大阪。大学卒業を控えたある年の夏。写真家を目指す芸大生の草馬ナオ(田中真琴)は、写真中心の生活を送っていた。同じ写真学科の小夜(重松りさ)、山田(松田崚汰)、多田(秋田卓郎)は、写真に夢中になるあまり、人としてはどこか不器用なナオに振り回されつつ、その才能を認め彼女を応援していた。人生の岐路を前に、写真の本質に近づこうとするナオの情熱は、否応なしに3人の心をざわざわと揺らし、嫉妬や焦燥を生み、それぞれに“選択”を迫っていく。卒業後、写真家となったナオは、小夜、多田と久々の再会。そこで山田が失踪していることを知る。
舞台は、新潟のとある定食屋「川しげ」。病気の母を気遣い、娘の美絵(本間日陽)が1人で切り盛りするこの店は、地元の人たちが足繁く通うどこにでもあるような定食屋だ。近所で金物屋を営む常連客の日野(板尾創路)は、仕事が暇になるとふらっとこの店に訪れては、そこにやってくるお客たちを人間観察している。そんな定食屋「川しげ」に訪れた4人の女の子たち。一生懸命生きているけどなぜだか空回りしてうまくいかない。そんな彼女たちの人生物語を肴に、今日も日野は大好きな日本酒を楽しむのだった。