厳格なカトリックの家庭で育ち、生まれつきの心臓病に苦しんでいたマイータは、医師と神父の顔を持つ婚約者の父から多大な援助を受け、見知らぬドナーからの心臓移植によって九死に一生を得るが、術後、胸の中で刻まれる新たな鼓動に呼応するように、これまでの保守的な自分からは想像もつかない野性的な性欲と未知の衝動に突き動かされる。ドナーの恋人であったリコとの出会いを通じて、自分の心臓の主がアンジェリカという名の高潔な教師であったことを知った彼女は、婚約者の激しい反対を押し切り、何かに取り憑かれたように彼女の生前を調べ始めるが、そこで発見したのは、聖職とも言える教師の仮面の裏でアダルトサイトに自らの情事を晒し、欲望のままに生きるアンジェリカの衝撃的な姿であった。動画に導かれるように背徳的な快楽に溺れ、リコとの距離を縮めていくマイータは、やがてアンジェリカの不可解な死の裏側にある衝撃的な真実に直面することに…。
マニラでの都会暮らしに心身ともに疲れ果てたクレアは、新天地を求めて静かな農村カプカプへとやってくる。彼女は地元の製粉所で働き始めるが、そこは平和な風景とは裏腹に、大手資本による宅地開発の波に飲み込まれようとしていた。開発を頑なに拒む地主のカルメロと、貧しい生活を抜け出しマニラでの成功を夢見る義理の息子のアンドレス。二人の間で板挟みになる妻ノラの苦悩をよそに、アンドレスは都会的な魅力を持つクレアに惹かれていた。ある晩、ノラの目を盗み、アンドレスとクレアは密やかにも激しく求め合う。それ以来アンドレスは、謎めいた美しさを放つクレアへと溺れていく。しかし、その甘美な情事は、土地を巡る執拗な買収工作と絡み合い、やがて凄惨な悲劇を招き寄せる。