高校卒業が間近となった新潟の高校に通う学生たち。それぞれの夢、希望、悩み、葛藤を胸に、残りわずかな高校生活を過ごしていた。芸能事務所からスカウトされ、歌手になることを夢見てきた愛佳。古町芸妓への内定を得たが、彼氏に打ち明けられずにいる弥生と、最近何かを隠し、自分を避けるようになった弥生の様子に頭を抱える亮介、コロナ禍の影響で工場が倒産、その影響で不登校となり、新潟に引っ越してきた真衣、若者が自分のやりたいことに蓋をしていくしかない大人の作り上げた社会に声を上げようとする学、実家の味噌蔵を世界に発信していくため海外の大学を目指す由香―――。様々な状況に置かれ、人生の岐路に立つ若者たちが、卒業を前に、各々の悩みを解決していきながら、一歩前進していく学生たちの青春群像劇。
舞台は、新潟のとある定食屋「川しげ」。病気の母を気遣い、娘の美絵(本間日陽)が1人で切り盛りするこの店は、地元の人たちが足繁く通うどこにでもあるような定食屋だ。近所で金物屋を営む常連客の日野(板尾創路)は、仕事が暇になるとふらっとこの店に訪れては、そこにやってくるお客たちを人間観察している。そんな定食屋「川しげ」に訪れた4人の女の子たち。一生懸命生きているけどなぜだか空回りしてうまくいかない。そんな彼女たちの人生物語を肴に、今日も日野は大好きな日本酒を楽しむのだった。