アラサー会社員の小岩井歩は、職場へ来る自販機補充員のお兄さん・山下諒真に密かな恋心を抱いていた。ある日、勇気を出して話しかけ、連絡先を交換することになる。何度も会ううちに2人の距離はより一層近づき、「勘違いしそうになる」と真っ赤になりながら告げる小岩井に、「勘違いしていいですよ」と答える山下。しかし、そこから少しずつすれ違いが生まれてしまう。果たして2人の恋の行方はどうなるのか……。
「未来のことはわかんないからさ、とりあえず良いことが起こることにしとこう。」舞台は2020年11月17日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった20代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。引っ越しの整理もままならない二人だが、都会から離れた町に住む真紀子(柳ゆり菜)の自宅で友人たちがお祝いパーティーを開いてくれることになり、稲田(中島歩)や圭吾(篠田諒)、そして真紀子の知り合いのインフルエンサーちひろ(めがね)らが集まる。しかし、自分の意見に合わせるばかりで、本音を話さない夫に不安を募らせていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が漂ってしまう。同じ空の下、様々な人物がやり切れない想いを抱えて毎日を過ごしている。急増するデリバリー案件に答えながら出演舞台が中止になる日々を送る30代の若手俳優の片岡(アベラヒデノブ)、帰省できず里帰り出産のわが子を抱くこともできない40代のタクシードライバーの淡路(高橋努)、そして、学校イベントのほとんどが中止となり、長年の恋心さえも伝えられずにいる中学3年生の光輝(山時聡真)と鈴(佐々木悠華)。
帝國金融のある街の市長・古井藤四郎(山西惇)は選挙戦の真っ只中。古井はライバルとの競り合いをなんとか勝ち切るべく、5000万円の融資を依頼してくる。当選すれば利権を使って簡単に返済できると言う古井だったが、当選が難しいと判断した桑田たちは、古井に便宜を図ってもらい昇進した市役所職員の猫田(坂口涼太郎)と甲守(中村元気)に目をつける。古井をそそのかし、二人に手形の裏書をさせ、不渡りになった際の返済義務を負わせることに成功する灰原と桑田。結局落選した古井は返済ができず、二人は猫田と甲守の元へと向かう。しかし、取り立ての最中に桑田が会社に呼び戻され、灰原は初めて1人で債務者と対決することとなり―。
不動産会社を経営する林田功作(波岡一喜)は、ある日帝國金融に2000万円の融資を依頼しに来る。林田は以前住んでいた土地を所有しており、林田の書類や人柄が信頼できそうであることから、灰原は融資しても大丈夫そうだと判断する。しかし実は、林田は土地の所有者になりすました地面師だった。自らの誤った判断で失態を悔い、灰原は、夜逃げした林田を必死で探すことになる。一方、公務員の清水好美(仁科貴)はスナックのママ・川田京子(柳ゆり菜)の誘いに乗って一夜を共にすると、店の改修費用500万を借りる必要があるから保証人になって欲しいと言われ、ママと共に帝國金融にやってくるが―。
帝國金融に面接に来たつもりが、いきなり追い込みの現場に連れて行かれた灰原は、その厳しさに面食らいながらも、金融屋として懸命に働き始める。最初に任されたのは、建設会社を経営する高橋健一(河屋秀俊)からの300万の融資の依頼。娘の正子(早織)は区役所に勤務する公務員で、公務員なら退職金などで金を回収しやすいと判断した金畑は融資を決定。灰原と桑田は早速高橋の元へ向かい、言葉巧みに娘を連帯保証人にする。しかし、程なくして返済が滞ると、灰原たちは娘をターゲットに定める。正子を尾行し、高橋親子の隠れ先を特定した灰原と桑田。ついに灰原初の追い込みが始まる―。