暴力を振るわれたところを、平田タケシ(波岡一喜)というチンピラに助けられる。偶然にも、彼の背中には純子の彫った伐折羅(ばさら)の刺青があり、不思議な縁に運命を感じた2人は愛を育んでいくが、幸せな時間は長くは続かない・・・。組同士の抗争で、己の信念を貫いて命を失ってしまったタケシ。最愛の人の魂を刻みたい、と真由美は純子に「彫ってくれ」と頼む。純子は真由美の肌に『魚濫観巫音』を彫り始める。苦悶と愉悦の狭間で、純子の声が響く。「鯉に騎(の)る観音は、慈悲心を司る仏、愛に生きる女」。タケシの名を呼びながら、身悶える真由美。“刺青”は彼女を、そして人生を大きく変えるのだった・・・。
妻子ある男性との不倫に破れ、出会い系サイトにサクラをしている女・アサミ。妻子と別居して、今日を生きるために自己啓発セミナーの勧誘をしている男、二ノ宮。救いを求める2人は、偶然にであった。
来栖精像は、今は亡き伝説の彫り物師・彫精を超えることを目指し、また彫精の芸術作品とも言える刺青を後世に残したいと考えていた。そんなある日、精像にとって最高のカンバス・背中を持つ雨宮美妙と出会う。美妙は大学院で錦絵の研究に携わり、その色彩感覚は天性のものを持ち合わせていた。精像は美妙を誘拐監禁して刺青を彫らせるよう迫る。しかし、錦絵の魅力と刺青の持つ魔性に吸い込まれたように、美妙は逆に最高の刺青を精像に彫ることを要求する。彫精を超える芸術的な刺青を残そうと、精像の持つ針が美妙の背中を繊細に踊る。そして遂に、背中を抱きしめるような、見事な八重垣姫の刺青が美妙に彫られた。その見事な八重垣姫は2人の間に張り詰めた空気の流れをわずかながらせあるが変えてしまったのだ。それは強い者(監禁した精像:彫った精像)、弱い者(監禁された美妙:彫られた美妙)の立場を逆転させると同時に、2人にとって決して逃れることの出来ない運命と対峙させてしまう。その運命とは・・・。美妙と精像の絵と色彩における才能に関する謎が、いま解き明かされようとする。
周一郎が他界して5年、文緒(喜多嶋舞)は再び西湘に地にやって来た。カルチャーセンターの生花講座の講師として、急遽招かれたのだ。文緒は周一郎(中村方隆)の仏壇に線香をあげるために吉岡邸を訪れると、康隆(芦田昌太郎)は不意の来訪者に動揺を隠せない。かつて淡い想いを寄せたひと、そのひとと仁志(小林宏史)との逢引を目撃した衝撃が蘇ってくる。康隆は大学院に進み、学友のみどり(橘実里)と2人で論文をまとめ上げるため、日夜机を向かい合わせていた。そんな2人の心は既に学友からお互いを異性として知らず知らずのうちに意識していた。それにも関わらず、文緒の存在は康隆の心境に微妙な変化を与える。そんな折、文緒は康隆に周一郎の未発表遺稿「月下美人」を読ませる。そこには周一郎が脳梗塞で倒れる寸前からの、文緒と周一郎の愛の日々が綴られていた。なぜ文緒は康隆にそれを読ませたのか。その真意とは・・・。
30歳の文緒(喜多嶋舞)は65歳になる夫の周一郎(中村方隆)との夫婦生活を西湘の邸宅で過ごしていた。周一郎は数々の名作を生み出してきた文豪で、文緒の耳には「莫大な遺産目当て」と揶揄した言葉も入ってくる。しかし、文緒の心にあるのは周一郎の一途な愛だけ。文緒はまさに現代の日本女性が失っていたゆかしさを備えた女性であった。しかし、周一郎が脳梗塞で倒れて下半身が不随になったときから、周一郎に捧げてきた身も、心も、徐々に微妙な変化を遂げていく。作家志望の青年、仁志(小林宏史)。周一郎の孫、康隆(芦田昌太郎)の存在。そして、30歳の若さで不能の夫を持つことになった文緒を哀れむ周一郎。3人の男性の思惑が、文緒の火照った心を、身体を、更に熱いものへとしていく。やがて、文緒の身体が開かれるときがやってくる・・・、一夜限りの大輪を咲かせる月下美人のように・・・。
