大阪から宮古島にやって来た碧海貴吉が建てた小さなヴィラ「ふたたヴィラ」は、再会をかなえてくれるヴィラとして話題になり、貴吉は島でかんかかりゃ(神様)と呼ばれるようになる。その貴吉が亡くなり、娘の陽葵が引き継いだヴィラに、会えなくなった相手との再会を願うさまざまな人々が訪れる。
軽度の知的障害を抱える22歳の来栖玲。生まれつき小柄なため、しばしば子どもに間違われ、自分が“障害者”扱いされることに葛藤を抱えていた。大好きな父を亡くした上、母の梨加も精神障害者となり、ネグレクト状態に。一時は梨加と離れ、施設で過ごしていたが、現在は同居中。しかし、施設で出会った最大の理解者の精神科医・柊早苗の急死により、玲は再び心を閉ざしてしまう。柊の後任の若い医師を受け入れられず、通院を拒み続けていたある日、さらにその後任として、新たな医師の恵比寿丈が着任する。やがて、梨加が家賃を払えず、遂に退去を求められた玲は、デリヘルのバイトに応募。良く分からぬまま契約書にサインをして、お金を受取ってしまう。娘から渡された、そのお金を手にして不安を覚える梨加。デリヘルで撮影することになった玲は、そこに所属するカナと共に逃亡。だが、荷物を取りにマンションへ戻ったところ、梨加から“あんたのせいでパパは死んだ”と言われてしまう。決して言ってはいけない言葉を口にした自分への後悔とふがいなさに泣き崩れる梨加。一方、部屋を飛び出した玲を、恵比寿が追うが……。
バブル経済の破綻と共に、そのあおりを受けた大阪にて不動産業を営む男・碧海貴吉は失意のまま大阪から宮古島にやって来る。自殺をしようとしたその時、亡くなった父・勘吉が現れ貴吉に叱咤する。ウミガメを見せた後「あの丘に小さなホテルを作れ。そしてその裏の砂浜にこのウミガメを放て…そうしたらそこは人を救う再開の場となり、お前の人生も救ってくれる」と言って消えていく勘吉。勘吉の言葉通り、ヴィラを建てる貴吉。やがてそこは泊まれば心から願う再会を叶えてくれる「ふたたヴィラ」と呼ばれる。時は流れ、宮古島へ降り立つ碧海陽葵。母と自分を捨てた父・貴吉を恨むが、その父が亡くなり内縁の妻・甘潮優実に呼ばれ渋々来たのだった。貴吉の造り上げたヴィラに連れられ、そのヴィラに訪れる家族や島の住人達と触れ合う。漁師の父に反抗し島を出た息子・南城津吉は、都会で上手く行かずヤクザに追われながら島に戻るが、殺したヤクザの家から引きこもりの娘を連れ歩く。久しぶりに会った母・南城寿子は認知症により自分の息子が分からなくなっていた。新型コロナウイルスによって夫を亡くした村川叶は、娘・村川愛那と共に再会を果たせるヴィラに願いを込めて訪れていた。行方不明になった娘を探す夫婦は、娘に似た人が宮古島に居るという情報を聞きつけ訪れる。其々の家族が「ふたたヴィラ」によって、ほつれた想いをほぐし新しい絆を紡いでゆく。陽葵は、母・ジェニファーが娘が自分から離れることを恐れ父について嘘をついていたことを知らされる。甘潮から父・貴吉の想いを聞き、「ふたたヴィラ」継ぐことになる。天使となった貴吉は宮古島の美しい空と海で見守り続けてゆく、、、
障がい者施設で暮らす那須叶(なすかなえ)通称ヌー。彼女は母親を求めながら、赤ん坊の頃捨てられたロッカー“ぬ5515”を守り続け、毎日コインロッカーの前で絵を描き続けていた。ある日、刑務所から出所した男・黒迫和眞(くろさこかずま)と出会う。黒迫は、別れた妻子に金を送る為、現在はヤクザである友人の木嶋から紹介してもらった覚醒剤売買で金を稼ぐ。ヌーのコインロッカーの傍で覚醒剤売買をしながら次第にヌーに興味を持ち、思い付きでSNSでヌーの絵をアップし始める。海外の有名アーティストから絵を買いたいとの連絡が入り、高額で売ろうとした黒迫だったが、ヌーの純粋な心に触れ良心が生まれる。そんな時、ヌーが白血病により倒れ余命を宣告される。黒迫はヌーに、適合した自分の骨髄を移植するが、覚醒剤売買が発覚し、警察に連行される。病院を抜け出し冷たい雨に打たれながら黒迫を追って警察署の前で再び倒れたヌーは、無理が祟り亡くなってしまう。釈放された黒迫はヌーの担当施設職員・瀬戸瑠璃子によって、ヌーが黒迫へ残した沢山の絵と想いを受け取る。