雨宮省吾は自身の想像の産物であるイマジナリー娘・佐知と、かれこれ十余年いつも一緒である。ある日、省吾は〆切を守らない東雲茉莉の元に原稿を取りに行く。そこで何やら訳あり気な女・笠原まひると出会う。まだまだ暑い夏の日のちょっとした出来事。
都会の喧騒から遠く離れて、水辺の街で1週間のヴァカンス――海に行き、靴を買い、恋をする?東京生まれ東京育ちの絵里は、ストレスが溜まる都会での生活を抜け出して、地方の水辺の街でヴァカンスを過ごすことに。亡くなった祖母の古民家で暮らす一週間の中で、絵里はその街で生きている人々と交流する。建築家の従兄とそのフィアンセ、大学生の従妹、靴職人、古墳研究者、バックパッカーなど、一癖ある人ばかり。そんな出会いと祖母の遺したものたちが絵里を少しだけ変えていく――