それは愛する人のために犯した罪だった…。袋小路の男を描く骨太な人間ドラマ。母と妹を暴力から守る為、父を殺めてしまった石川一馬。社会復帰を目指し、更生保護施設で生活を始めるが、社会は彼を「人殺し」と非難する。彼は次第に生きる希望を失っていく。ある日、一馬は職場のスクラップ工場で外国人労働者へのいじめに巻き込まれる。皆がいじめから目を背ける中、なりふり構わず止めに入った中国人労働者の劉の姿に目を覚まされる一馬。劉との交流を通じ、自分の望む幸せを掴もうと立ち上がるが‥。
和彦は母親が病気になったことをきっかけに仕事を辞めて実家へと戻ってきた。老人ホームで働き始めた和彦を待っていたのは、慣れない老人たちの介護と家では母親の愚痴を聞くという過酷な毎日だった。施設の方針に疑問を持ちながらも、和彦は入居者が楽しく笑顔でいられる理想を思い描きながら、日々の業務をなんとか真面目にこなしていた。そんな後藤に入居者のアイコだけが反抗的な態度をとっていた。自己主張するアイコに感化された和彦は、ホームでの仕事に生きがいを見つけようとするが……。