物心ついた頃から「恋愛が何なのかわからないし、いつまで経ってもそんな感情が湧いてこない」自分に不安を抱きながらも、マイペースで生きてきた蘇畑佳純(そばた・かすみ)は30歳になった。大学では音楽の道を志すも挫折し、現在は地元に戻りコールセンターで苦情対応に追われる。妹の結婚・妊娠もあり、母から頻繁に「恋人いないの?」「作る努力をしなさい!」とプレッシャーをかけられる毎日。ついには無断でお見合いをセッティングされる始末。しかし、そのお見合いの席で、佳純は結婚よりも友達付き合いを望む男性と出会う…
思い通りにならない君だけど、君と言う存在が僕の期待を裏切ったことは一度もない。会うと些細なことで笑い合ってる。バカなことをしてツッコんだりするけど、本当はエルボーとかキックとかじゃなくて君に触れてみたい。友人たちにはキミの魅力も、この煮え切らない関係も全く理解されないけど、それでも一歩踏み出してこの関係が壊れてしまうなら、今のままの君との関係で十分幸せだ。きっと僕が好きな人は永遠に僕のことを好きにならないから―「好き」と伝えるだけで、どうしてこんなに難しいのだろう。