国内外のミュージシャンから信頼とリスペクトを集めるレコーディングスタジオ・音響ハウス。創業以来、東京の銀座に本社を置き、2019年12月に創立45周年を迎えた。数多くの名曲が誕生したレコーディングルームでは、大貫妙子、高橋幸宏、葉加瀬太郎、佐橋佳幸らゆかりの深いミュージシャンたちの手によって新たな楽曲が生まれようとしていた。それは音響ハウスのヒストリーを追った今回のドキュメンタリー映画のためだけに作られたオリジナルテーマソングだ。「運命の出会い」「夢が広がる実験の場」「5つ星スタジオ」「オーラがある」。今回のレコーディングに参加したミュージシャンや、佐野元春、坂本龍一、松任谷由実ら音響ハウスのスタジオを愛する面々から語られるのは、同スタジオと共に歩んで作り上げてきたCITY-POPと呼ばれる名曲・名盤の製作秘話。そこからはミュージシャンたちの創作の場を技術面で支えてきたエンジニアや、機材メンテナンスを担当する一流のマイスターたちの姿が浮かび上がる。豪華メンバーが顔を突き合わせて音作りに励んだ音響ハウス発の主題曲に歌声を吹き込むのは、13歳の新進気鋭のシンガー・HANA。作詞&コーラスでプロジェクトに参加した大貫妙子の歌唱指導と音響ハウスの意匠を引き継ぐ若きスタッフたちの協力のもと、主題曲『Melody-Go-Round』は完成する。45年に渡り日本の音楽史を支えてきたスタジオの日々と、新たなジェネレーションを繋ぐコラボレーション。令和の時代に、懐かしくも新しいメロディーが響き渡る。
根本昌平は売れない映画監督。7年前に初監督作とその主演女優と結婚したことで話題にはなるものの、映画自体は大コケでそれ以来映画は一本も撮っていない。そんな昌平が夢中になれるのは洒落たシステムキッチンに自らが立って作るフランス料理だった。ある日、昌平が数年前にCM撮影で訪れた時に仲良くなったアラニア島の日系二世、パナポラ・ハンダ酋長から手紙が届く。商用で来日するため、4月1日の夜に自宅を訪ねたいという。しかし、聞いたところによるとアラニア島では友情の誓いとして妻を一晩提供する習慣があるらしい。悩んだ昌平は友人の脚本家藤沢へ相談すると、藤沢は新人女優を妻の替え玉にするシナリオを提案してきたのだった…