留置場でバンドのライブを行い、警察官らしくない言動の多い徹(筒井道隆)が刑事に昇進。ある日、連続窃盗事件の被害者・恵美子(清水美那)に事情を聞くが必死に何かを隠そうとする彼女に興味を抱き、徹はストーカーまがいの行動をとり始める。そんなころ、同じ独身寮で生活する中野(忍成修吾)が殺害現場に遭遇する。芥川賞作家・高橋三千綱の短編小説「ハロー・マイ・ラブ」を映画化した青春ドラマ。人との関りを欲しながらもうまく関ることができない現代の人間像を、『蕨野行(わらびのこう)』の脚本を手がけた渡辺寿監督がみずみずしいタッチで描き出す。筒井道隆が主役を務め、デビュー作『バタアシ金魚』のカオルの十数年後ともいえる浮遊感のあるキャラクターを演じきった。さらに遠藤憲一、本田博太郎、不破万作ら日本映画きっての個性派が脇を固めている。
釜石でラーメン屋「小川食堂」を営む父と妹の所に、3年前に家を飛び出して音信不通だった長女・正実(井桁弘恵)が突然帰ってきた。戻って早々厨房に立つ妹・仲良(池田朱那)に「おめえなんかにお母ちゃんの味は出せねえ!」と言う始末。東日本大震災で行方不明になった母・正恵(佐伯日菜子)の代わりに、父・剛志(利重剛)が店を継いでいた。仲良は病気がちな剛志を助けて厨房に立っていたのだ。姉妹の衝突が続いたある日、剛志がついに倒れ、入院することになる。そこで正実は「小川食堂」が町の人たちにとってとても大切な場所になっていたことに気づくのだった。そんな折、人気ユーチューバー・マリリン(木月あかり)が現れ、東北ご当地ラーメンのベストテン企画で「小川食堂」のラーメンを取り上げたいと言う。正実は「よし!おまえらに最高の一杯を食わせてやる!」と挑戦を受けた。こうして、姉妹は父の手を借りずに、二人で母の味に迫るべく、最高の一杯を目指した奮闘が始まる!