マニラでの都会暮らしに心身ともに疲れ果てたクレアは、新天地を求めて静かな農村カプカプへとやってくる。彼女は地元の製粉所で働き始めるが、そこは平和な風景とは裏腹に、大手資本による宅地開発の波に飲み込まれようとしていた。開発を頑なに拒む地主のカルメロと、貧しい生活を抜け出しマニラでの成功を夢見る義理の息子のアンドレス。二人の間で板挟みになる妻ノラの苦悩をよそに、アンドレスは都会的な魅力を持つクレアに惹かれていた。ある晩、ノラの目を盗み、アンドレスとクレアは密やかにも激しく求め合う。それ以来アンドレスは、謎めいた美しさを放つクレアへと溺れていく。しかし、その甘美な情事は、土地を巡る執拗な買収工作と絡み合い、やがて凄惨な悲劇を招き寄せる。