保険外交員として働く美保は、6年間一緒に暮らしている裕也との生活に居心地の良さを感じながらも、このままでいいのかと自問していた。バンドが解散したあと、裕也はすっかり音楽から遠ざかってしまい、最近は街中で様々な音を録音することに凝っている。美保の職場の後輩はなかなか独り立ちせず、美保を頼るばかり。そのせいで上司からねちねちと嫌味を言われている。疲れて帰宅した美保は、裕也がしきりにスマホをいじっているが気になり、スマホを見せろと凄む。裕也のバイトの後輩・朱里と親しげなLINEのやりとりをみた美保は、感情的になり裕也を家から追い出す。行き場を失った裕也は朱里の部屋に転がり込み、美保は職場の後輩から突然呼び出される。2人は、別々の夜を過ごすことになり・・・。
1995年、神戸。伊智子と太助は、阪神・淡路大震災により一人娘のれいこを亡くす。その後、離婚した二人はそれぞれの生活を始め、淡々とした日常の中、徐々にれいこの死を受け入れていく。2018年、久しぶりに再会した二人は、れいことの思い出の水族園へ行き、イルカショーを見るが…。
私にできること、それは私自身でいること。記号のように過ぎていく29歳の毎日に、漠然とした不安を感じている小学校教師の雪子。不登校児とのコミュニケーションも、彼氏からのプロポーズにも本音を口にすることを避け、ちゃんと答えが出せずにいる。ラップをしている時だけは本音が言えていると思っていたが、思いがけず参加したラップバトルでそれを否定され、立ち尽くしてしまった。いい先生、いいラッパー、いい彼女に...なりたい?と自問自答しながら誕生日を迎えた。でも現実は、30歳になったところで何も変わらない自分でしかない。それでも自分と向き合うために一歩前へ進んだ彼女が掴んだものとは―――。
どこか人任せなフリーターの新平は、幼馴染で彼女の咲と別れた日、訪れた映画館で佳純と出会う。意気投合した2人は夜の街を一緒に過ごす。しばらくして新平のバイト先のカフェで佳純が働き始める。再会に驚く新平だったが、佳純から「彼氏の浮気調査を手伝ってほしい」と言われ、探偵の真似ごとをする羽目に。強引な佳純に振り回されながらも、少しずつ惹かれていく新平だったが……