キルは、幼い時に鉄道で自殺しようとした母の手から逃げた後、暗黒街のキラーとして育てられる。マルボーロタバコ、コーラ、カップ麺、冷蔵庫の中の現金、ぎらぎらした刃のナイフ一本、オートバイ、猿のチチとの交流が生活のすべてであるキル(チョン・ウソン)は、自分に与えられたキラーの任務を黙黙と代行する非社会的人物。干からびた大地に降る小雨のように、彼を刺激するのは酒場のホステスで歌手志望のスハ(シム・ウナ)だけだ。キルは、遅い夜に燈台のように明るくなる彼女のアパートを見て小さな幸福を感じる。ある日、道に倒れているスハを見つけたキルは、彼女を家まで送り、スハに対する感情が愛に変わる。だが、愛という感情はキラーには致命的な弱点。
ある春の日、強い雨の中で出会い、その悲しい運命を受け入れた彼らの名前はヒョクスとウネ。父親が連れてきたこの幼い少女を見た瞬間、彼はすべてを捧げることを決心する。二人は異性愛を心の中に秘めたまま兄妹として育ち、やがてヒョクスはやくざの世界に入ってボスになり、ウネは大学に入って法学部生のチョルミンと出会う。検事になったチョルミンから求婚されたウネは、犯罪を犯し投獄されている兄、ヒョクスの仮釈放を条件にプロポーズを受け入れるが…
1年間の刑務所生活を終えて出所したムルセは、かつてスリをしていたジスクと一瞬すれ違う。彼は奪われた縄張りを取り戻した後、ジスクと再会し、彼女を自らの組織に引き入れながら徐々に愛を感じ始める。ムルセに同情を抱きながらも、彼の粗野さと卑しさを受け入れられず距離を置くジスク。彼女はホテルでジョンマンの財布を盗むが、過去を思い出して返却する。一方ジョンマンはジスクの生意気な明るさの中にある孤独を感じ、彼女に真心と確信を持って接する。その姿に危機感を覚えたムルセはジョンマンを暴行するが、それによってジスクとジョンマンの距離はさらに縮まる。