都会で教師をしていたクニちゃんこと小山田久仁子(28)は、まじめに考えすぎてしまう性格からストレスで心身を病み辞職していた。そんなとき、友人であるヤッちゃんの亡き叔父が所有する空き家を管理するため“Iターン”することに。そこでクニちゃんは、お医者さんから言われた「もっと、うまく、ふまじめに生きなさい」という意味深な格言を思い出し、自身のまじめすぎる性格とは真逆の、『ふまじめ通信』という音声番組をなんとなくはじめてみることに・・・そんな番組から流れてくるのは、クニちゃんが出会ったちょっぴりマヌケでもの哀しい『ふまじめ』な人々のエピソード。いつも呑気に見えてる人でも、心の片隅に小さな物語がしまわれている・・・。
高校の同級生の秋吉純太(アキ)と藤城春継(ハル)は別々の大学に進学するも、静かな住宅街にある一軒家でルームシェアをしていた。大学4年生になり、就職活動に勤しむ二人。写真家の道に進むことを決めたハルは写真スタジオに、アキはインテリア雑貨の会社に内定が決まる。米山と麦田、あずさ、雪乃を招いた就職祝いの「たこ焼きパイ」パーティで盛り上がったその夜、アキに一通のメールが届く。それは、勤務地が大阪に決まったという知らせだった。一緒に暮らせるのも卒業まで残りわずか。寂しい気持ちとモヤモヤを抱える二人の間には、どこかよそよそしい空気が流れていた。そんなある日、ハルの姉・立夏が結婚報告をしに会いに来る。結婚の決め手になった話を聞いたアキは、ハルに友情以上の感情を持っていることに気付く。しかしアキは、ハルにはこの感情を打ち明けないことを心に決める。一方、大阪への勤務が決まったと聞いた時から、ハルは心ここにあらずだった。このまま4年間暮らした一軒家を引き払い、穏やかで幸せだった同居生活は終わってしまうのか…。そして、社会人を迎えるアキとハルの行く末は…?