「未来のことはわかんないからさ、とりあえず良いことが起こることにしとこう。」舞台は2020年11月17日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった20代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。引っ越しの整理もままならない二人だが、都会から離れた町に住む真紀子(柳ゆり菜)の自宅で友人たちがお祝いパーティーを開いてくれることになり、稲田(中島歩)や圭吾(篠田諒)、そして真紀子の知り合いのインフルエンサーちひろ(めがね)らが集まる。しかし、自分の意見に合わせるばかりで、本音を話さない夫に不安を募らせていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が漂ってしまう。同じ空の下、様々な人物がやり切れない想いを抱えて毎日を過ごしている。急増するデリバリー案件に答えながら出演舞台が中止になる日々を送る30代の若手俳優の片岡(アベラヒデノブ)、帰省できず里帰り出産のわが子を抱くこともできない40代のタクシードライバーの淡路(高橋努)、そして、学校イベントのほとんどが中止となり、長年の恋心さえも伝えられずにいる中学3年生の光輝(山時聡真)と鈴(佐々木悠華)。
幼い頃に両親を亡くし、育ててくれた祖父をも失った波(清水尋也)は、祖父のある言葉だけを胸にしまい世界から心を閉ざしていた。しかし、志村(門下秀太郎)と長岡(田中偉登)と出会い、次第に心を通わしていく。高校最後の思い出に、三人はヒッチハイクで北を目指す旅に出て、忘れがたい時を過ごす。そんな中、波が忽然と姿を消してしまい、歯車が大きく狂い出す。あれから4年の月日が経とうとしていた……。波は何故、そして一体どこへ?それぞれがもがき苦しんだ果てに、掴んだ景色とは……?
高校時代に水泳部として共に切磋琢磨し合い、25歳となった坂井学、福井利明、辻岡光司、倉持綾、山下ゆかりの5人。7年ぶりに再会した彼らであったが、高校時代に親の事情で三浦の街を離れざるを得なかったゆかりをめぐり、学と福井は感情を露わにし言い争いになる。夢、恋愛、運命に翻弄されながら大人になった彼らは、何を選択し、それぞれの人生をどう生きていくのか。