浩介は過去に最愛の妻を失い、女性との新たな出会いに踏み込めないでいる。会社での仕事も身が入らなくなっていた。亡き妻と一緒によく見ていたお気に入りの映画「マイエンジェル」のDVDを一人寂しく見ている浩介。何度も観た映画。だが今日は何かが違った。画面の中のヒロインと目が合ったような気がする。気のせいかと思い画面を見つめているとまた目が合った。そしてそのヒロインが自分に向って歩いてきたかと思うと画面から飛び出してきた。あっけにとられる浩介。彼女はいつも一人で寂しそうに映画を観ている浩介のことが気になって映画の中から出て来たと言うが・・・・・・。
絵美子は夫・正雄の浮気現場を目撃してしまうが、夫を問い詰めることも出来ず日々鬱積した気持ちで暮らしていた。夫との仲も不仲になる一方。またそんな両親の状況を知ってか21歳になる娘の初穂も両親に反抗し、朝帰りを繰り返すようになっていた。娘の部屋で男性からの高価な誕生日プレゼントを目撃し、娘には高価すぎるから返却しようとその男性の経営するバーを訪れる絵美子。だが目の前に現れた男・朔哉(さくや)は思っていたのと違い屈託のない好感の持てる男だった。絵美子の話を軽くあしらい、また店に来てくださいと言われると悪い気にはなれない絵美子だった。家に帰ると夫や娘の事で頭を悩ます絵美子だったが、買い物の帰り、ふと気がつくと朔哉のいるバーの前に・・・。自分の気持ちの底を見たような気がしてその場を後にしようとする絵美子だったが、表にいた朔哉に呼び止められ、折から振ってきた雨のせいもあって店で雨宿りさせてもらうことになった。そして過ちの出来事は始まろうとしていた・・・。
麻由美は過去に見ず知らずの男にレイプされた。弁護士の夫は、力にはなってくれない。それ以来人間不信になり、家を出て誰とも交流を持たず、工事現場のガードマンのバイトをしながら日々を過ごしていた。優秀で大好きな兄といつも比較される少年・啓輔は、家を飛び出す。公園で物乞いのように食べ物をねだる啓輔を、仕方なく面倒みる麻由美。屈託の無い啓輔に麻由美も次第に心を開くようになる。そんな時、やっと探しあてたと夫がやって来たが…。
なんとなくワケあり気で、なんとなくヤバイ奴らが織り成す!!耽美と官能と衝撃の乱歩ワールド、ストイックでエロティックな愛の世界が花開く。美貌の人気作家今野佳子の担当となった倉田真理の仕事は、佳子に新作を書かせることであった。若くして華々しいデビューした佳子は、ここ数年新作どころかエッセイすらかいていない。真理が勤める出版社の新人賞に応募したことが佳子のデビューのきっかけで、作家志望だった真理はその賞に応募した過去があり、彼女にとって佳子はまさに憧れの存在であった。佳子は大御所作家の大河内俊作の弟子をしていた。弟子といっても実は、大河内の変態プレイの相手をしているだけだったという…。変わり者の大河内に耐えられなくなり、担当編集者まで失踪してしまうくらいであった。そして、出版社の屋台骨であった大河内自身までもが突然失踪してしまい、文芸誌の連載の穴を埋めるべく、美人の佳子を小原が抜擢したのだという。小原の狙いはまんまと当たり、若手の美貌作家として大河内以上の人気を得るようになったのだった。佳子の才能を昔から知るその先輩は、佳子にゴーストライターが付いているのではと疑問を抱いていた…。そして、真理は佳子の家に通うようになり、一人暮しの佳子の家で、佳子と自分以外の人間がいるのではないかと感じ始める…。
『おっぱいとお月さま』などで知られるスペインの巨匠、ビガス・ルナ監督がスペインの片田舎を舞台に描く6人の男女の愛憎渦巻く官能ドラマ。ハリウッド進出前のペネロペ・クルスが主演し、アンナ・ガリエナ、ハビエル・バルデムら豪華キャストが共演。
美しい人妻と大学生の青年、嫉妬深い警察官の夫が織りなす三角関係の行方を描いた官能サスペンス。車の運転中にパニックに陥ったリサは、近所に住む友人の息子・サムに助けられる。帰り道をドライブしながら話すふたりは、次第に熱いものを感じ始め…。