時は宣和年間。北宋の徽宗皇帝が病に伏し、大尉の高俅は、その病はある妖石の像が原因だと皇帝に告げる。禁軍の教頭であり、槍の名手で武芸の達人・林冲は、命を受けその像を皇帝の元に運ぶ任を負うが、道中それを奪おうとする山賊に襲われる。山賊は林冲の義兄弟、魯達だった。友とは言え国宝を渡す訳にはいかず魯達を説得し彼を逃がす林冲であったが、運んでいた像を覆う布を払い驚愕する。その像は、誰もが心を奪われる美女、林冲の妻の姿をしていたのだ。高俅の手下である兵士は、その妻こそが妖魔であると騒ぎ出す。これは林冲を朝廷から抹殺しようと企む高俅の陰謀であり、彼を陥れるための罠だった。一方、何も知らず愛する夫の帰りを待つ林冲の妻は、高俅と彼の義息、欲に目がくらみ林冲を裏切った部下・陸謙により捕らわれの身となってしまう。仕組まれた罠により、危機に陥った林冲。山賊である義兄弟の魯達も加勢する中、果たして無事に妻を救い、腐敗した権力を制すことができるのか!?
時は太古の中国。ある村で「庚辰年の6月15日生まれ」の者が殺される奇妙な事件が勃発。捜査に乗り出した捕吏頭の青年・陸之道(りく・しどう)は自身も同じ出生日であるため、事件に疑念を抱く。そんな陸の前にある日、天空より謎の岩石が寺院に落下した。陸が岩石に手を触れた瞬間、白瞳依(はくとうい)と名乗る妖魔が現れ、陸の出生の秘密を告げる。陸こそは、妖界において審判を下す大判官の生まれ変わりであり、邪鬼・長生(ちょうせい)により統治されている妖界を救える唯一の救世主であったのだ。半信半疑の陸であったが、長生の手先・赤霞(せきか)に捕吏の仲間と育ての祖母を殺され、怒りに打ち震えた陸の手に突如、妖術がみなぎる。自らの進むべき道を知った陸は白瞳依とともに妖界へと旅立ち、天空に鎮座する長生に対決を挑む。