一人娘の三島チアキは、母ヨシコが経営する鵺ヶ淵・温泉郷へ里帰りする。チアキの父は12年前、母に想いを寄せる男、澤津久森(さわつくもり)によって殺害されていた。辺鄙な山奥の洋館では、UMAを専門に扱う雑誌の編集長・京極がUMA(未確認生物)を捕獲し、マダムに差し出していた。マダムは新鮮なUMAの肉で若さを保つ老女。鵺は古事記や平家物語に登場する日本古来の妖怪で、猿の顔に狸の体、虎の手足、蛇の尻尾を持つ。そんなUMAの血を引く人間が生きる秘境、それが鵺ケ淵であった・・・。
仲の良い兄弟、兄の西野耕平(松田悟志)と、弟の雅也(藤沢大悟)は、両親を一度に亡くしてしまう。一流シェフを目指し東京で修行をしていた耕平は、両親が経営していた、海辺の小さなホテルを継ぐ事を決意する。一方、弟の雅也も画家を目指しながら協力する事に。ホテルを再開したものの客は来ず、ロビーには耕平が生まれた時に父親が買ってくれた、大きな柱時計が時を刻んでいた。ある日、ホテルにやって来た若い女性、川瀬彩華(松本まりか)が、予約も無しに独りで長期滞在したいと言う。怪しく思った兄弟は満室だと断ろうとするが、突然、大きな柱時計の鐘が鳴り響く。耕平は柱時計がその客を歓迎したと思い宿泊を了承してしまう。困惑する雅也であったが、女っ気のない男兄弟には、毎日が新鮮に楽しい日々が続き、いつしか兄弟は、彩華の天真爛漫な姿に惹かれて行く・・・