ハンプトンの豪邸に住む専業主婦のクララは、子育てのためにキャリアを捨て、今ではすっかり家庭に収まっていた。だが、夫のリチャードは仕事と称して浮気をする不実な男で、堪忍袋の緒が切れたクララは、子供を車に乗せ家を出ようとしていた。するとその時、薄汚れたピックアップカーと鉢合わせ。その運転手はリチャードの弟デビッドだった。無職の彼は、「自立できるまで家に置いてほしい」と嘆願し、リチャードとの折り合いは悪いながらも、クララや子供たちと仲良くなっていった。一方、仕事で大口の投資相手をつかもうとしていたリチャードは、投資相手との大事な会議前に愛人と密会。しかし、些細なことから愛人を怒らせた彼は服を汚されてしまい、約束の時間に行けなくなるピンチに陥っていた。
アルメニア出身のマフィア、バズ。政治家もその力に頼るほど、彼は街の権力者としてのし上がった実力者だ。その一方で、道義と敬意を重んじ、家族を守る男だった。だが、ロシア系やアジア系、アラブ系にイタリア系など、さまざまな人種のマフィアの力が拮抗する中、ビジネスを牛耳り、昔ながらのやり方を通すバズの存在を疎ましく思う者たちがいるのも事実だった。そんなある日、息子マイケルがロシア系マフィアのボリスと、彼の妻を巡るいざこざからボリスを殺したことで、バスの組織とロシア系マフィアが一触即発状態に。バズは事態に対処するため動き始めるが、事件の裏は思いも寄らぬ黒幕がいた。